インフィニット・ストラトスinアイアン…マン?   作:高橋ヒナタ

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同時投稿の20話でございます。

うちの小説のレゾナンス、襲われ過ぎ案件
今回も襲撃事件の舞台にしてしまった…。
なぜそうしたくなるのかは自分でもよく分からん。



第20話

 

 

 

「…ウィンター・ソルジャー…っ!?」

 

 

 

レゾナンスに突然現れた謎の少女。

年齢としては私達と同じ位かそれより少し下か──

少なくとも銃を片手に人殺しをする年齢ではない。

 

「………」

 

だがその少女は私達を視認すると

無言のままゆっくりとこちらへ迫ってくる。

 

 

(まさか本当にヒドラが…!?)

 

正直彼女が"そう"だとは思いたくないのだが

素顔を隠した金属義手の兵士というと私はどうしても

ウィンターソルジャーを連想してしまう。

 

ウェーブの掛かった茶髪ではなく綺麗な黒髪だったり

身につけているゴーグルやマスクの形状が違っていたり

サイバネティックアームの左肩側面のロゴマークが

ソ連のものではなくナチスのものであったり

そもそも性別も男性ではなく少女だったりと

ウィンターソルジャーに寄せる意図は無いらしいが

どこからどうみても…。

 

 

「…ッ!」

 

 

ダァンッ!!

 

「危ないっ!」

 

「ぐっ…助かりました」

 

女ウィンターソルジャーは、左腰のホルスターから

ハンドガン(P226)を抜き私目掛けて容赦なく撃ってきた。

 

幸い即座に反応した楯無さんに助けられたが

どうやら彼女の標的は私らしい。

 

 

 

「…受けて立つぞ」

 

「…!!」

 

IS使用許可を含めた根回しは姉に任せて

私はウィンターソルジャーの撃退を試みる。

 

こんな状況で使うとまるでシビルウォーのようだが

余計な思考は直ぐに頭の片隅へ追いやって

右手にはめた"グローブ"を相手の方へと向け──

 

 

ギィィィーーーーーン…!!

 

「っぐぅ…」

 

まずは強烈な高周波を一発かましてやった。

 

だがやはりというべきか否か、ウィンターソルジャーは

多少怯みこそすれども再び銃を構えようとする。

 

 

パシュゥッ!!!

 

「…!?」

 

続いて同じ構えから今度は強烈なフラッシュを一発。

 

この不意打ちはかなり効いたらしく

私はその隙に相手の懐へと潜り込みを試みる。

 

 

「!!」

 

(復帰が早い!やはり彼女、超人なのかっ!?)

 

だが取り押さえる体勢に入ることも許さず

三度こちらへハンドガンを構えてきた。

常人とは思えない復帰速度。あの小柄な体格からは

想像もつかないほどに身体能力が高い。

何らかの強化措置が施されている所まで共通のようだ。

 

あまりやりたくはないが、近接格闘を挑むしかない。

 

 

「くっ!」

 

バギィンッ!!

 

ジュピターの助けを借りて射線を掻い潜って

何とかグローブで銃口を掴むことに成功し

暴発を起こさせて彼女の拳銃を機能停止させる。

 

そのまま抑え込む事が出来れば楽だったのだが──

 

 

ギュイィィッ!!

 

「ふん…っ!!」

 

「きゃあっ!?」

 

起動したサイバネティックアームの膂力には勝てず

勢いよく投げ飛ばされてしまう。

 

 

「任せなさいっ!」

 

「楯無さん!?」

 

そこへ割って入るは更識家の現当主更識楯無。

 

私と違ってガチガチの実戦経験者でもあるので

多少ならばサイバネティックアームにも抗えるはず。

そう判断した私は、彼女が退けられてしまう前に

運良く持ち込んでいた"秘策"を切る事にした。

 

 

 

 

 

「J.U.P.I.T.E.R.!mk.5を起動っ!!!」

 

『了解!』

 

そう、あのスーツケースだ。

 

「簪ちゃん!ケースをっ!」

 

「受け取ってぇっ!!」

 

 

ガシャンッ!!

