インフィニット・ストラトスinアイアン…マン?   作:高橋ヒナタ

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長らくお待たせして申し訳ありませんでした…!

ラウラちゃん乱入と学年別トーナメントの間に当たる
オリジナル部分なもんで、少し苦戦しまして。
その分2パート同時投稿なのでどうかお許しを。



第19話

 

 

 

──とある軍事基地。

 

一世紀近くも前のものであろう造りのその基地。

ある出来事を境に使われなくなって久しい筈のここには今

少なくない研究員達が行き交っていた。

 

 

「我らが基地へようこそ。ミスミューゼル」

 

そこへ、数名の護衛を引き連れた金髪の美女が現れる。

抜群のプロポーションを更に引き立てる赤いドレスと

幾つもの死地を乗り越えた猛者の雰囲気を同時に纏う

その美女の名は「スコール・ミューゼル」。

背後の護衛がジュラルミンケースに入った大金を

チラリと覗かせた事から分かるように、彼女はこの基地へ

ある取り引きをしにやってきた。

 

基地のリーダーを名乗った男はスコールと護衛を連れ

最下層へと続くエレベーターに乗り込む。

 

 

「…彼女の様子は?」

 

「現在、解凍処置を実施しています」

 

「例のシステム、順調そうね」

 

「じきに黒兎がお披露目しますよ」

 

 

簡素なエレベーターに揺られること十数秒。

スコール達は基地の最下層へとたどり着く。

 

開けた空間に並んでいたのは、複数の円筒状の装置。

ガラスは内側が見えなくなるほど真っ白に凍りつき

表面には無数の結露が見て取れる。

それはそう、コールドスリープ装置。

そしてその内の一基は今まさにカバーが開く所で。

 

 

「あら…本当にそっくりなのね」

 

「似ているのは容姿だけではありませんよ」

 

「それは頼もしいわ」

 

装置から降ろされ研究員に運ばれて来たのは一人の少女。

スコール以上にこの様な場所に似つかわしく無い容姿だ。

だが、基地の職員曰く高い実力の持ち主だとのこと。

 

 

 

Bist du wach?(目が覚めたか?)

 

「……Ja(あぁ)

 

少女がゆっくりと顔を上げる。

その目付きは、まさしく暗殺者の目付きで。

 

 

Es ist Ihre Mission.(お前の任務だ)

 

基地のリーダーが、スコールから受け取った書類を

少女の目の前の机に広げる。

 

 

 

Töte es(殺せ)

 

「…Alles klar(了解した)

 

 

 

書類に目を通し、"目標"の顔を覚えた少女は

まるで亡霊のように静かに、任務へと向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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ラウラちゃんの問題を1つ解決した数日後

私は簪ちゃんやその従者でもあるのほほんさんと一緒に

大型ショッピングモール「レゾナンス」へやって来た。

 

目的は7月の頭にあるIS操縦に関する強化合宿を兼ねた

宿泊学習「臨海学校」で使う水着の調達だ。

 

「意外だねぇ水着持ってないなんてさ~。

ヒナっちスタイル良いのに」

 

「あははっ、必要無かったから…」

 

下着は普段から身につける必要があることや

母と姉があれこれ買ってきて着せてくるのもあって

最近やっとファンシーなデザインのものを着るのにも

抵抗感が無くなってきたところなのだが

水着に関してはまだちょっと…といったところ。

 

姉が遊び半分で買ってきた悪趣味なモノを除けば

中学入学時に買った学校指定のスクール水着と

学園入学時に買い直した物の2着のみ。

 

 

「…そういえば何で学園指定が旧スクなんだろう」

 

「偉い人の趣味なんでしょ〜きっと!」

 

「轡木さんの?けどあの人実質用務員だよ?」

 

ちなみに、最近の学校指定水着は殆どの学校で

セパレートタイプやユニセックスタイプなど

素肌の露出や体型の強調を極力減らすデザインを

採用しているのだが、簪ちゃんが愚痴ったように

IS学園のスクール水着は何故か旧スク。

 

普通の学校ならのほほんさんが言ったように

上層部の趣味の可能性も無きにしも非ずなんだが

IS学園上層部どころか一介の職員にすら男性は居ない。

唯一の例外が学園長「轡木十蔵(くつわぎじゅうぞう)」さんなのだが

彼は主な業務を奥さんに任せているようなので…。

 

(原作者の趣味…ってこと?)

