【完結】映画 ドラえもんクロスアンジュ のび太と天使と竜の輪舞 作:牢吏川波実
♪広がる空から光が零れて♪
♪ふたつのてのひらを翼に変える♪
♪静かに流れる時間を繋いではじまりが続く 夢になればいい♪
♪ありふれたこと くりかえすだけでも♪
♪胸はまた熱くなるの♪
♪止めておけないいまがなぜあるのか教えて♪
♪愛にふれて♪
♪抱きしめるために♪
♪めぐり逢う誰かがいる♪
♪大切なものが心には確かに見える♪
♪たった一度たったひとり♪
♪その意味に応えながら幸せがわかる♪
♪ただあなたといたい♪
あの一日。激動と言える一日が、過ぎ去った。
アンジュは、いまだに悩んでいた。自分の道。自分が進むべき道。自分が生きている意味。自分が生きていく未来が、何も浮かび上がらなかった。エルシャと違って。
そんな彼女は、サラマンディーネやその側近二人、そして、エルシャやドラえもん達とともに男のドラゴンに乗って世界を周っていた。そんなことをして何が変わるのか分からない。でも、もしかしたら、何かが変わるのかもしれない。そんな薄い期待とともに、彼女は行く。
因みにヴィヴィアンは、久しぶりに帰ってきた故郷で、もう二度と会う事がなかったはずの母親と一緒に暮らすようだ。アンジュは確信していた。きっとあの子は、そのままこの世界に居続ける道を選ぶのだろうと。だって、ここが彼女の故郷なのだから。ここが、彼女の帰る場所なのだから。
ヴィヴィアンも、エルシャも、自分がいるべき場所。いるべきであろう故郷を見つけた。未来を見据えている。それじゃ、自分は。自分はどうすればいい。分からない。何も、分からなかった。
ふと、ドラえもん達が大きな山の方を指さした。彼らが言うには、それは≪富士山≫と言う物で、彼らの世界の≪日本≫という国で一番大きな山。全高三千メートル以上はあるらしい。活火山、つまり今でも地底で火山が蠢いている山であるらしく、その中腹から出ている煙は、恐らく長い年月を経たことによって一部が噴火したのだと、ドラえもんは推測していた。
そう、長い年月。その間にこっちの世界の人間はその世界に適応できるように進化していた。なのに、自分たちの世界の人間は偽りの平和と共存し、嘘と偏見にまみれた世界を、受け入れていた。
そんな事、本当はしていけなかったのに。アンジュは、不思議と悲しい気持ちになった。
そんな中で、彼女たちはある都会の一部に辿り着いた。いや、荒廃した元都会と言った方がいい。コンクリートでできた道は、雑草が根気強く少しずつ割っていったのか草が生い茂り、周りのビルもまた、木々に巻き付かれて今にも崩壊しそうだ。これもまた、誰も手が入っていない場所という証なのだろう。
そこに降り立ったドラえもん達は、ある場所を案内された。そこは、人間たちがかつて戦争によって世界がドラグニウム汚染された時に使用していたシェルターであるらしく、目の前に立つとスポットライトのような光線を当てられ、その入り口が開かれた。
そして、建物の中に入ると流れるアナウンス。どうやら、このシェルターの名前は≪首都第三シェルター≫というらしい。でも、そこには誰も住んでいなかった。そこにいるのは、ただただ質問に答えるAIという完全に自立した機械だけ。動いていることから、自家発電だけはどうにか働いているらしいが、その惨状はあまりにもひどい物だった。
安全確認のために自分やエルシャ、そしてドラえもん、この三人が先に入ってよかった。そう思えてしまうほどに酷い光景が、薄暗くなったシャッターの向こうに広がっていたのだ。
そう自分やエルシャのように幾人もの人間を殺してきた人間ですら思わず口を塞いでしまうほどの光景と悪臭。
こんなもの、のび太達には見せられない。
その後、シャッターを閉めてのび太達にその光景を見せないように、そして悪臭がしないようにしてからのび太達を中に入れ、AIに見せられたのは戦争の歴史。サラマンディーネから聞いていた戦争。多くの戦車、多くの戦闘機、潜水艦、艦隊による攻撃で壊滅していく首都。そして、絶対兵器≪ラグナメイル≫によって滅んでいく世界。≪ドラグニウム≫の反応炉爆発による汚染。