 

今回は、余裕を見せていたウィップラッシュの前ではなく

殺意全開のウィンターソルジャーの前での装着なので

見栄えなどは気にせず最速で展開させる。

車のボディすら容易く溶断したあのウィップと違って

彼女の武器はあくまでも通常の銃火器なのだろうが

スーツを着る前に撃たれれば致命傷には変わりない。

 

ガコンッ!!

ジャキィンッ!!

 

素早く胸部ユニットを胸元まで持ち上げて

アークリアクターを起動させる。

 

 

 

「中々やるわねっ!見た事ない顔だけどッ!!」

 

「………ッ!!」

 

楯無さんの方は何とか善戦出来ている。

 

ただ、虚さんと交代しながら戦ってもあれなので

どちらかがダウンしてしまうと厳しいだろう。

この光景だけであの少女の強さが分かる。

 

 

 

カチャカチャカチャッ!

チャキチャキチャキッ!

 

(早くしろ…早くするんだ…!)

 

すぐにリアクターが起動して装甲装着が始まった。

映画ではあっという間に装着されたこのアーマーだが

今はそんな十数秒の暇すら惜しい。

 

 

 

「このっ!どれだけっ!頑丈なのよっ!!」

 

楯無さんが首元に絞め技を掛けながら頭を殴りつけるが

ウィンターソルジャーはその程度ではビクともせず──

 

ギュイィィンッ!!

 

 

「…っらあッ!!

 

「かはっ!?」

 

サイバネティックアームで振りほどかれ

逆に首を絞め返されてしまう。

 

「…あ゙っ…がぁっ…!」

 

「お姉ちゃんっ!!」

 

 

 

 

 

だが間一髪でアーマー装着が間に合った!

 

キュイィッ…バシュウッ!!!

 

「…ッ!」

 

 

「…はぁっ…はぁっ……助かったわ」

 

 

リパルサーレイでウィンターソルジャーを吹き飛ばし

楯無さんが意識を失う前に救出することが出来た。

 

攻撃能力を失った味方を庇いながら戦うにしても

その味方が自分の身を守る行動が取れるか否かで

防衛の難易度が激変するのだから幸運と言えよう。

まぁ楯無さんには"専用機"があるはずだから

少なくとも死ぬことは無かっただろうが

許可なくISを起動させたという弱みは晒したくない。

 

 

 

「………」

 

ジャキッ!

 

ウィンターソルジャーは背中のアサルトライフル(HK433)を抜く。

 

「…なるほど?」

 

殺る気満々ということらしい。

 

 

 

「「ッ!!」」

 

バシュウッ!!!バシュウッ!!!

 

ダダダッ!!ダダダダッ!!

 

ベストな結果はウィンターソルジャーの捕縛だ。

火力の低いmk.5でも、最高出力のリパルサーなら

急所を狙って射抜けば恐らく彼女を殺すことは出来る。

しかしそれをしてしまうと、情報を聞き出すことや

身柄を使っての取り引きが出来なくなってしまう。

 

特に、彼女が一体何者なのかについては

現在も行方不明のゴーレムⅠ2号機のコア人格

仮称ウルトロンと同じくらい重要なのだから。

 

 

(厄介だな…!)

 

とはいえあくまでも護身用でしかないmk.5では

サイバネティックアームによる強力な攻撃や

アサルトライフルでの一点集中攻撃を受ければ

無事で済む保証は無い。

 

 

「くっ…!」

 

「うおぉぉっ!!」

 

あちらもリパルサーの威力が低い事に気付いているからか

必要最低限をサイバネティックアームで防ぎながら

積極的に攻め込んでくる。

 

(ここにキャプテンが居なくて良かった…!)

 

もし、ここにキャプテンアメリカに相当する人物が居て

ウィンターソルジャーに味方されていたら

私に勝ち目は無かったかもしれん。

様々な機能が備わっているmk.46ならともかく

スーツケース型のmk.5では力不足だ。

 

リパルサーがあるとはいえ飛行機能で劣るmk.5だと

必然的に近~中距離戦闘をする事になるのだが

そこはまさにウィンターソルジャーの間合い。

 

 

「おぉっとっ!?」

 

「…ッ!!!」

 

ガァンッ!!!

