次話を手違いで削除してしまいまして、とりあえず閑話を投稿します。
待っている方は本当に申し訳ございません。
それでは、どうぞ。
ラウラに名前が決まって一週間が経った。
それから彼女はメキメキと腕を上げて今では訓練を普通に通過出来るほどまで成長した。
話は少し変わるがこの訓練には成績があるらしい。
良い順にA~Eに別れている。
その中でAランクなのはラウラ・ボーデヴィッヒ、ラウラ・ユリウス、イリア・ユリウス、そして黒髪で少しきつそうな目をしている女の子の四人だけである。なかでもラウラ・ユリウス、イリア・ユリウスは別格に強かった。
ちなみに僕はCランクだ。
四人目の女の子は区画が違うので僕はほとんど面識がない。だけどラウラやイリアからよく話を聞く。
きけば親に捨てられ、さまよっている所を連れてこられたらしい。
それに前は姉と弟がいたらしい。それをよく聞かされるとか。
日にちの感覚がだんだんとなくなっていく。
たぶん三日経った日のこと。
僕たちは身体に何かを入れられた。
たしか治癒力があがるナノマシンとか言っていた気がする。
注射器を刺され、そこからはっきりと身体の中に異物がはいってくる感覚がした。
鳥肌がたつくらいの気持ち悪さ。僕は思わず吐いていた。
「お゛う゛ぅ゛え゛ぇ゛っ!」
生々しい音とともに今朝食べたばかりの栄養剤を吐き出す。
心臓の音がうるさいくらいに聞こえてくる。血の流動が手にとるように分かる。
見れば他の者も皆、苦しそうにしていた。中には僕と同じように吐いている者もいた。
ボーデヴィッヒもラウラもイリアも苦しそうに顔を歪め、真っ青にしていた。
永遠にも思えた地獄の時間も終わりがみえた。
しだいに違和感がなくなり、元の体調に戻りつつあった。皆もそうみたいだった。
立ち上がり、皆の安否を確認する。
「大丈夫? お母さん、お父さん、ラウラちゃん」
「えぇ、大丈夫よ」
「き、気持ちわるい……」
「だ、大丈夫……お兄ちゃんは?」
あれからラウラのことをママ、イリアのことをパパ、そして僕のことをお兄ちゃんと呼ぶようになったボーデヴィッヒ。
「なんとか、大丈夫」
皆も確認するが、体調がよくない人がいるだけで死んでいる子はいなかった。
どうやらほんとうに治癒力が上がるらしい。
気づけば前まであった傷が無くなっていた。
皆もそうみたいだった。
一週間……たったと思う。
「皆、集まって」
とラウラが僕たちにそう告げる。
訳がわからずも集合する。
「はい、これ」
一人づつ何かを渡していく二人。僕とボーデヴィッヒにも渡された。
僕に渡されたのは薄い金属みたいなプレートだった。ボーデヴィッヒも同じようなものを渡されていた。
「これは?」
ボーデヴィッヒが二人に聞く。
「それはね、私たち家族の『しるし』よ。私たちがここに、確かにいたことを示すものよ」
ほら、と見せられたものには僕たちと変わらない金属みたいなプレート。そこに書かれた文字。
僕は渡されたのを見てみると同じ文字が書かれていた。
「ね?」
はにかみながら僕に言うラウラ。
僕は何か温かいものを感じた。
それから僕たちは戦争にかり出された。
久しぶりの外に感動した。
逃げようと思えば枷なんて外して逃げれるだろう。だけどそれはできない。多分、誰一人として。
僕たちは『家族』だ。一人だけ逃げることなんてできない。
皆で生きてまた戻ろう。そうしたらその時に逃げることを考えればいい。
――僕たちが巻き込まれたこの戦争は生きるための戦争だ。
――――There is only grief for a war.
閑話もいずれは物語に関係すると思うんだ。