そのあまりにも生々しい様相は、戦争を経験した事のないのび太たちにはあまりにもショッキングな物だった。≪自分たちの世代の日本の戦争≫を経験した事がないと言う意味合いであり、他の場所での戦争に介入した経験は山ほどあるのだが。
とにかく、シェルターの中に入ってもドラグニウムによる汚染はどうにもできなかったのだろう。結果がこれだ。アンジュは、その映像が終わった瞬間にサラマンディーネの頬を叩いた。
何故かは、分からなかった。のび太にも、でも、サラマンディーネは理解していた。だからこそ、彼女の募りを頬に受け、武器を抜こうとしていた二人の側近にも、動ずることなきように命じたのだ。
アンジュは怒っていた。何故、ここにあるソレを、外に出してあげなかったのか。なぜ、そのままにしておいたのか。
いくらでも時間はあったのに。どれだけでもそんな余裕があったはずなのに、それなのに、どうして。
のび太は、そんなアンジュの表情から彼女が一体何を見たのかと恐る恐る聞いてみた。しかし、彼女は答えることなく、ただ、のび太達を外に追いやるだけだ。シェルターの中に残ったのは、のび太達子供四人を除いた者たち。
そしてドラえもんが取り出したのは“ミニドラえもん”、通称“ミニドラ”と呼ばれるドラえもんと同じ姿をした小さなロボットたち。違うところと言ったら前述したとおりにその大きさが小さいことと、色が青だけじゃなくて赤や黄など色々とあるところ。
ドラえもん、そしてアンジュとエルシャは、“ミニドラ”とともに手袋とマスクを装着すると次々とシェルターの中にあった、いやいたモノを袋の中に入れていく。そんなことするの、辛いだけなのに。そう思ったサラマンディーネは、仲間達を呼び、彼女達を手伝うように指示を出す。この中の惨状を、放置していた。その罪を償うために。
途中で、暇になったのび太達にドラえもんは理由を告げずに“らくらくシャベル”というまるでプリンを掬うかのように簡単に地面を掘れる道具で一つの大きな穴を作ってもらい、その中にこの世界の人間達が一つずつ、シェルターの中から持ち出した袋を埋める。その上にアンジュが大きな十字架を置いた瞬間だ。のび太達も理解した。シェルターの中に、いったい何があったのかを。
ドラえもん達五人、そして、サラマンディーネやエルシャもまた、ソレに向けて手を合わせて祈った。どうか、死んだ人たちの魂が安らかに眠れますようにと。
アンジュは、悲しげにその姿を見てるだけだった。
そうして、色々な場所を見ているうちに、アンジュたちはいつの間にか海岸へと来ていた。そして、そこで泳ぎ出すドラえもん達。アンジュは、呑気なものだと思って、彼らの事を見ていた。
本当に、呑気にはしゃぐ子供たちだ。
のび太は、泳げないのをスネ夫やジャイアンにいじられて、サラマンディーネはその様子を空から見守っていたけれどいつの間にやらそれに参加していて、二人の側近にとがめられ、エルシャとドラえもんはその様子を見て笑っていて。
本当に、無邪気なものだ。かつて自分が無人島に漂着した時にも、彼らのように、はしゃげていたのなら、あれほど純粋な笑顔を出せていたら、もしかしたら今の自分はいないかもしれない。そう、アンジュは思っていた。
「アンジュさん」
ふと、足と尻だけが水に浸かるように座って、見学していたアンジュに近づいてきた人間がいた。静香である。
水着姿の彼女は、同じようにアンジュの隣に座ると言う。
「綺麗な海ですね」
「えぇ……」
「本当、この海も、山も、木も、そして空気も、汚染されていたなんて考えられないくらい」
「そうね……全部、あのサラマンドラとその仲間たちのおかげね」
サラマンディーネである。彼女と言いヴィヴィアンと言い、何故サラマンディーネの名前がさらっと出てこないのか、ひょっとすると、わざとなのかもしれないが。
