インフィニット・ストラトスinアイアン…マン?   作:高橋ヒナタ

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12,000UAありがとうございます!

遅ればせながら第17話、投稿でございます。



第17話

 

 

 

「行けるな?山田くん」

 

「はい!名誉挽回してみせます!」

 

「2対1と言えど手加減はしませんわ!」

 

「あたしも本気で行くわよ!」

 

各々の専用機を身に纏うセシリアちゃん&鈴音ちゃんと

訓練機のラファールリヴァイブを駆る真耶ちゃんによる

2対1の変則マッチが始まった。

 

見事なまでの墜落を披露したドジっ子真耶ちゃんだが

ほんわかした第一印象とは裏腹にその実力は凄まじい。

セシリアちゃんと鈴音ちゃんは第一印象に騙されて

完全に油断し切っているようだが、実は真耶ちゃん

日本代表の座を巡って千冬さんと熾烈な争いを繰り広げた

屈指の実力者なのである。

 

 

「おっと鈴音ちゃん…そこで突っ込むのは危険だぞ?」

 

ドォンッ!!

 

あ、セシリアちゃんの射撃が直撃した。鈴音ちゃんに。

 

「ふん…あれで代表候補生だと?笑わせてくれる」

 

真耶ちゃんがアサルトライフル「ヴェント」二挺持ちで

2人をいいように誘導してる。

 

実弾射撃武器を好み中距離での射撃戦を得意とする彼女を

あの距離感でフリーにさせていたらそうなるだろう。

ラファールの特徴の一つでもある豊富な拡張領域に

無数に搭載されたアサルトライフルやサブマシンガンで

蜂の巣にされてしまう。

 

 

「回避先が甘いね2人とも」

 

「母さんもそう思うか。あのままでは──」

 

セシリアちゃんが陽動に嵌った事に気付いたようだが

もう遅い。

 

 

ドゴォッ!!!

 

 

「あっちゃ〜…」

 

セシリアちゃんと鈴音ちゃん、正面衝突。

 

真耶ちゃんがその隙を逃さず刈り取ってゲームセット。

2人は見事にバタンキューさせられたのだった。

 

 

「鍛え抜かれた連携は負担を軽減し戦闘を優位に運べる。

個のポテンシャルに長けるお前達がそれを極めていけば

より大きな力とすることも出来るだろう」

 

異なる意思を持つ者同士でひとつの事を成すというのは

中々に難しいものだが、ひとつの大きな目的のために

団結するのもまた人類が古来より受け継いできた武器。

力を合わせればそれはとてつもなく大きな力になるのだ。

 

アベンジャーズだって最初はバラバラだった。

意見の違いや敵の策略で何度も仲違いを起こしているが

最後には団結し、幾度もヴィランを退けているんだから。

 

 

 

で、真耶ちゃんとの模擬戦が終わったので

基本戦闘訓練へと入る訳だが、これがまたものすごく

グダグダになった。

 

「織斑くん!同じグループ入っていい?!」

「私も!剣の使い方とか教えて!」

「デュノア君の操縦技術見たいな〜!」

「ラファールについてもっと聞きたいの!」

 

学園でたった2人だけのイケメン男子生徒と

代表候補生とはいえ2vs1で訓練機に負けたクラスメイト

どちらに操縦テクニックを教わりたいかと聞かれたら

間違いなくほぼ全員が前者だと答えるだろう。

 

「えぇいもたつくようなら私が割り振らせてもらう!

出席番号1番から順に8人が織斑の所へ!次の8人が──」

 

まぁそんな事してたら千冬さんから怒号が飛ぶ訳で。

まさしく鶴の一声、一瞬で騒ぎが静かになった。

 

ちなみに原作ではむすっとしていたラウラちゃんは

SHRの挨拶の直後に私の腕の中で寝落ちしたことが原因か

何人かのクラスメイトから興味を持たれてしまったようで

追い回される小動物のようになっていた。

これでも一夏君とは決して関わろうとしなかったり

千冬さんには絶対忠誠みたいなところはあるんだけど…

今の所ただのかわいい子ウサギにしか見えないな。

 

 

「では皆さん、訓練機を一班一機取りに来て下さ〜い!

