【完結】映画 ドラえもんクロスアンジュ のび太と天使と竜の輪舞   作:牢吏川波実

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執筆前
作者「そういえば原作のあの展開やってなかったからここでやっとこ」
執筆中
作者「え? なに? アンタ誰!? ちょ、ま!?」
執筆後
作者「なんだ、これ……」

 いつも通りその場の思い付きで執筆してたら途中でとんでもねぇ化け物が飛んできやした。キャラが勝手に動いたのみならず、キャラが≪勝手に来た≫という私の小説の中でもなかなかない展開になった。


chapter54 可能性の光

 永遠語り。すべてを元に戻すための唄を彼女たちが紡いでいる。そんなことつゆとも知らず、外での乱戦はその戦場を一つにしようとしていた。

 ≪アウローラ≫は既に推進力を失い、海上へと不時着、メイ率いる整備班がエンジンの修理を行っているがしかし、メインのエンジンをその戦闘中に修理するのは不可能と判断された。

 せめてサブエンジンだけはなんとか起動させようと必死の修復が続いている状態だ。

 また、≪パラメイル≫第二・第三中隊の機体も半分以上が中破以上の損傷を受けて≪アウローラ≫へと帰還。メイルライダー達もまた負傷していて、戦えるものは、ジャイアン、スネ夫や、リィザーディアを救出した後のカナメとナーガ、そしてエース級の≪ノーマ≫によって構成されている≪パラメイル第一中隊≫のみとなっていた。

 そんなジャイアンの目の前に、≪ラグナメイル≫が現れた。

 

♪始まりの光 Kirali…kirali♪

「こんにゃろぉぉ! 喰らいやがれ!!」

 

 距離はまだ十分ある。敵の攻撃が襲ってくるまでは時間があった。彼は主砲を撃とうとする。しかし―――。

 

♪終わりの光 Lulala lila 返さんEl Ragna♪

「なんだよ! エネルギー切れかよ!!」

「うわぁぁ僕ちんも!!」

 

 ジャイアン、スネ夫共に既にアストロタンクのエネルギーが切れていたのだ。なんとか飛ぶことができる程のエネルギーは残っているようだが、もうこれでは主砲も、エネルギーに直結してるミサイル弾も撃つことはできない。

 その事も気が付けない程の激戦であるが故に仕方のないことかもしれない。だが、ことこの敵を目の前にしている状態で戦える状態にないというのは致命傷に当たる。

 

♪砂時計を♪

「チクショぉ!!」

 

 ジャイアンに向け、≪ラグナメイル≫の一機が近づき、剣を振り上げた。ジャイアンは、その姿をしかし、アストロタンクのモニターでしっかりと見ていた。まるで、それが男の意地であると言わんばかりに。

 しかし、風前の灯火であった彼の命は、二人の人間によって救われることになる。

 

♪時は溢れん Lulala lila♪

「ッ! ハァァァァ!!!」

「ヤァァ!!」

 

 ロザリーとクリスである。本来の≪パラメイル≫と≪ラグナメイル≫の力関係であればたった一機じゃその攻撃を完全に防ぐことは不可能だった。しかし、二人いれば違う。

 二人で、剣を交差する形にして≪ラグナメイル≫の剣を防いだ。瞬間的に火花が散り、やや押し返されたもののジャイアンを救う事に成功した。二人の、息のあったチームワークの勝利、いや二人じゃない。

 

♪幾億数多の 命の炎♪

「ロザリー! クリス!!」

 

 そこにさらにサリアもまた加勢に入り、≪ラグナメイル≫に向けてアサルトライフルを放つ。その勢いに押され、≪ラグナメイル≫は下がり、ジャイアンとの間に三機の≪パラメイル≫が割って入った。

 

♪するり堕ちては星に 流れ流れては♪♪♪凪がれ凪がれ♪♪

♪美しく♪♪♪慈しむ♪♪

♪また生と死の♪♪♪また生死の♪♪

♪揺りかごで♪♪♪揺りかごで♪♪

 

「スネ夫、ジャイアン! ≪アウローラ≫へ下がって!!」

「り、了解!」

「ッ! しょうがねぇか! 皆! 気をつけろよな!」

「誰に言ってんだ!」

「任せて!」

 

 サリアの言葉を受けた二人は、力強いロザリーとクリスの言葉を背にするように方向転換するとゆっくりと≪アウローラ≫へと向かう。その護衛にはこの戦いに参加していた少数のドラゴンが付いてくれたので、これで二人は安全に≪アウローラ≫へと帰還できるはずだ。

