インフィニット・ストラトスinアイアン…マン?   作:高橋ヒナタ

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いよいよ原作本編突入でございます!



本編
第8話


 

 

 

「それじゃあSHRを始めますよ〜」

 

 

 

新年度の4月。私は、本来の進学先とは違う学校──

IS学園で2回目の高校生活デビューを迎えていた。

 

 

 

「私が副担任の山田真耶(やまだまや)です。それでは皆さん

1年間よろしくお願いしますね!」

 

教壇で挨拶をしている緑髪の女の子…いや、女性は

自己紹介の通り副担任の山田真耶先生だ。

子供みたいな身長と顔つきに似合わなさすぎる

恐らくは学園ナンバーワンなんじゃないかという

素晴らしいモノをお持ちの女性である。

 

 

「じゃ…じゃあ自己紹介をしましょうか!」

 

クラスメイトのほぼ全員が、教卓の目の前に座る

唯一の男子生徒に注目している中でも

頑張ってSHRを進めようとする真耶ちゃん。可愛い。

 

少々ざわつきながらも出席番号順に自己紹介が始まるが

「あ」から始まって早速「お」へ。

そう、織斑一夏君の自己紹介の番が回ってくる。

 

「織斑くん?織斑くーん?」

 

(………あれで聞こえとらんのか)

 

仕方ないところはあると思う。何せ自分以外は

全員女の子なんだから。彼は唐変木だ朴念仁だと

散々罵られるほど鈍感だが、ホモじゃあない。多分。

異性の視線を一身に浴びて緊張するのは仕方ない。

 

しかし、幼なじみをチラチラ見て話を聞いていないのは

ちょっといただけないんじゃないのかね。

再会出来た喜びは私だって我慢してるんだからさ。

 

ゆえに。

 

「篝火さん?」

 

シーッ

 

割り込んでごめんね真耶ちゃん。

 

 

 

ベチンッ!!

 

「あだっ!?」

 

「人の話を聞かんかい」

 

「す、すみません」

 

分厚い教科書で一夏君の頭を引っぱたいてやった。

 

私で良かったな一夏君。仮にこれが千冬さんだったら

この教科書が横じゃなくて縦だったぞ。

 

 

 

「えー…えっと、織斑一夏です!………以上!」

 

 

 

 

 

ゴチンッ!!

 

「いーーってぇっ!」

 

「まともに挨拶も出来んのかお前は…!」

 

千冬さんの必殺技出席簿アタック炸裂。あれは痛そう。

 

でもちゃんと自己紹介しない君が悪いと思うぞ。

名前名乗っただけで終わる自己紹介はないだろう。

 

 

「織斑先生。会議は終わられたんですね」

 

「挨拶を押し付けてしまってすまんな山田くん」

 

おっと、千冬さんの自己紹介が始まるらしい。

 

では…少しの間耳栓を着けさせて貰おうか。

あっ、千冬さんはやっぱり優しいね。見逃してくれたよ。

これから起こることの予想付いてるんだろうね。

 

 

 

「諸君、私が織斑千冬だ」

 

耳栓越しとはいえ直接聞いてみて改めて思った。

これ弱冠15歳の少女にしていい挨拶じゃないだろ、と。

逆らっても構わないが私の言うことは聞け、だなんて

普通の学校の教師の自己紹介じゃまず無いセリフだ。

まぁこのIS学園は下手な兵器よりも殺傷力のある

超ハイスペックな兵器を扱う学校なので

あながち間違いでも無いのかも知れないが…。

 

そして──

 

「「「キャーーーーーッッッ!!!」」」

「本物の千冬様よ!!」「ずっとファンでした!!」

 

「ぐわーっ耳がぁぁ!」

 

これも大概女子高生が出していい声量じゃないだろう。

私は耳栓してたからギリギリ平気だったが

一夏君なんかもう既にクタクタになってるよ。

 

なんだよ「千冬様のためなら死ねます」って。

熱狂的を通り過ぎて本当に戦女神として崇拝しちゃう

狂信的なファンが少なからずいることは知っていたが

まさかこの学園にも予備軍がいるとは。

これは少しお話してあげないといかんかな。

 

 

 

「──以上でSHRは終わりだ」

 

最後に一夏君がギロリと睨まれてSHRは終わった。

あれは何か失礼なことを考えていたのだろう。

 

とはいえ一夏君、既にクタクタ。

この後早速授業が待っているのだが大丈夫なのだろうか?

