IS~ある少年の過去と記憶   作:1056隊風見鶏少尉

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前編の続きです。

それではどうぞ。


二話『蒼』 後編

 

 

「誰だお前は!?部外者は引っ込んでいろ!」

 

「悪い星野、助かった」

 

篠ノ之……?だったか? は突然乱入されたことに怒っているようだ。

 

「危ないからしまえ」

 

「お前には関係無いだろうが!」

 

俺が注意するも、篠ノ之は聞いていないようだ。

 

後ろでは数人の女子たちが「おぉ~、星野君すご~い」など、感想を呟きながらこちらを見ていた。っていうか最後「二人の男子が一人の女子を奪い合う展開キタコレッ!!」と興奮してるんだけど。オカシイでしょ、この状況でそう見えるなら眼科に行った方が良いぞ。

 

「何があったんだ、一夏」

 

篠ノ之は無視して一夏に聞く。

 

「あぁ、それが俺もよく分からないんだ」

 

と一夏は篠ノ之の方を向く。

 

おいおい、急に木刀で殴ってくる同室の女子って怖すぎるだろうが。

 

俺は篠ノ之をちょっと引いた視線を向ける。

 

(ん?あれは)

 

ふと、篠ノ之の木刀以外の持っているものが目に入った。

 

「一夏、そりゃ殴られるぞ」

 

「何でだよ!?」

 

だってそりゃあ――、

 

「下着を盗もうとしたんだろ?そりゃあそうだって」

 

二人は顔を赤くし、一夏は否定する。

 

「ち、違う!!あれは殴られそうになったから竹刀を出したら付いていただけで――」

 

……何か、本当なんだろうが、言い逃れに聞こえてしまうな。

 

「い、一夏がどうしてもと言うなら、み見せてやらんことも――」

 

かなり小声でぶつぶつと何かを言ってるんだが聞き取れない。

 

「箒?どうしたんだよ?」

箒というらしい目の前の女子に向かって話しかける一夏。

 

「な、何でもない!! それより一夏!! お前は何故私になにも言わずに剣道を辞めたんだ!!」

 

「いや、辞めざるをえなかったんだ、強くなるには」

「そんなもの、剣道を極めれば強くなるだろうが!」

「だから箒、ごめん」

 

一夏は箒に頭を下げて謝る。

 

「っ! 一夏っ!!」

 

またも木刀を一夏の頭目掛けてふりおろす。

 

「――おい」

 

俺は、今度は両手で木刀を受け止める。

 

「こいつの生き方はこいつで決めることだ。お前が口出していいことじゃねぇぞ」

 

「うるさい、お前には関係無い!」

 

「確かにお前らがどんな仲かは知らん。だがクラスのやつが困っているなら助けるだろ」

 

「ッ!ならば!」

 

箒は木刀を離し、一歩距離をおく。

 

「ならば、一夏と貴様!明日の放課後、私と勝負しろ!私が勝てば一夏は剣道をしてもらうぞ!!」

 

びしっ!っと人差し指でこちらを指し、宣戦布告。

…………まぁ、割って入ってあんなこと言えば巻き込まれるよね。てか人差し指をこっちにむけるな。行儀が悪いぞ。

 

「おい、箒――」

 

「ふん!」

 

一夏は箒に何かを言おうとするがそっぽをむかれてしまい、肩を落とし、ため息を吐く。

 

「悪い星野、巻き込んじまって」

 

一夏はすまないといった様子で謝ってくる。

 

「気にするな、お前も大変だな、同室にこんなやつがいて」

 

「箒は良いやつだよ、多分俺が悪いんだと思う」

 

「そうか。部屋はだいじょぶか?」

 

「あぁ、大丈夫だ」

 

「そうか、まぁ、俺は帰るわ、じゃあな」

 

「ああ、また明日な」

 

そう言葉を交わし、部屋を出て自分の部屋に向かう……女子が追いてきたが何とか説得し帰ってもらった。

 

「ふう……あ、織斑先生に報告しわすれた。まぁいいや」

 

部屋に入りベッドによこになる。一人部屋、といっていたが、ベッドがふたつあるのは、元は二人部屋だったのだろう。

えらく広く感じるのはそのせいだろうか。

凛は、しばらく考えているうちにやってきた睡魔に身をまかせた。

 

 

 

 

「ちょっとよろしくて、お二方」

 

朝に報告しにいき(もちろん殴られた)一夏と軽く挨拶をして授業の準備をしているときに声をかけられた。

 