 しかし、闘えるものがまた二人減ってしまった。≪ピレスロイド≫の方はもう底が付いたのか最初のように空を埋め尽くすほどの数ではなくなった。しかし、問題は≪ラグナメイル≫。

 流石、ヴィルキスの同型機。とてもじゃないが一人一人で戦っては勝ち目がない。世界を滅ぼす力、ソレを相手に、自分たちは戦っているのだと、改めて実感したサリアは、一筋の汗を流した。

 

♪柔く♪♪♪柔く♪♪

♪泡立つ♪♪♪泡立つ♪♪

「ッ! このままじゃジリ貧だ! どうするサリア!」

「そうね……」

 

 サリアが、ロザリーたちに指示を出そうとした。その時だった。

 

♪歌え…歌え♪

♪♪歌え…歌え♪♪

♪いま♪

♪♪♪二つの願いは♪♪♪

♪強く…強く♪

♪♪強く…強く♪♪

 

「分かってた。私には、もう、何もないんだって……分かっていたはずなのに……」

「ヒルダ!?」

 

 ヒルダの≪パラメイル≫が吶喊した。≪ラグナメイル≫の下に。無謀すぎる。それまでの戦いで、≪パラメイル≫と≪ラグナメイル≫の戦力の差は十分に分かっているはずなのに、彼女は一人、≪ラグナメイル≫と戦闘を始めた。クリスの叫びも、届いていないようだ。

 

♪天♪

♪♪の♪♪

♪金色♪

♪♪♪と煌めく♪♪♪

♪永遠を語らん♪

「誰も待ってくれてる人なんていない。覚えてくれてなかった……わたしは、一人だった……!」

 

 母は覚えていなかった。

 自分の顔を見ても、何も言ってくれなかった。

 お帰りも、久しぶりも、何も、言ってくれなかった。

 それどころか、新しく子供を産んで、その子に自分の名前を付けて。まるで自分という存在は、最初からいなかったかのように扱って。

 いや、最初からいなかったのだ。自分なんて元々、≪ノーマ≫として処理されるべき存在。この世界にとって不必要な存在。

 不要な存在。

 生きている価値のない存在。

 誰も待ってくれない。

 そんな世界にいる理由なんて、どこにある。

 

「うあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 どこにも、ない。

 自分の居場所なんて、帰る場所なんてないんだ。ヒルダの頭の中は、そのことでいっぱいになっていた。

 

「ヒルダ……」

「哀れだな……信じていた者に裏切られ、怒りをぶつけることしかできない……私も、お前も、もしかしたらあぁなっていたかもしれない……」

 

 ヒルダが、母親に会ったことを近くで見ていたジルは、サリアにそう言った。

 そうだ。自分たちももしかしたらああなっていたかもしれない。ジルがエンブリヲの人形とされた時のように。

 そして、サリアは、もしかしたら、あの≪アウローラ≫でジルから、アレクトラから駒だと言われた時に、そうなっていたかもしれない。

 自分の事を求めてくれる人なんていない。

 自分の事を必要としてくれる人間なんていない。

 求めてくれても、それが打算的なものだと知ってしまったら、自分たちはどうなっていた。

 怒り、憎しみ、戸惑い、崩壊する。

 ジルはその直前まで来ていた。

 サリアもまた、その一歩を踏み出すかもしれなかった。

 他人事なんかじゃない。そうだ。自分たちは、同じなのだ。皆、皆同じ。サリアは、決意するように操縦桿を握ると、ヒルダの下に向かった。

 そして―――。

 

♪♪嗚呼 千の時の輪廻の旅 繋ぎ合う手と手 探し求め 心交わし息吹く風よ 新たな世界を飛べ♪♪

「前を向いて! ヒルダ!!」

「サリ……ア?」

 

 サリアは、その剣で≪ラグナメイル≫の剣を防いだ。本来なら力負けしているはずのその出力で、≪ラグナメイル≫の力を少し上回った。それは、彼女の心の力が起こした奇跡だったのかもしれない。

 その、奇跡の中でサリアはヒルダに叫ぶ。

 

「大丈夫! ヒルダにはアタシや、アレクトラやロザリーやクリスやアンジュ……みんないる。だから……苦しかったら、私たちを頼って! 私達はチームでしょ! ずっと一緒に戦って来た、仲間じゃない! ヒルダは、ヒルダも! 一人じゃないから!」

「サリア……」

「サリアの言う通りだぜ!」

 

 その言葉とともに現れたロザリー、そしてクリスは凍結バレットをサリアの目の前にいる≪ラグナメイル≫に打ち込んだ。ドラゴンとは違うために簡単に氷自体ははがされてしまったが、しかしそれでその≪ラグナメイル≫を後退させることには成功した。