「そう、私は何もしていない。私たちは何もしていない。あのドラゴンたちが頑張って取り戻した環境。そこに、私なんかが来て……本当にいいのかしら?」
アンジュはついに吐露した。自分の中の、不安要素を。
そうだ。環境がここまで、海で、子供たちが泳げるようになるまで汚染を除去してきたのは全部、この世界で必死で生き、その環境を元に戻すために頑張ったサラマンディーネたちドラゴンのおかげなのだ。
なのに、そんな世界に土足で踏み込むような真似をして、一緒に暮らさせて下さないなんて、虫が良すぎる。今更、どの面を下げて彼女たちと一緒に暮らしていけばいいのだ。こんな、この世界の人間をたくさん殺してきた自分が。
「……昔、こんな星があったわ」
「え?」
「……ロボットと人間が共存する惑星。感情を持ったロボットたちと、人間たちとが仲良く手を取り合って荒廃した土地を開拓していた、星が……でも」
そう言うと、静香は悲しげな表情を浮かべて言う。
♪君がいつの日か こぼした涙は 星空へと流れていく 僕を照らす♪
「ある時、その指導者である王様が、ロボットを助けようとして命を落としてしまった。それで、その娘さんはロボットを恨んで、感情を持つロボットなんていらない。ロボットはただの道具だって思うようになって、ことごとくロボットから感情を奪っていったの。その人も、ロボットのお母さんに育ててもらったはずなのに……憎しみでいっぱいになって、ロボットの事なんか目もくれなかった……」
「それって……」
まるで、人間と、≪ノーマ≫のよう。人間が、≪ノーマ≫を化け物として忌避していたかのように、ロボットの事を嫌った王女によって、ただの道具になり果ててしまったロボットたち。
自分たちがドラゴンに対して殺意を向けていた時のように、憎しみで前が見えなくなっていたように。
♪遠く離れても♪
「でもね、私たちが行った時、偶然見つけたの。人間と感情を持ったロボットたちが仲良く暮らしている楽園を」
「え……」
♪忘れないよ君を どんなに傷ついた夜も 空を見上げ I'll Be Thereそこにいるよ ずっと抱きしめていたいから I'll Be There♪
「そして、その目の前で倒れたその指導者の女の子を助けたのもまた、ロボットだった。そのロボットは一生懸命その人を看病して、その人は元気になることができたの。人間とロボットが仲良く暮らす姿を見て、後悔していた。私が間違っていたんだって、お父さんが目指していた≪ロボット王国≫は、ロボットを道具としてじゃない。ロボットを友達として、一緒に過ごす仲間として見る。そんな夢のような世界だったんだって……」
「……」
「アンジュさんは、その人に似てるわ……憎しみで前が見えなくて、自分のお父さんの理想をも忘れてしまったその人に……」
♪時を止めて このままでいよう♪
本当、色々な経験をしていることだと、アンジュはある意味感心してしまった。そうか、そんな星があったのか。アンジュはその話を聞くと、遠い空を見上げて聞く。
「その星は、今どうなっているのかしら?」
「分からないわ。でも、きっと緑豊かな星となっているはずよ」
♪I'll Be There そこにいるよ♪
「「今の、この星のように……」」
あの星は、自分たちが時空間を移動できる“タイムマシン”を使用することによって行くことができた遠い遠い惑星。一体いつの時代の、どこにいったのかも分からないような遠い惑星に思いをはせる静香とアンジュ。
ふと、アンジュは言う。
♪君の笑顔をもう一度みせて I'll Be There♪
「あんたと言いのび太と言い、優しいのばかりね……」
「……そうね、本当にのび太さんは優しい人」
そう言いながら、立ち上がり海水をすくい上げた静香。その小さな両掌に、指の隙間から流れ落ちる海水を携えて、彼女は言う。
♪ひとりじゃない(smile) I'll Be There♪
「私は誰かの痛みや悲しみが分かる。ソレに寄り添ってあげることができる。そういうのび太さんが好きよ……」