 

 

で、私は彼をジッと見つめながらも足を1歩前へ

踏み出せずにいる一夏君の幼なじみの背中を

少し押してあげることにした。

 

「ほらっ!箒ちゃん。声、掛けてきなよ」

 

「まっ、まて!よせ押すな!」

 

「お疲れの所ごめんね一夏君、箒ちゃんが話があるって」

 

「………あー、廊下でいいか?」

 

「うんいいよーほら2人とも行った行った!」

 

ここまでお膳立てしてやってもくっつかない方が

確率高いのが一夏君の唐変木ポイントなんだよな。

 

一夏君のメインヒロイン目指す子は大変だねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

「先生!ほとんど全部分かりません!」

 

そしてこれである。

 

授業が始まってすぐ挙動不審になった辺りからして

恐らくは参考書を読んでいないんだろうとは思ったが

やはりこれは驚く。

 

「織斑。参考書をよく読んでおけと言っただろう」

 

「いや…読もうとしたんだけどさ。無くなってたんだ」

 

おや?

 

 

「うっかり電話帳と間違えて捨てそうだったからさ

分かりやすく本屋のブックカバー付けてたんだけど…」

 

「……………」

 

何やら顔色が悪くなっていく千冬さん。

 

(さては…少し前にやった大掃除が原因じゃな?)

 

実は千冬さん、私生活では凄まじくズボラなのだが

私がそれを少しずつ改善させようと料理を教えたり

掃除を教えたりしていたのだ。

時々ズボラ2号だった束さんも巻き込んで、ね。

 

で、私たちが入学する少し前に電話をした時に

珍しく大掃除をしたのだと自慢げに言っていたんだが

その時に一夏君の参考書も捨ててしまったんだろう。

 

 

「すまない、再発行させる」

 

少なくとも今日の授業に一夏君がついてくるのは

絶望的と言えた。

 

 

 

 

 

───HR。

 

「再来週に行われるクラス対抗戦へ向けて

クラス代表を選出する。自薦他薦は問わんぞ」

 

新入生にとっては初の学校行事になるクラス対抗戦

これに出場する生徒を決めるとは言ったが

どちらかと言えばそれはオマケ。実際のところは

いわゆる学級委員的な役職を決めるための会議だ。

 

つまりは、立候補者が中々現れない。

それと同時にこのクラスには"時の人"がいるので

推薦は山ほど上がる。

 

「はい、はーい!織斑くんが良いと思いまーす!」

「唯一の男子生徒だもんね!盛り上げないと!」

「私もそれがいいと思いま〜す!」

 

「ええっ?!俺?!」

 

まぁそうだよね。一夏君推したいよね。

クラス対抗戦どうすんの?とは言いたいが。

 

で、そんな適当な選び方をしていれば

真面目にやろうとしていた人物が憤慨するのは

ある意味当然な訳で──

 

 

「そのような選出、納得出来ませんわ!」

 

金髪縦ロールが特徴のイギリス代表候補生の少女

1期ヒロインズの1人「セシリア・オルコット」だ。

 

「クラス代表が男だなど…いい恥晒しですわ!

実力から言えば(わたくし)がクラス代表になるのは必然──

それを…物珍しいからという理由で!」

 

確かこの頃の彼女は女尊男卑思想に染まっていて

一夏君にもガンガン噛み付いていたんだっけ。

 

「私はこんな島国へIS技術の修練に来ているのであって

サーカス団の一員になる気は毛頭ありませんわ!