 

「あうぅ…っ!!」

 

散らかったテーブルの残骸に足を取られた瞬間

サイバネティックアームのパンチが直撃し

スーツのヘルメットに傷が入るとともに

フロアの柱へ叩きつけられてしまった。

衝撃で意識が一瞬朦朧とする。

 

その僅かな隙に首元を右手で締めあげられ

サイバネティックアームの膂力を載せた

コンバットナイフの攻撃をスーツのリアクターに

繰り返し繰り返し叩き込んできた。

 

ギィンッ!!ガキィンッ!!!

 

「うぐっ!ぐふぅっ!」

 

胸部の熱可塑性レンズには大きなヒビが入り

徐々に中身にまで強い衝撃が届き始める。

 

「ッ!!!」

 

あと一撃でリアクターを破壊できると踏んだのか

ウィンターソルジャーが一際大きくナイフを振りかぶる。

 

けれど、私にはまだ秘策が残っている──

 

 

 

 

 

…キュイィィッズドォンッ!!!

 

「がっ…!?」

 

 

そのナイフが私の心臓にまで叩き込まれる直前に

アークリアクターから放たれたユニビームが

ウィンターソルジャーのサイバネティックアームを

跡形も無く吹き飛ばしていた。

 

熱可塑性レンズも照準装置も機能不全を起こしていて

一か八かの賭けだったが、成功してくれたらしい。

 

 

 

「ISの使用許可が下りたわよ!」

 

「楯無さん!!」

 

「任せなさい!」

 

そして入ってくる吉報。

 

非常事態への対応としてISの使用許可が下りたらしい。

すぐさま楯無さんが自身の愛機である第三世代型IS

ミステリアス・レイディを起動させる。

 

 

 

が──

 

「…!次は必ず殺す…!」

 

「待てっ!」

 

ドォンッ!

 

ウィンターソルジャーには逃げられてしまった。

 

咄嗟に放り投げたスモークグレネードに紛れて

まるで幽霊かのように消えてしまったのだ。

 

 

 

 

 

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「──ヒナタちゃん、大丈夫?」

 

「うん…なんとか。スーツはボロボロだけどね」

 

 

ひとまず、襲撃は退けられたようだ。

自衛隊所属のIS部隊や市内の警官隊も駆けつけ

既に負傷者への手当てなども始まっている。

 

「楯無さんは?平気ですか?」

 

「えぇまぁ。あれは本気で死ぬかと思ったけれど…」

 

「…その銃創も?」

 

「これくらい更識じゃ日常茶飯事よ」

 

私達が受けた被害は、スーツの破損以外では

楯無さんが軽い銃創を2箇所ほど負った程度で

気にするほどでもなかった。

 

「誰か頭のこのパーツを引っこ抜いてくれないか?

これが抜けないとヘルメットが取れないんだ…」

 

「これ?よぉしいくよ〜!」

 

「痛っ!?待ったのほほんさん髪が引っかかってる!」

 

「よいしょおっ!!」

 

い゙…ッ!!!

 

まぁスーツは銃弾のせいで穴ボコまみれだし

その影響で格納機構がイカれたからなのか

スーツケースに戻らなくなっちゃったんだけどね…。

修理すれば直るからまだいいだろう。

 

 

 

「…で、J.U.P.I.T.E.R.。ヤツの正体は分かった?」

 

『装備品はドイツ国内で流通しているもののようですが

ドイツ軍に該当する人物は存在しませんでした』

 

それよりも問題なのはウィンターソルジャーだ。

 

まぁ外見がウィンターソルジャーに似ているのは

装備を整える過程で起きた偶然なのだろうが

もし本当にヒドラが存在しているのだとしたら

それこそ世界中を調査しなければならなくなる。

 

彼女の素性次第では、大急ぎで宇宙へ飛び出して

"ストーン"の在り処を探す必要まで──。

 

 

「簪ちゃん、確かウィンターソルジャーって

マーベル・コミックに出てきたキャラクターよね?