 

ISスーツも旧スクや競泳水着に似たデザインだし

この世界の創造主がそういうフェチなんだろう。

 

 

 

「お〜さすがレゾナンス!品揃え良いねぇ♪」

 

ともかく。まずは水着を選ぶとしよう。

レゾナンスの水着コーナーは、ここに無ければ

市内に水着は売ってないと言えるほど大きいので

お目当ての水着は確実に見つかるはずだ。

 

「のほほんさんはどんなのを探してるの?」

 

「えーっとね、こういうやつ」

 

生粋のキグルミストのほほんさんが探しているのは

やはりというか着ぐるみのような風変わりな水着。

何やら不思議な最新技術で作られているようで

これで水中に入っても動きの阻害が最小限で済むらしい。

 

 

「お、あったあった♪」

 

のほほんさんが見つけたのは、ケモ耳カチューシャ付きの

黄色いキツネを模した着ぐるみ型の水着。

着ると尻尾もちゃんと動くんだとか。

 

どういう仕組みで動いてるんだ…?

 

 

 

「待って!まだ覚悟が…!」

 

「ほらほら、妹ちゃんの水着選ぶんでしょ?」

 

 

 

一番探すのが大変そうなのほほんさんの水着を

無事発見出来たので、今度は簪ちゃんのお目当てを探す。

 

「今回は…ビキニにしてみようと思うの」

 

「ならあの辺だね」

 

ビキニに挑戦はするが露出度高めはちょっと…と

そういう方針で行きたいとの事だったので

ボトムがスカートタイプあるいはパンツタイプのものや

パレオもセットになっているものを中心に探す。

 

「………決めた。これにする」

 

いくつかの候補の中から簪ちゃんが選んだのは

黒のベースカラーに白いラインで差し色が入れられた

ボトムがフリルスカートタイプのビキニ。

トップスにも肩紐のラインに沿って胸元のリボンまで

フリルがあしらわれている。

 

自室以外では基本的に主張控えめな彼女のことだから

これでも相当攻めたデザインを選んだんだろう。

少し顔が赤い。

 

 

 

「お嬢様…自分から言い出したのですから…」

 

「いざあの子を前にしちゃうと緊張するのよ!」

 

 

──で。最後は…私だ。

 

「ヒナっちはどれにする〜?」

 

「…スタイル良いから何でも似合うと思う」

 

意外とノリノリな顔で色々な水着を手に取って

ハンガーに掛かった状態のまま当てはめてくる2人。

 

ただ、ハッキリ言ってしまうとどれにしたらいいのか

全く分からない。今の今までスーツ作りに熱中していて

お洒落や恋愛にあまり関心を持って来なかったからな…。

学園入学で男性と交流する機会がめっきり減ったからか

"買ったとして誰に見せるんだよ"感も凄いし。

 

「それじゃあ無難なところで──」  

 

「え〜もったいな〜い!」

「私もそう思う」

 

「そうか…?」

 

最初はラッシュガード兼用で素肌がほとんど露出しない

無難なタイプの水着を選ぼうとしたのだが

まさかの簪ちゃんにまで勿体ないと言われてしまって

強制的に選び直しさせられてしまった。

 

トニー…もといアイアンマンとして活動するのなら

もっとナルシストで居てもいいはず、と付け加えられては

私も覚悟を決めるしかない。

 

 

「……………この中なら…これで」

 

「どう?かんちゃん」

「…ギリギリ及第点」

 

最終的に選んだのは、比較的長めの丈のパレオが付いた

シンプルなエメラルドグリーンのビキニ。

これでも何だか渋い顔をされてしまったんだが

ここ最近同僚からも変態認定されつつあるウチの姉に

選んでもらうより何倍もマシだろう。

 