と。それは、まるで彼女からのび太に対するプロポーズのように思えた。
「妬けるわね……貴方たちカップルは」
「クス……お友達よ。のび太さんは」
「そっか、まだガキンチョのアンタには分からないか」
それが、恋心だって言う事に。一体貴方はいつ気が付くんでしょうね。そう心の中で呟き微笑んだアンジュは言う。
♪君がいつの日か♪
「アンタ、のび太の事絶対に離したらダメよ。あんないい男……めったにいないんだから」
♪こぼした微笑みは 寂しい ときにはいつも♪
「えぇ、分かってます。のび太さんと同じ、優しい気持ちを持った……アンジュさん」
「……」
優しい、か。本当にそうなのだろうか。のび太も言っていたが、本当にこんな自分が、ドラゴンの事が憎くて憎くてたまらなかった自分が、ドラゴンの事を殺すことが徐々に快楽へと変わって言ってた自分が、優しいと、本当に言っているのだろうか。
いや、本心なのだ。だって、二人は、誰かの辛さを、誰かの痛みを共有することができる、素晴らしい人間だから。
♪勇気 くれた♪
だったら、そんな人間達に優しいと言われた自分がするべきことは何なのか。いや、決まっていた。でも、割り切れないでいただけ。ただ、エルシャのもしも、もしも幼年部の子供たちを喪ったら前に進めない。そんな言葉と同じように、自分もまた前に進めなかっただけ。憎しみだけを、心に、抱いているから。
「ねぇ、トカゲ女」
「……」
と、サラマンディーネに問うたアンジュ。ついに名前を言うつもりも無くなったのだろうか。
♪I'll Be There 明日からは 少しだけ強くなれるように♪
「貴様! サラマンディーネ様に向かって何たる無礼を!」
「昨日の灯篭、まだ残ってる?」
「何?」
「……何に、使うのですか?」
「別に、ただ個人的な用事よ」
♪I'll Be There 見守るから 心はなれずに I'll Be There そこにいるよ 君の笑顔をもう一度みせて♪
その夜の事。アンジュは一人ドラえもん達が掘った墓の前に立っていた。その手に、灯篭をもって。
それで償えるわけがない。そう分かっていてもなお、しかし彼女は呟いた。
「ココ・リーヴ。ミランダ・キャンベル。ゾーラ・アクスバリ。それにナオミ……≪ノーマ≫の、たくさんの仲間たち……貴方たちが戦ってきた意味が何であったとしても、その魂が報われますように。そして、私が殺していったドラゴン……人間の魂が、浮かばれるように……」
♪I'll Be There 悲しまない(days) I'll Be There 沈む夕陽がくれた♪
そう言いながら、彼女は一人灯篭、コムローイを空へと放り投げた。たった一つの、小さな光。
なんの償いにもならない。ただの自分勝手で、身勝手な行い。こんなことで、殺された命が。殺した命が。帰ってくることはない。でも、それでもどこかで区切りを付けなければならなかったのは確か。
それが、今。この瞬間にあった。ただ、それだけである。
それは、くしくも灯篭流しのようにも見えた。死者の魂を弔うために川や海に灯篭を流す、日本における伝統行事のように。
違うのは、浮いてるのがただ一つだけということ。昨日の、あの沢山の人で形作った光の星たち。それと、全く違う光景。
でも、自分一人であってもいい。仲間たちの、そしてこの世界の人間たちの命が報われるように。魂が、ちゃんと天に昇れるように。できるなら、向こうで、人間とドラゴンの垣根を超えて、仲良く暮らせていますようにと。たった一人で、彼女は、祈った。
一人じゃないよ
そんな言葉が聞こえて来たような気がしたその時だ。さらに光が二つ増えた。
♪最期の言葉を 胸に…(Don't cry)♪
「のび太。静香……」
振り返ると、そこにいたのはのび太と静香の二人。いや、二人だけじゃない。ドラえもん、スネ夫、ジャイアン、エルシャ、ヴィヴィアンと、その母親のラミア、サラマンディーネ、カナメ、ナーガ、他多くの人間たちの姿があった。その誰もが、昨日と同じように灯篭を持ち、空へと、上げていく。
