IS~ある少年の過去と記憶   作:1056隊風見鶏少尉

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いつから次の話がデュノア社との戦闘話だと錯覚していた?

ごめんなさい、本来はそうだったのですがどこに入れても中途半端になるのでこの話を使いました。期待していた方申し訳ございません。
あとすごく短いです。


二十話 『天災』

 

 

 

 

 

視点は少々ある者へと移り変わる。

 

 

「――――――――」

 

地球上のどこかでその人物、篠ノ之束はその内に記憶した膨大な時間をひとつひとつさかのぼり、記憶を閲覧していた。

日数にして約一週間。

 

目を閉じ、考え込むようにただひたすらその行為だけをしていた。

 

 

「………………」

 

それをただ見守る一人の少女がいた。

 

――名をクロエ・クロニクル。

腰まで伸ばした綺麗な銀髪、開かれた双眼は両目とも金色をしていた。そしてどこかラウラ・ボーデヴィッヒにも『また別の誰か』にも似た顔立ちをしている。

頭にはサングラスのような物をかけ、束を見守るように佇んでいた。

 

彼女、クロエは実の所、捨て子である。

禁忌の実験が産み出した失敗作、それは廃棄されるのは当たり前である。

だが廃棄される一歩手前で束が救い出し、育てるかのような行為をしている。

 

もちろん、そんな実験が行われていた場所などもう『この世にはそんざいしない』のは言うまでもない。

「…………束様」

 

ポツリとクロエは呟く。

「――――――ッ!!」

 

その時、束の意識が現実世界に帰ってきた。

まるで潜水をしていたかのように大きく息を吸い込み、呼吸を続ける。

 

「――束様」

 

「あ、久しぶりーくーちゃん。今って何時かな?」

 

「あれから丁度一週間と12時間36分56秒経ちました」

 

どっと噴き出してきた汗を気にせず束はクロエに確認するとクロエは淡々と束に告げる。

 

「そっかー、そんなに経ってたかー。あ、ありがとねくーちゃん♪」

 

いつの間にか持ってきたタオルを束に渡すクロエ。 それをもらい「はあーっ、汗かいたー」と言いながらタオルで拭いて首にかける……少々女性的ではないような気がするが気にした様子はない。

 

「それで、何か分かりましたか?」

 

「うん、大収穫だったよー。あ、ありがとねーくーちゃん♪」

 

またまたいつの間にか持ってきた水を束に渡す。

それをぐいっ、と飲み干し「ぷっはーっ、うまい!」とまるで仕事の後にビールを飲んだ後のサラリーマンのようなことを言う束。

 

 

「さてと、出かける準備をするよくーちゃん♪」

 

「出かける、ですか? どちらに?」

 

つかつかと歩いていく束についていくように歩くクロエ。

 

「はじまりの場所だよ。ささっ、じゅんびじゅんび!」

 

そういって束はクロエを押しながら別の部屋に行く。

 

「くーちゃんはここの整理をお願いねー」

 

クロエを様々な電子機器がある部屋に置いて束は別の部屋に行こうとする。

 

「場所を移動するのですか?」

 

「違うよー、『吾輩は猫である(名前はまだない)』(ラボ)は替えるつもりはないよ。でもしばらくは帰ってこれないからなんだねー」

 

クロエにこの部屋を任せて束は長い廊下を歩く。

我が子達が眠る部屋に続く長い長い廊下を。

 

「――しかし」

 

そんな中、束はポツリと呟いていた。

 

「――あれが神の落とし子たち、か」

 

「アダムとイブ。そして――」

 

「――選ばれた子達」

 

「まさか、あの子達だったなんて」

 

一瞬、泣きそうな顔をした束だったが次には何事もないようにいつもの表情に戻っていた。

 

「さーて! ちょっと大事な寄り道しちゃうけど待っててね、ちーちゃん♪ いっくん♪ ――あ、私あの子の名前知らないや。まいっか待っててね、少年♪」

 

 

束は子供のように無邪気に、まるで楽しい出来事があるかのように上機嫌で部屋に入っていった。




次にはちゃんと戦闘します。
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