『打鉄』が3機に『ラファール』が2機ありますから

好きな方を選んで下さいね!」

 

──あ、なんか一夏君が箒ちゃんに足踏まれとる。

真耶ちゃんってば、教えるのは凄く上手なんだけど

身振り手振りも交えつつ説明するもんだから

事ある毎にダブルスイカがぷるんぷるんするんだよね。

で、視線を釘付けにされた一夏君が制裁を食らう訳だ。

 

それはともかく、訓練機を受け取りに行こう。

 

「篝火さんって倉持技研所属だよね?なら──」

 

「いや、実は打鉄よりラファール派なんだ」

 

「えー?なんか理由あるの?」

 

「汎用性は勿論だけど拡張領域の豊富さだね」

 

学園に配備されている訓練機は倉持技研製の「打鉄」と

デュノア社製の「ラファール・リヴァイブ」以外にも

ロッキード・マーティン社製の「ラプター・アイズ」など

いくつか種類があるが、扱いやすさなどの都合上

1年生に用意されるのは基本的に打鉄かラファールだ。

 

私が入る事になった班のグループリーダーラウラちゃんは

別にどちらでも教えるのに支障はないとの事だったので

とりあえずは余っていた打鉄を持っていく。

 

なんでラウラちゃんのグループにいるのか、だって?

千冬さんに指名されたんじゃよ。サポートしろ、ってな。

 

 

 

「そんな事しなくても踏み台になればいいでしょう?!」

 

「ちょっと待て。踏み台になるくらいなら運ぶって」

 

「…好きにしろっ!!」

 

訓練が始まったんだが、一夏君のグループの方で

さっそくトラブル発生のようだ。

 

出席番号1番の相川さんが一通りの訓練を終えたあと

打鉄をハンガーへ固定する際に機体を屈ませずに

パージしてしまったせいで次の生徒が乗り込めなくなり

一夏君が抱っこして乗せる事になったようなのだが

これに箒ちゃんが猛抗議したらしい。

 

 

「──ほらまた余所見してる!人の話を聞く時は

ちゃんと相手の顔を見なきゃだめですよ!?」

 

「山田先生!織斑くん困ってますよ〜!」

「おっぱいを強調するのはズルいと思いま〜す!」

 

また真耶ちゃんがおっぱいぷるんぷるんさせて

一夏君を困惑させてーら。

 

で、一夏君におっぱい見られてると気付いた真耶ちゃん

顔を真っ赤にさせながらも満更でも無さそうな表情。

やっぱり真耶ちゃんも一夏君のヒロイン候補なんだな。

 

 

 

 

「次は母さんの番だぞ」

 

「あいよ〜ラウラちゃん。………待った今なんて?」

 

一夏君がお姫様抱っこで次の生徒を運んだからか

なぜかラウラちゃんにお姫様抱っこされる私。

 

けどそれ以上に疑問なのは、私の呼び方だ。

 

「何故にお母さん呼び?」

 

「教官がそう呼んでいたからだ」

 

さっきのは聞き間違いじゃなかったらしい。

 

「いや、私と千冬さんに血縁関係は無いからね?」

 

「私がそう呼びたい。それでは駄目か?」

 

「………まぁ、うん、いいよ」

 

一応同い年の少女からの母親認定に困惑する部分はあるが

ラウラちゃんには両親と呼べる人がいないだろうし

親として慕ってもらうことでこの後のトラブルを

対処しやすくするという意味でも受け入れておく。

漁火ヒカル爺さんとしても放ってはおけなかったよ。

 

 

「母さんは軍隊経験でもあるのか?射撃が上手いな」

 

「まぁそのうち秘密を見せてあげるよ」

 

「???」

 

打鉄用アサルトライフルを使ったのは今回が初めてだが

基本はラファール用のライフルとそう変わらなかった。

動かないターゲットに当てるくらいは造作もない。

軍隊経験は無いが射撃武器(リパルサー)を撃った経験ならあるのでね。

 