 

「ロザリー……」

「アンジュにも、まだ言ってないことあるんでしょ!?」

「クリス……あぁ……そうだった……」

 

 まだ、あの痛姫の名前を、好きだって気持ちを伝えていなかった。

 そうだ。自分は好きなのだ。アンジュだけじゃない。

 第一中隊の皆も、≪アルゼナル≫で共に過ごしてきた仲間たちの事を。

 そして、そこで出会った全ての思い出を、愛していた。愛することができた。

 どうしてか。

 それは。

 ≪ノーマ≫だったから。≪マナ≫を使えない出来損ないだからこそ、彼女は特別な友情を育むことができた。≪ノーマ≫だったから、世界の真実を知ることができて、この命がけの戦いにも投じることができて、そして、仲間に包まれる愛おしさを感じることができる。

 

♪照らせよEl Ragna 愁いぜんぶ くるりくるりと Lulala lila♪

「ママ、アタシ≪ノーマ≫に産まれてよかった。≪ノーマ≫に産んでくれて、ありがとう……ママ」

 

 ヒルダは感謝する。自分を≪ノーマ≫に産んでくれたことを。こんなに、頼りになる仲間たちに出会わせてくれたことに、感謝してヒルダは力強く、操縦桿を握った。

 と、その時。

 

「いっけぇ! ブンブン丸!!」

 

 ブーメラン型の武器が、≪ラグナメイル≫目掛けて投げられた。もちろん、その正体は。

 

♪哀しみ 喜び 慟哭さえも 銀の河からみれば♪

「サリア! 私達のこと、忘れてない!?」

「私達も、エルシャも、ヒルダの仲間だよ!」

「ナオミ! ヴィヴィアン!」

「そして……」

 

 と言いながら、≪パラメイル≫に似た機体、龍神機に乗ったナーガと、カナメもまた現れて言う。

 

♪すべては一時の夢花火♪♪♪すべては無への泡沫♪♪

♪ただ神の目の瞬きに♪♪♪ただ回帰の羽撃きに♪♪

♪消えて♪♪♪消えて♪♪

♪還らん♪♪♪還らん♪♪

♪響け…♪

♪♪響け…♪♪

♪響け♪

♪♪響け♪♪

♪いま♪

♪♪♪あるべき姿へ♪♪♪

「今は我々も……」

「一緒に戦う仲間、ですよ!」

「そうだったわね!」

 

 そうだ。前まではただ敵だとしか思えなかった者たちとも、こうして一緒に戦えるのだ。何を恐れることがあろうか。

 こんな共同戦線なんて今まで思い描いてこなかった。≪ノーマ≫とドラゴンの共闘を一番信じられなかった女性が、ジルが叫ぶ。

 

「フッ……元≪アルゼナル≫第一中隊! 並びにドラゴンの者ども! この戦い、絶対に死ぬことは許さん! 掴み取るぞ、我々の自由を!!」

『イェスマム!!』

 

 戦乙女は飛ぶ。仲間達と共に。

 

 

♪淡く…♪

♪♪淡く…♪♪

♪淡く♪

♪♪淡く♪♪

♪過去の♪

♪♪伝承あるがまま♪♪

「ハァァァァァ!!!」

 

 一方で、アウラを前にした静香の戦いも終止符がうたれようとしていた。彼女は、ジャイアンやスネ夫とは違い弾薬やエネルギーを節約していたことが功を奏し、次々と現れる≪ピレスロイド≫をある時は地上から、ある時は空中で叩き落としていた。

 

「ッ! まだよ!!!」

 

 途中、静香は一体の≪ピレスロイド≫をアストロタンクの主砲で貫いた。いや、それだけじゃない。二体、三体と貫いていく。

 そして。

 

♪永遠を祈らん♪

♪♪Raguna Ragna 還らん Ragna♪♪

♪El Ragna♪

♪♪Ragna Ragna 原初の歌♪♪

「くらいなさい!!」

 

 アストロタンクの右下、左上、背後にあるブースターをフルパワーで動かす。すると、アストロタンクは左回りで高速で回転しながらエネルギーに包まれて前進する。主砲で貫いた≪ピレスロイド≫だけじゃない。その向こうにいた無数の≪ピレスロイド≫をも巻き込んで次々と破壊する。その姿は、まさしく戦乙女と言っても過言ではない程勇ましいもの。