なんでも、いつでもジムで泳げるからとか言って

仕事場でもお構い無しに水着白衣で居ることが増えたり

他の科の魅力的な職員さんへのスキンシップが

前にも増して情熱的になったとかなんとか──

 

 

 

「ちょーーっと待ったぁーーーっ!!!」

 

「うわ…」

 

噂をすればだよ。

 

着ている服こそマトモだが何故か水泳用ゴーグルが

頭に乗っかったままのウチの変態お姉ちゃんが

しどろもどろな表情の楯無さんと

困惑顔なのほほんさんの姉「布仏虚(のほとけうつほ)」さんを

引き連れて乗り込んできやがった。

 

「私の妹なのにそんな控えめな水着じゃ勿体ないっ!

今度こそヒナタちゃんに合う水着を選んであげるから

さぁもう一着探しにいくわよ〜!」

 

「ちょっ…待って!離してっ!」

 

この姉、最近の趣味が銛片手に川や海へ出向いて

魚を獲って食べる事だからか、やたらと力が強い。

私もトニーに倣って定期的にトレーニングをしたり

ピラティスとは何ぞやと調べて実践してみたりと

体力作りはしてきたが…暴走した姉には勝てなかったよ。

 

簪ちゃんのほほんさんにイジられる楯無さんを他所に

私は試着室へと連れ去られてしまった…。

 

 

 

 

 

──約十数分後。

 

 

「……………もう殺してくださいぃ…」

 

もう帰りたいです。

 

簪ちゃん達に見せるだけならわざわざ試着室から

引っ張り出す必要なんて無いでしょうに。

何かもうあちこちから視線が突き刺さってる。

 

 

「どう?素敵でしょ♪」

 

「………ゴクリ…」

「うん。凄くえっちだねぇ」

「私が…色気で…負けた…っ!?」

「凄く素敵だと思います」

 

姉が選んだのは、この店で一番布面積の少ない

いわゆるマイクロビキニというやつだった。

曰く、私のバストはこういう水着に向いている

形の整ったハリのあるバストだからとかどうとか。

 

もうね、股がスースーするとかそういう次元じゃない。

殆ど何も着ていないような感覚。

ちょっとでも暴れたら全部がずり落ちてしまいそうな

圧倒的な頼りなさをこの水着から感じる。

 

 

「もう元の服に戻らせて下さい…」

 

「………仕方ないな~。じゃあお会計しようか」

 

いっそのことグラビア撮影でも受けてしまった方が

この姉を黙らせるには良いんだろうか…?

 

 

 

まぁそれはそれとして、臨海学校で着る水着は

これで確保出来たしヨシとしよう。

可愛い水着着て海やプールで泳ぐのは

いつかやってみたい事のうちの一つでもあったし

女の子としての自信を付けるには良い機会だ。

 

 

 

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「──結構買ったわね」

 

「配送サービスで送ってしまいましょうか」

 

その後もいくつか店を回って、足りない生活用品や

今後着るかもしれないサマードレスなどを買い込み

時間はランチタイムへ。

 

 

「ねぇ、アットクルーズ寄ってかない?」

 

「時間的にも丁度いいですね」

 

私達は、丁度「新メニュー登場!」との看板が出ていた

学園内でも有名なスイーツカフェへ立ち寄ることにした。

 

その夏季限定新メニューは、宮崎県産の完熟マンゴーを

ふんだんに使ったアットクルーズ最高額の逸品だそうだ。

前世でマンゴー好きだった私にはよく分かる

これは言うなれば千疋屋(せんびきや)の季節限定マンゴーパフェを

少しリーズナブルにしたものであると。

千疋屋のものが4,000円台だったのに対して

こちらは2,500円と少しお手軽価格になっている。

 

「それじゃあ皆で食べましょ♪」

 

私達篝火姉妹はもちろん、更識姉妹も布仏姉妹も

家計にはかなりの余裕があるので、注文するのは

皆2,500円のマンゴーパフェだ。

 