クラス代表は実力トップが務めるべき。

そしてそれはイギリス代表候補生にして入試首席の

この私、セシリア・オルコット以外ありえませんわ!」

 

 

………彼女、こんなに酷かったっけ?

 

1週間後の彼女からは想像も付かんな。

 

「IS操縦に関しても入学試験で唯一教官を倒した

エリート中のエリートなのですから!」

 

「俺も倒したぞ?教官」

 

「あ、貴方も倒したっていうの?!」

 

 

売り言葉に買い言葉。一夏君とセシリアちゃんは

お互いの母国への侮辱を持ち出してギャーギャーと

喧嘩を始めてしまう。

 

そして何故か私の方を興味津々といった視線で見てくる

千冬さん。………何ですか?やれ(介入しろ)、と?

めんどくさいなぁ…まぁやりますけど。

 

 

 

「セシリアさん。少し宜しいですか?」

 

私は2人の間へ割り込んだ。

 

一夏君は私が割って入った事で少し落ち着いたらしい。

 

 

で、セシリアちゃんへ言ってやる。

 

 

「貴女本当にイギリス代表候補生なんです?」

 

「あ、あなたまで私を馬鹿にするのですか!?」

 

まぁここは噛み付いてくるよね。想定通りだ。

では、少し頭を冷やしてもらおうか。

 

 

「国際問題に発展しかねない発言を繰り返すだなんて

とてもじゃないけれど国家を背負う者としての自覚が

無さすぎると感じたのですけれど…どうなんです?」

 

「…っ!!」

 

セシリアちゃんの顔が青ざめていく。気付いたらしいな。

 

 

「少し落ち着けましたか?」

 

「………」

 

よしよし、いい子だ。

 

 

「お2人がどちらも教官を倒した実力者であるなら

ここは分かりやすく"決闘"で決めるのはどうでしょう。

実力は勿論、秘める素質も分かると思いますよ?」

 

「あぁ、俺はいいぜ」

 

「…私も…受けて立ちますわ…!」

 

 

「話は決まったな?では、1週間後の月曜放課後

第3アリーナに決闘の予約を入れておこう」

 

 

ヨーシヨシ、上手いことまとめられたよ。

これでまた変な流れになったらどうしようかと──

 

 

 

「織斑、オルコット、篝火の3名はそれまでに

決闘の用意をしておくように」

 

 

「へっ?!なんで私までっ?!」

 

「お前も教官を倒した実力者の内の1人だろう?

ちなみに推薦者は私だ」

 

「なんですって?!」

「ヒナタも教官を倒したのか!?」

 

 

 

………余計なことするんじゃなかった…。

 

 

 

╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌

 

 

 

 

その後一日目の授業を終えた私は1週間後の決闘を

どう乗り切るか考えつつ用意された部屋へ向かう。

 

同室になる生徒がいるかは聞いていないが

誰と同室でも特に変わった問題は起きないだろう。

強いて言えば、一夏君と同室になった場合

ラッキースケベされてしまうという問題があるが

彼は箒ちゃんと同室だろうし私には関係ない。

箒ちゃん?早く素直になってくっついてくれよな。

 

 

『ヒナタ様…!』

 

「J.U.P.I.T.E.R.?!」

 

そんな事を思いつつ部屋へ向かっていたら

ジュピターが突然声を掛けてきた。

 

サポートAIである彼は私が声を掛けない限りは

黙って作業に集中していたりするのだが

彼がこうやって話しかけてきたということは

それすなわちイレギュラー発生という事だ。

 

 

『自室へ搬入させた"コンテナ"に接触されました』

 

「…もう食いついたヤツがいるのか…!