まぁISとスーツで積んでるOSやFCSが全く違うせいか

少し違和感はあるんだが…。

 

 

 

╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌

 

 

 

 

 

──昼休み。

 

午前の授業を終えた私は、一夏君からの昼食の誘いを

さりげな〜く断って、簪ちゃんと食堂へやって来た。

 

「いいの?織斑くんの所へ行かなくても」

 

「箒ちゃんの邪魔しちゃ悪いかな、って」

 

「……何人か1組の子が屋上へ行ったみたいだけど?」

 

「まぁそうなるよね…相変わらず唐変木なんだから」

 

一夏君が食事に誘ってきたということは、ほぼ確実に

ヒロインズ全員に同じような誘いを掛けており

つまりセシリアちゃんが来る確率が高いということ。

それだけ言えば原作知識持ちには理解出来るだろう。

 

少し前に一夏君が珍しく体調を崩した事があったのだが

それの原因がセシリアちゃんの手料理だったそうだ。

彼女はそう、メシマズ属性持ちなのだ。それも重度の。

それでいて料理の見た目は綺麗で美味しそうという

悪魔のようなトラップまで仕掛けられている。

 

私はまだそんなトラップの餌食にはなりたくないので…。

 

 

「──少しアプローチを変えてみる事にしたんだ」

 

「これってひょっとしてベロニカがモデル?」

 

「そう。昨日エイジ・オブ・ウルトロンを見たろ?

その時にピンと来たのさ」

 

「良さそうだね。それならマイクロリピーターも…」

 

「まだ埋め込まなくて済む、と。痛そうだしなアレ」

 

ここでは機密情報や最新技術に関わらない範囲で

互いのスーツとISのアップグレード案を模索する。

 

完全な自動キャッチ機能対応化を目指したmk.6だが

次の学校行事である学年別トーナメントに間に合うよう

自動キャッチ機能は武装の方へ先行導入する形とした。

そちらで技術実証を行い、ノウハウを蓄積させたうえで

改めて自動キャッチ型スーツを製造すればいい。

 

 

「リパルサーキャノン擬きの設計もやっと終わったから

倉持第二に部品の発注を出しておいたの」

 

「へぇ、超軽量装甲も含めて良い仕上がりじゃないか」

 

「でも…もう少し軽くしたいかな。機動力落ちるし」

 

「ならこのゴールドチタン合金を使ってみるといい。

後々倉持が出す予定の新素材だが、許可は取ってる」

 

「え?ゴールドチタン合金?試してみる」

 

簪ちゃんのISの方もかなり構成を変えたようで

荷電粒子砲二門の代わりにリパルサーキャノン擬き二挺を

超振動ブレードの代わりにエナジーブレード擬きを追加し

余った枠へシールドを追加する形にしたとの事。

 

私が発明し命名権を貰った新型の超軽量チタン合金

ゴールドチタン合金を導入すれば更に機体が軽くなり

装甲の強度を変えずに出力荷重比をアップ出来る筈だ。

 

 

「お互い学年別トーナメントには間に合いそうだな」

 

「うん。ありがとう」

 

そんなこんなで有意義な昼休みを堪能していたら──

 

 

 

「あら篝火ちゃん、ここにいた…の………ね?」

 

「お姉ちゃん…!?」

 

生徒会長さん、タイミング最悪です。

 

簪ちゃんの顔色が一瞬で不機嫌モードに入った事からも

分かるとは思うが、この姉妹現在絶賛絶交中なのだ。

過去に大喧嘩したことが原因で仲が悪化して

それを楯無さんが埋めようと頑張ってるみたいなんだけど

如何せん楯無さんが不器用過ぎるもんで、接触するたびに

どんどん仲が悪化していく悪循環に陥っている。

 

「ご、ごめんね!やっぱ日を改めるからっ!」

 

何を話したらいいのか分からなくてしどろもどろになって

逃げるように私達に背を向け立ち去ろうとする楯無さん。

 

「ちょっと待ちなさい」

 

「なっ、何するの篝火ちゃん!?」

 