そんなにやばいヤツなの?」

 

「ウィンターソルジャーもそうだけど…その所属組織も。

ヒドラっていう名前で世界征服を目論んでる。

もし存在するなら、更識も動くことになるはず」

 

「…そんなに?」

 

「そんなに。」

 

ヒドラはS.H.I.E.L.D.を筆頭に米国の主要組織へ 

多数の構成員を送り込みそれを乗っ取った危険な組織だ。

未だにIS台頭による混乱から立ち直れていない今

アメリカが転覆する事態は避けねばならん。

 

 

「問題は山積みだな…」

 

「そうねぇ…」

 

原作に沿って事を進めるのも楽じゃなさそうだ。

 

 

 

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──レゾナンス襲撃事件から2日後。

 

 

 

「あ゙〜疲れたぁ…っ」

 

私達は一旦ながら寮の自室に戻ってくることが出来た。

 

私という新進企業の社長を狙っての事件だったからか

これでもかという程マスコミが詰めかけて来たため

日本政府への説明も兼ねた記者会見を開く事になり

それがやっと終わって帰ってこれたのだ。

 

 

「………シャワルマは…失敗だったね」

 

「トニー達もきっとこんな気分で食べてたんだな」

 

たまたま食堂が開いてる時間だったから

久しぶりにシャワルマを持ち帰りで注文したんだが

ほぼ二徹で食べるにはちょ〜っとだけ重かった…。

 

アベンジャーズの6人でシャワルマを食べるあのシーンは

クリス・エヴァンス氏が次の出演作(映画:スノーピアサー)の役作りで

姿が変わっている事(ヒゲと減量)を隠した結果ああなったらしいが

実際にクタクタな状態でシャワルマを食べて分かった

死にかけた直後に食ったらああもなろう、と。

 

 

残りのシャワルマをちまちま口にしつつ気分転換にと

YouTubeを開けば、急上昇ランキングの上位が

軒並み2日前の戦闘シーンで埋まっていた。

 

あの時は激しい戦闘で殆ど気にしていられなかったが

避難せずにどこかから様子を見ていた野次馬どもが

こっそり隠し撮りしていたんだろう。

 

「どう?あの日の映像はどれ位出回ってる?」

 

『既にYouTubeを初めとする動画投稿サイトにて

数百本以上の動画が投稿されています。

再生回数はいずれも数十万回を突破しているので

アイアンマンの存在は更に広く知れ渡った事でしょう』

 

「今回は公共の場でやったもんね…」

 

アイアンマンmk.5vsウィンターソルジャーの映像は

まぁ〜あっという間に世界中に拡散されていた。

YouTube然りTwitter然り、ニコニコ動画然り──。

マーベルの世界から飛び出してきたようなもんだから

人気が出るのは当たり前だ。

 

映像からのスーツ解析およびその再現なんかも

ちらほら行われ始めているようだが、そこは問題は無い。

mk.5はああいった状況で使うことを前提に設計したので

外から見ただけじゃコピーなんて出来やしないさ。

 

 

 

まぁそれはそれとして、私達にはまだやることがある。

 

「学年別トーナメントか…」

 

「簪ちゃんの機体は出来上がったんだよね?」

 

「うん…。けど慣らし運転はしてない」

 

つい先日タッグマッチ形式へ変更された

学年別トーナメントがもうすぐそこまで迫っている。

つまり、機体の調整や相方との連携訓練などを

そのあと数日に詰め込まなくちゃならないのだ。

レゾナンス襲撃事件の対応と同時並行で、ね。

 

少なくとも学年別トーナメントが終わるまでは──

トーナメントの内容によっては行事が終わってからも

しばらく地獄のように忙しい日々が続くことになる。

 

 

「ヒナタは…今回も訓練機…?」

 

「まぁね。専用機もまだ手続きが終わってないし」

 

私は今回もカスタムした訓練機で出る予定だ。

 

トーナメントの組み合わせによっては私達が戦う前に

"トラブル"が起きて中止になる可能性もあるがな。

 

 

 

「間に合うかな…?」

 

簪ちゃんはちょっと不安そうな表情をしているが

こういう時の不安解消にはいい言葉がある。

 

 

「時には歩くよりまず走れ、だ」

 

「!!そうだね…っ!」

 

自分の作ったモノを、自分の技術を信じればいい。

 

 

 





次回からは学年別トーナメント編!多分。
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