そして、その灯篭はアンジュたち三人が空に上げた灯篭に追いつくように空へと昇っていき、また、星の一部になった。
幻想的な景色だ。灯は一つ一つがそんなに大きくない物で、遠くに行けば行くほどに小さくなって見えなくなってしまうはずのモノ。でも、それがたくさん集まれば、遠くからでも一つの塊のように、まるで同じ志を持った仲間であるかのように集い、一緒に空へと上がっていく。
滑稽だ。そう自分が思ったそんな光景が、とても心を揺さぶる光景になる。
そう、同じ志。同じ人間。この星の人たちに自分たちがしてきた償い。
アンジュは、決心した。いや、もう、悩むのをやめた。
♪I'll Be There そこにいるよ ずっと抱きしめて♪
「私、一度向こうの世界に戻る。そして、≪アルゼナル≫に帰るわ」
「貴様ッ、まだ私たちの同胞をッ! サラマンディーネ様……」
「……」
武器のナイフを抜こうとしていたナーガを止めたサラマンディーネ。そしてアンジュは続ける。
♪いたいから I'll Be There 時を止めて♪
「あそこには私の筆頭侍女がいるから。その子をこっちの世界に連れて来ないと、私のお世話係できないでしょ?」
「アンジュさん……」
彼女は、そう言うとまるで女神のような、今まで見せたことのない笑顔をサラマンディーネに向けると言った。
♪このままでいよう I'll Be There そこにいるよ 君の笑顔をもう一度みせて I'll Be There ひとりじゃない(smile) I'll Be There♪
「私はもう、ドラゴンを殺さない。あっちの世界の未来なんてどうなったって構わない。アウラを助けて、≪アルゼナル≫の仲間たちを引っ張ってでもこっちの世界に連れて来る。それが私の、私たちがたくさんの人間を殺した償いだから……」
「アンジュさん……」
「アンジュちゃん……」
「アンジュリーゼ。決心したのですね、私たちとともに、戦ってくれると」
「言ったでしょ、それが私にできる唯一の償いだって……一緒に戦うとか、そんなんじゃない……けど」
「けど?」
というと、それまでの笑顔をいったん引っ込めてどこか明後日の方向を向いて腕を組んで自信たっぷりに言った。
「私の『下』で戦ってくれるのなら、一緒に戦ってもいいわよ」
『ズコッ!!』
「うふふ」
と、堂々と言ってのけたアンジュに、ラミアやエルシャ、ヴィヴィアン以外のほぼすべての人間がずっこける。まったく、こんな変なところでプライドを持ち出さなくてもいいのに。いや、むしろ彼女だからこそ、だろうか。エルシャは、やっとアンジュらしくなってきたことに微笑んでいた。
無論、その言葉に怒りを覚える者もいるのだが。
「貴様、サラマンディーネ様を!!」
当然のようにナーガである。が、サラマンディーネ本人は笑顔になりながら言う。
「良いでしょう」
「なっ!」
「ただし、私との決闘に勝てたら……ですがね」
「決闘?」
「えぇ」
まさかのロボット
あと、今回の前半部分は、イメージとしては音楽だけ流れてSEや音声は何もない感じです。その、前半。やや音楽の使い方といい大雑把と思われたかもしれませんが、これには理由があり、実は前夜までまた別の話を書いていたのです。のび太達が、シェルターの中にあったモノを一体ずつ運び出すという描写が。
これが、賛否両論の否の方が多いと思った描写。その真実です。
でも、そこまでしたら流石に子供向けじゃない。そう思って、仄めかす程度に自重しましたその正体を隠していたのも、映像では、シルエットだけみたいなイメージを読者に伝えるためです。
結果、曲を描写ごとに合わせる時間もなく、歌詞をそのまま載せるという、ある意味大長編ドラえもん風味になりました。
でも、これが映画ドラえもんとしては正解なのだろう。そう、思います。
いくらなんでも、小学生ののび太達に死体の処理はさせられない。できない。そう、私の中に残っていた良心が最後に囁いてくれました。