 永遠語りの唄を紡ぎながら片目で見てたアンジュは微笑みながら思う。もしも、彼女がこの世界の≪ノーマ≫で、自分が≪アルゼナル≫にいた時≪パラメイル≫に乗って一緒に戦ってくれてたのなら、どれだけ心強かっただろうか、いや、心強い仲間は、もう。

 そして―――。

 

♪Ragna♪

♪♪Ragna♪♪

♪♪祈らん Ragna♪♪

♪Ragna♪

♪♪Ragna♪♪

♪♪♪歌わん Ragna♪♪♪

♪Ragna♪

♪♪Ragna♪♪

♪El♪

♪♪Ragna♪♪

(シルヴィア。これが、貴方の姉として最後にできる事。強く生きて。私のように、絶望の中で仲間を見つけて、貴方の好きなように生きなさい。エンブリヲの呪縛から、逃れて!! 自由に!!)

「「いっけぇぇぇぇぇぇ!!!」」

 

 二つの収斂時空砲が、少しだけタイミングをずらして放たれた。

 サラマンディーネの収斂時空砲が、アウラを拘束していた器具とフィールドを破壊し、ヴィルキスの収斂時空砲、通称ディスコード・フェイザーがそのエネルギーを中和する。まばゆいばかりの光と衝撃は、機体の中にいる彼女たちをも侵食し始め、数瞬目の前が真っ暗になるほどだった。

 そして、目を開けたその時、彼女たちの前に待っていたのは。

 

「なに、これ!?」

 

 彼女たちがいたのは、それまでいた薄暗く、だだっ広いだけの空間ではなかった。蒼を背景にして、いくつもの星のような何かがちりばめられた空間。

 そう、まるで向こうの世界で飛ばした、灯篭の光のように神聖な光が、二人を包み込んでいたのだ。

 ふと、その時一瞬の輝きと共に一つの絵が流れて来る。いや、一つだけじゃない。二つ、三つ、四つ。それ以上だ。

 恐竜、勿論ドラゴンじゃないソレを前にして勇ましく戦うアンジュ、サラマンディーネ、ヴィヴィアン。

 どこかの決闘場で剣と盾を持って闘うアンジュとサラマンディーネ。

 また別の絵では、ライフルを持った軍服姿のサラマンディーネに薔薇の花束を渡す、看護師の格好のアンジュ。

 学校で、サラマンディーネに指をさして何か抗議をしているアンジュ。

 レースカーに乗り込もうとしている自分達、その向こうには共に戦う仲間たちの姿もあった。

 そして、最後の絵に至っては自分と、サラマンディーネが抱き合う姿―――。

 

「おそらく、二つの時空収斂砲により相殺された結果、私達に見える、幾つもの……可能性……」

「可能性……え?」

 

 と、その時だ。さらに絵が追加されたのは。

 

「私が、処刑されてる?」

 

 アンジュがそこにいたのは、みすぼらしい服を着させられ、民衆の前に立たされ、絞首刑に処されそうになっていた自分。きっと、≪ノーマ≫であることがばれ、≪アルゼナル≫へと送られなかったらそうなっていたのだろうと思われる自分がいた。

 それに。

 

「エンブリヲ! その前にいるのって、サリア、エルシャ、クリス、ターニャに、イルマ!?」

 

 エンブリヲの前に立つ、それぞれに黒い服に身を包んだ自分の見知った顔。どれもこれも、無理やり立たされているというわけじゃない。自分たちから望んでその前に立っている。そう見える五人だ。

 

「あの五人が裏切った世界線、それもあったと言うことですか……」

「……そっか」

 

 あり得ない、とは言い切れなかった。サリアがヴィルキス、つまりエンブリヲが所有している≪ラグナメイル≫に執着していたことも知っていたし、エルシャだってもし子供たちが死んでいたらどうしていたか分からないと言っていた。

 きっと、何かあった結果、その五人がエンブリヲ側に着いた世界なのだろう。

 そして、次に現れたのは―――。

 

「……! ココ、ミランダ、ゾーラ……」

 

 自分と、自分の初陣で死んだ三人が共にドラゴンを倒している姿。ソレはどう見ても、初陣のそれじゃない。自分が最初から自らが置かれた状況を受け入れて、ミスルギに帰らないという選択肢を選んでいた。覚悟が、できていた世界。

 もしもの、でももう決して取り戻すことができない世界だ。

 

「だれ、あのピンクの髪の子……」

「ナオミ……」

「え?」

 