「はいはいここに座って。顔は逸らさない…っ!」

 

でもそれじゃあ一向に仲は改善しないし

楯無さんがここへ来た"恐らくは重要事項であろう何か"も

聞き出せないので、彼女を引っ捕まえて席に座らせる。

 

 

「……………」

 

「……………」

 

無理やり顔を合わせてやったんだが…この有様だ。

楯無さんの抵抗もどんどん強くなって来ている。

このままじゃ抜け出されそうだ。

 

──仕方ないな、少し強引に行くぞ。

 

「多分ね、簪ちゃんが思ってるような事考えてないよ。

簪ちゃんのことが大好きで大好きで仕方ないのに

どう仲直りしたらいいのか分からなくて困ってる」

 

「!?!?」

 

「…ほらね?顔色が急に変わったでしょ?」

 

何でバレてるのよ!とでも言いたそうに顔を真っ赤にして

ジタバタと暴れ始める楯無さん。

 

そりゃあバレバレでしたよ。簪ちゃんが心配で仕方なくて

わざわざ初日に私の部屋に突撃して来て私物を漁って

コンテナに手を出してスタンガンで気絶させられた人物

誰だったのか貴女もよ〜くご存知でしょうに。

 

「…図星ってこと?」

 

「そういうこと」

 

「ちーがーうー!」

 

「………お姉ちゃんなんて大っ嫌い」

 

「ちがわないちがわない!違わないからっ!」

 

「……………」

 

今まで避けられていた原因がただの照れ隠しと分かって

簪ちゃんの顔色が少し綻んだ。

 

思い当たる節がいくつも浮かんできたんだろう。

入学式で挨拶した楯無さんが普段の楯無さんだとすると

それこそ大喧嘩した翌日──否、喧嘩した直後から

ずっと仲違いした事を後悔していたはずだ。

 

「私は…お姉ちゃんの力になりたい」

 

「……………」

 

「確かに私は"楯無"にはなれないかもしれない…。

けど、私にも"力"はある!」

 

「……………」

 

熟考する楯無さん。

 

 

「──6月末の学年別トーナメント本戦に出場すること。

そしたら『更識』の任務について詳しく教えてあげる」

 

「!!」

 

だが、最後は妹の考えを尊重してくれたようだ。

 

 

 

 

 

「っはぁ〜〜〜…人生で一番緊張したわ~…」

 

「ところで私に何か話でも?」

 

「え?あ、あぁごめんね。そうだったわ」

 

それはそれとして。楯無さんがここへ来た理由を聞く。

安堵で溶けてる彼女には悪いが、午後の授業開始まで

そんなに時間が残ってないので急かさせてもらう。

 

 

 

「篝火ちゃんはこの事件知ってる?」

 

楯無さんが取り出したのは一冊のファイル。

ある事件の詳細をまとめたものらしい。

 

「………隕石の盗難被害?それは知らなかったです。

J.U.P.I.T.E.R.、詳細を調べて」

 

『──チェコ共和国の首都、プラハの展示施設から

ローブを着た仮面の大男によって盗み出されたようです。

展示施設はレーザー銃と思しき武器で破壊され

施設職員や出動した警備隊にも死傷者が出た模様。

なお、同様の事件はスロバキアや周辺諸国でも起きており

先日欧州連合が共同での対応策を発表しました』

 

なんとまぁとんだ大怪盗がいたもんだ。

しかし盗み出したモノが隕石とは何とも変わり者だな。

 

「で…これが何だって?」

 

「ウチが掴んだ情報によるとね、その犯人とやらは

少しづつ日本へ向かって来てるらしいのよ。

予想としては学年別トーナメント以降ね。狙われるなら」

 

まさか──

 

 

 

「そう、更識家からアイアンマンである貴女に依頼よ。

この神出鬼没の盗賊団の捕縛を手伝って欲しいの。

もちろん簪ちゃんにも手伝って貰うわ」

 

 

 





次回の予定はちょっと未定…。

最近またスランプというか気力ガタ落ちというか
とにかく筆が進まない状態でして…申し訳ない。
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