 

「ん~~~っ!美味しいっ!!」

 

意外と久々に食べる高級完熟マンゴーの味に

私の沈んでいた気分も一気に戻ってくる。

 

「ヒナっちは臨海学校何するか決めた〜?」

 

「まだ決めてないよ。でも、楽しもうとは思ってる」

 

「私達はね〜、ビーチバレーするんだ♪」

 

「お、いいねぇ。少し参加させて貰ってもいいかい?」

 

「いいよいいよ〜!皆にも後で話しておくね!」

 

話す内容はやはり臨海学校について。

 

パフェを適度に口にしながら、着いたら何するか

部屋に戻ったあと何するかなどを話す。

 

 

篝火姉と更識姉が何やら写真がどうとか話しているが

あの二人が手を組んでの暴走は止めようがないので

放っておくとして、女の子とのカフェというのは

予想よりも気楽でいい。

 

漁火ヒカル少年の高校時代の同級生の場合

フォークやナイフでチャンバラもどきを始めたり

ドリンクバーの飲み物を手当り次第ミックスしたり

食べきれない量のフライドポテトを頼んだり、と

とにかくハチャメチャしてくれるせいで

楽しいには楽しいのだがとにかく疲れるのだ。

それを咎めていたせいで、そいつらからのあだ名は

いつの間にか「お母さん」になってたりする。

 

 

 

「いいもんだねぇ…こういう光景は」

 

「ま〜たおばあちゃんみたいな事言ってるー!」

 

こう、少年少女がほのぼのしている光景を見ていると

つい漁火爺さんとしての感想が出てきてしまう。

 

 

 

穏やかな休日を堪能していた、そんな時だった──

 

 

 

 

 

 

 

ドカァァァンッ!!!

 

 

「爆発っ?!」

「何が起きたの!?」

「お嬢様っ!」

 

聞き間違いかと思うほど唐突に鳴り響いた、爆発音。

 

先程までのほのぼのした雰囲気が一瞬で消え去り

レゾナンス中に緊張が走る。

 

ダダダダダダッ!!!

 

「じゅ、銃声…っ!」

「どうしようかんちゃん!?」

 

爆音が鳴り響いたと思ったら今度は銃声が鳴り響いた。

 

弾丸の発射音からしてアサルトライフルやその類か──

ともかくロクな状況では無いのは確かだ。

 

「白昼堂々襲撃とは…J.U.P.I.T.E.R.!」

 

『了解。襲撃者の位置および脱出経路を検索』

 

「虚ちゃん!ウチの極秘回線は使える?!」

 

「使えます!この端末から!」

 

私はジュピターを、楯無さんは更識家を頼りにして

現状把握を試みる。

 

爆発音と銃声が聞こえてきた方向からは

パニックになった買い物客がなだれ込んできており

狙いの的になるのを承知で頭を出さなければ

音の発信源について探ることは難しそうだった。

 

 

ダダダッ!!ダダダダッ!!

 

犯人は銃を手当たり次第乱射しているらしい。

そのせいか逃げ出してくる買い物客の中には

何人か負傷した者も含まれている。

 

 

 

「──居た!アイツだわ!」

 

「………まさか…嘘だろ?」

 

少しして人の波が私達の後方へと抜けていくと

爆発の煙の中から、犯人と思しき"少女"が出てきた。

 

その出で立ちは、素顔を隠す黒いゴーグルとマスク

どこか古めかしいデザインをした黒い戦闘服

そして、黒ずくめの衣装に似合わぬ銀色をした

機械で作られた左腕───。

 

 

 

 

 

「…ウィンター・ソルジャー…っ!?」

 

 

 

まるでヒドラ最強の暗殺者のような少女が

そこに立っていた。

 

 

 





今回遅れたのは、彼女をどう出すか迷っていたから。
あ、一応ですがTS転生ウィンソルではないです。
彼女の素性についてはまた後ほど。

ドイツ語はさっぱりなのでGoogle先生に頼みました
間違いがあったら教えていただけると助かります。
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