 ふと、その時一人のピンク髪の少女が目に入った。エルシャじゃない。他の誰か。その疑問に答えたのはサラマンディーネだった。

 あの子が、ナオミ。自分の初陣より前に死んでしまった少女。どうしてソレを、サラマンディーネが知っているのか。

 いや、それだけじゃない。よく見ると、その中隊の人数がおかしい。≪アルゼナル第一中隊≫は、≪七人≫。死んだ四人を含めても≪十一人≫のはず。

 だけど、そこにあった≪パラメイル≫の数は≪十二機≫もあるのだ、機体の数が、合わない。一体あれは、そう彼女が目を凝らした時だった。見覚えのある、金髪が目に入ったのは。

 

「あれは、シルヴィア? ッ!?」

 

 衝撃を与える暇も与えないのか。今度は、また先ほどとは違った光に飲み込まれた少女たち。そして、目を開けると。

 

「また! え? な、なにこのロボット!?」

 

 そこには、ロボットがたくさんいた。そう、ロボットだ。≪パラメイル≫じゃない。

 

「≪パラメイル≫じゃない、でもヴィルキスに似てる機体もある、なんなのこれ!?」

 

 ヴィルキスに似た、青と白の配色の機体。三日月を冠に添えた機体。太陽のように丸い物を冠にした機体。列車の先端部をその胸に付けた機体や、一本角の鬼のような、怪物のような、ロボットなのかどうかも分からないような機体まである。

 一体、あれは。

 

な  ん  だ  と  思  う  ?

 

「え……」

「光子力、ゲッター線、人の心の光……あ、頭の中に言葉が……!」

 

 そう、言葉が入って来る。いくつもの言葉が。知らないはずの言葉がいくつもいくつも、とめどなく頭の中に入り込んでは消え、入り込んでは消え、そして脳内に刷り込まれて行く。目の前に現れた怪物のようなソレは、彼女達の前に現れたと思ったら瞬く間に消え、可能性の光と、数多くの情報を彼女達にもたらすのだ。

 

「なによ、イスカンダルって! ネバンリンナってなに!? ヴァングレイ……」

 

 また、光が彼女たちを襲った。

 そして、現れたのは黒い仮面をかぶった男と、それに従う白と赤の機械。虫のような機体。白くて小さな、龍の力を宿した機体。そして、地球よりも、いや銀河よりもでかくなった赤い機体と、ヴィルキス。

 

「今度は何? アル・ワース? 魔獣エンデ? ゼルガード……知らない……知らないはずなのに、知ってる気がする……これって……」

 

 また、光が彼女たちを襲った。その先にあったのは、ロボットが戦っている光景なんかじゃなかった。

 三人の男。一つの小さな機械。それからその周りにいるのは女性ばかり。その中には自分とサラマンディーネもいる。どうやらパーティーのようなものをやっているようだが、その男女比からしてどこか異様なものを感じる。

 でも、エンブリヲのような気持ちの悪い物じゃない。むしろ、心地のいい、本当の意味で仲間として歓迎されている。そんなような気がする。その時一人の女の子が持っていた皿を落として割った。

 

「エリカ! え、なんで私今、エリカなんて言葉……誰? エリカって……」

 

 どうして、自分はそんな名前を口走ったのだろう。もしかして、知っている。どこかで、どこか遠い過去、あるいは未来で、知っている名前なのか。分からない。分からないことだらけだ。

 そして、自分たちはまた、大きな光に吸い込まれた。その先に待っていたのは―――。

 

「あれは、誰ですか!?」

「未来で、待ってる……いつか、欲望の世界だけじゃない。二つの祈りと混沌と破壊されて、再構成された世界。そこにいる、待ってる。亜光速の小公女(プリンセス)……」

 

 沢山の、自分がまだ知らぬ人間たち。そしてロボットたち。シルエットになっているために分からないが、よく見ると、ドラえもん達もいるみたいだ。

 でも、それよりもアンジュは、ハッキリと見える≪十人≫の少年少女たちに目が移った。

 知っている、気がする。でも、知らない。いつかどこかで≪アーエル≫少年少女たち。

 ≪光≫に満ち。

 ≪海≫のような広大さで。

 涼やかな≪風≫を感じる世界。

 ≪大剣≫を携えて。

 ≪≪ヒーローガール≫≫この≪笑顔≫に溢れた≪大地に咲く一輪の花≫のように。

 自分と同じように絶望と希望の≪ワルツ≫を奏でる少女たち。

 いつの日にか、一緒に戦おう。

 誰かが、そう言った気がした。




 最後の十人の少年少女、他その他に出てきた幾つもの可能性の光。その作品と名前、分かった方、一部でもわかる方は感想欄に、てかまじでどうしてアイツ来たの?
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