新年度早々侵入者とはセキュリティの甘い──」

 

『防犯機能のスタンガンを使用して気絶させましたが…

どうやら生徒のようです』

 

「生徒ぉ?!…そいつを見張ってて。今行く」

 

『了解』

 

 

 

ここの寮長(千冬さん)は事情を話せば一発で分かってくれるので

私はとにかく真っ直ぐ自室へとダッシュした。

 

 

ガチャッ…

 

鍵を開けて中に入ってみると、まず大量の段ボール箱が

視界へ入ってくる。まだ同居人も来ていないようで

私物は一切段ボール箱からは出されていない。

そんな中で一際異彩を放っているのが

部屋の奥へ運び込まれた金属製のコンテナ。

 

アレに入っているのはそう、アイアンマンスーツだ。

学園入学に合わせて新調した「mk.4」が入っていて

厳重な盗難防止システムが施されている。

あれを強引に開けられるのは、スーツとリンクしている

ジュピター以外では世界でも私と束さんだけだが

普通にいじっただけでは防犯機能など作動しないはず──

 

 

 

「………姉ズ再び、ってか?」

 

『照合完了。IS学園2年生『更識楯無(さらしきたてなし)』のようです』

 

うつ伏せで倒れていた少女の顔を拝んでみれば

入学式でも見かけた学園の生徒会長その人だった。

 

 

とりあえず起きないうちにしっかり拘束しておく。

 

 

 

「うぅ…」

 

「気が付きましたか?生徒会長さん」

 

流石は裏社会に通ずる「更識家」の人間。

目が覚めるのが早い。

 

「…これを外して貰えないかしら?」

 

「事情を吐けば外しますよ」

 

「………」

 

私は生徒会長の更識楯無ではなく更識家の更識楯無と

話をする。あの防犯機能が作動したということは

高度なピッキングやハッキングを行ったということ。

少なくとも高校2年の少女が興味本位でやる事ではない。

 

もし更識家がスーツを狙っているのだとしたら

相応の対応をせねばならないのでね。

 

 

「…ごめんなさい、興味本位だったの!」

 

「………はぁ〜…」

 

興味本位でそれが出来るんだから恐ろしいのよこの子。

 

で、案外素直に口を開いてくれたかと思ったら

そこからはもう妹の事ばっかり喋り始めるんだもの。

私が打鉄弐式の──彼女の妹である「更識簪(さらしきかんざし)」の

専用機の専属メカニックであると知って

どんな子なのか調べるために部屋へこっそり忍び込んで

私物をチェックしてやろうとしてた、とのこと。

 

「で〜、なんか面白そうなものがあったから…」

 

「ハッキングして開けようとした、と?」

 

「まぁ…そんなところね」

 

…まったく面倒くさい姉だこと。

 

 

話の最中「早くしないと簪ちゃんが帰ってきちゃう」と

酷く慌てていたので適当な所で事情聴取を切り上げて

拘束を解いてやれば、ものすごいスピードで部屋を出て

あっという間にどこかへと消えていった。

 

仲良くしたいんだかしたくないんだか──

いやまぁ仲良くしたくて仕方無いんだろうけど

不器用すぎやしないだろうか…。

 

 

 

「…あなたが同室の子?」

 

「うん。篝火ヒナタ。よろしくね」

 

「………よろしく」

 

 

そうか。同室の子は簪ちゃんって事か。

丁度いいね。担当のパイロットと同室なんて。

 

 

 





一夏君争奪戦ですが、全員にチャンスを用意しつつ
やや箒ちゃん有利という形にする予定です。
主人公ちゃん…もとい私は「一夏×箒」推しなので。
最終的に誰とくっつけるか、何人参戦させるかは
今のところ未定ですがね。

楯無さんはこっちでもポンかわ重視で行きます。

Mk.3君は主人公ちゃんの成長期の問題で
目立った活躍はさせられませんでした…
まぁ映画じゃ逆にmk.4君が不遇だったし
それの釣り合いってことで。
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