【完結】映画 ドラえもんクロスアンジュ のび太と天使と竜の輪舞 作:牢吏川波実
「まってよぉぉ!!!」
と言って勢いよく岩のテッペンに上がってから飛び込んだのび太。
一瞬だけ顔を潜らせてから、水面に顔を出すとその瞬間にジャイアンに再び顔を押し付けられて海の中に戻らされてしまう。
♪心の中いつもいつもえがいてる(えがいてる)♪
それから数秒ほどすると、いつもだったらのび太は海面に浮かんでくるはず。しかし、彼の顔は全然浮かび上がらず、それどころか空気の泡も止まってしまった。三人が不思議がり、まさか溺れているのではと顔を海の中に入れた。その瞬間である。
♪夢をのせた自分だけの世界地図(タケコプター)♪
ばぁ、と驚かせるようにのび太が現れ、ジャイアンとスネ夫に水をかけたのだ。
すると、二人は、やったなと言う様に笑顔で互いに水をかけあう。本当に仲のいい者同士、仲間であるが故の心配と、戯れと言った感じだ。静香はそれをすぐ近くで見て微笑んでいた。
♪空を飛んで時間(とき)を超えて 遠い国でも ドアをあけてほら行きたいよ今すぐ(どこでもドア~)♪
一方、森の中に入ったドラえもんは、危険な動物がいないかと歩き回っていた。一応今夜は“キャンピングカプセル”というとても高い場所に部屋がある、一種の簡易型のホテルのような物を使う。そうやすやすと危険な動物が襲ってくることはないだろうが、油断はできないと思っていたから。
と、その時ドラえもんの目の前に這い出て来た動物がいた。蛇である。ソレに驚いたドラえもんは、急いで四次元ポケットの中を探り、次々と道具を出していき、最終的に出したのはただの殺虫剤である。そんなもので蛇を殺せるかと思ってしまうが、ドラえもんは何も考えずにソレを振りまいた。
幸か不幸か、目の前に現れたその珍妙な動物のちんちくりんな動きに驚き、毒蛇もその近くにいた虫たちもまたドラえもんから離れて行き、彼は出るはずのない汗をぬぐった。
♪大人になったら忘れちゃうのかな?♪
一方で、ここに二人の女性がいた。陰に隠れてよく見えないが、一人は青色のライダースーツのようなものを着ている女性。もう一人はメイド服を着ている女性のようだ。
メイド服を着ている女性は、ライダースーツを着ている女性にコップを手渡す。すると、女性はすぐにソレの中身を飲み干し、メイドの女性に手渡す。
メイドは、それを受け取ると一度礼をしてからそそくさとその場から立ち去った。
♪そんな時には思い出してみよう♪
そして、ライダースーツの女性は、ある機械にバイクに跨るかのように乗ると、ケーブルのようなものを背部のコネクターに接続させて合図を待ち、仲間とともに発進していった。自分たちの≪仕事≫へと。
♪Shalalalala 僕の心に♪
一方で、こちらは無人島でバカンス中の四人。静香は、持参してきた水中眼鏡とシュノーケルを付けて水中で魚と戯れていた。とても小さな魚で、一体どんな種類なのかは分からない。でも、色鮮やかな魚達と戯れているだけで、彼女の心は癒されていた。
♪いつまでもかがやく夢♪
一方でジャイアンは、水中の中に大きな石を見つけてソレを足場として自らの筋肉―小学生だからそんなにはないのだが―をスネ夫に自慢して、スネ夫はソレに歓声を送るようにおべっかを使っていた。
♪ドラえもんそのポケットでかなえさせてね♪
そんな時、背後から近づいてくる影。そう、のび太である。のび太は、ジャイアンの海パンをはぎとると遠くの方へ逃げたのだ。しかし、元々体格差もそうだが運動神経でもジャイアンに劣っていたのび太はすぐに捕まってしまった。
その後、まるで罰のように砂浜に顔以外を埋められたのび太を見ながら、シャベルを持ちニッコリ顔のジャイアンとソレを見て呆れにも似た冷や汗をかいた静香とスネ夫。
♪Shalalalala 歌をうたおう みんなでさあ♪
一方、空を飛んでいた部隊は、もうすぐ目的地に到着するところだった。その中でも後方に位置する、先ほどメイドから水を貰っていた女性は、何かを口ずさんでいるよう。その動きは、のび太が見た夢の歌にそっくりだった。
♪手をつないで ドラえもん世界中に夢をそうあふれさせて♪
そして、森の中を散策中のドラえもんは、その夜のバーベキューのための薪を集めていた。なんで僕一人がこんなことしてるんだろう、なんて考えているのだろうか。そんな時だ。彼は、ある物を見つけた。
まるで、自分が呼ばれたかのようにそっちの方に顔を向けたドラえもん。
果たして、その時彼が見た物とは―――。
のび太と天使と竜の輪舞