「ん?」

 

「あ?」

 

「まあ!何ですの、そのお返事?わたくしに話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるのではなくて?」

 

貴族のような雰囲気はあるがどことなく女尊男卑の思想を持っているように感じられる奴に絡まれた。

 

「悪いな、俺は君が誰が知らないんだ」

 

「知らない!? このセシリア・オルコットを!? イギリス代表候補生にして入試首席のこのわたくしを!?」

 

俺の言葉に声を張り上げるオルコット。今覚えたからいいだろ。てか声を張り上げるな、つめよってくるな、うるさい。

 

「あ、質問いいか?」

 

一夏がセシリアに何か質問するそうだ。よかったそっちにいった、助かったぞ一夏。

 

「ふん、下々の者の要求に応えるのも貴族の務めですわ、よろしくてよ」

 

「代表候補生って、何?」

これを聞いていた周囲の女子たちが見事な連係でいっせいにずっこける。

 

「一夏……言葉でだいたいの想像をつけろ」

 

「え?今俺何か変なこと言ったか?」

 

「あぁ」

 

「信じられませんわ、日本の男性は皆こうなのかしら?常識ですわ、常識!」

 

「そうなのか?で、代表候補生って?」

 

おい、コイツと一緒にするな。こいつが特殊なだけだ。

 

「つまり代表候補生国家に選ばれたエリートなのですわ!!」

 

「本来ならわたくしのような選ばれた人間とクラスを同じくするだけでも奇跡……幸運なのよ。このことをもうすこし理解していただける?」

 

「そうか、それはラッキーだ」

 

「そうだな」

 

「……馬鹿にしていますの?」

 

セシリアには悪いが俺も持ってるんだよな。でも今言うのもかわいそうだしいわないでおこう。

 

「だいたいあなた方、ISについて何も知らないくせによくこの学園に入れましたわね。男でISを操縦できるというから少しくらい知的かと思っていましたけど、期待外れですわ」

 

失礼だな、人を外見だけで判断するんじゃないよ。

 

「俺に何かを期待されても、困るんだが……」

 

まぁ、一夏は聞いたところ、ちゃんと試験をパスして入学した訳じゃないらしいしなぁ。特例だって理由だけで強制入学させられた以上、多少の知識不足は看過すべきだろう。俺もだが。

「ふん。まあ、でも?わたくしは優秀ですから、あなた方のような人間にも優しくしてあげますわよ?ISのことで分からないことがあれば、まあ……泣いて頼まれたら教えて差し上げてもよくってよ?何せわたくし、入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから」

 

「あれ?俺も倒したぞ、教官」

 

「は……?」

 

「倒したっていうか、突っ込んできたのをかわしたら勝手に壁にぶつかって動かなくなっただけだけどな。」

 

一夏よ、それは倒したとは言わないぞ。

 

「星野はどうだったんだ?」

 

「想像にまかせる」

 

こう言っておけば、うまく俺からの注目をそらせることができるはず。

 

「わ、わたくしだけと聞きましたが……?」

 

「女子ではってオチじゃないのか?」

 

よし、上手くそらせられたな。

 

「あ、あなた方も教官を倒したって言うの!?」

 

「お、落ち着けって、な?」

 

「これが落ち着いて……――」

 

――――キーンコーンカーンコーン。

 

絶妙なタイミングで話の腰を折られたセシリアは一夏をビシッと指差した。

 

「話の続きはまた改めて。よろしいですわね!」

 

そう言って返事も聞かずに去っていくオルコット。

山田先生と織斑先生が来て授業が始まるかと思ったが、

 

「さて、授業を行う前にこのクラスの代表を決めなければならない。」

 

思い出したかのように千冬さんが口を開く。クラス代表?面倒臭そうだな。

 

「クラス代表はまぁ、クラス長だな。再来週行われるクラス対抗戦への参加の他、生徒会の開く会議や委員会への出席が義務づけられる。一度決まると一年間変更はないからそのつもりでいろ。」

 

案の定、色々とめんどくさいものをやらなければいけないやつだった。

 

「自薦他薦は問わん。誰かいるか?」

 

「はいっ、織斑くんを推薦します!」

 

「え!?俺!?」

 

「ちょっ、ちょっと待った!俺はそんなのやらな……」

「他薦された者に拒否権などない。選ばれた以上は覚悟しろ。」

一夏のささやかな抵抗は織斑先生に一蹴された。

一夏、かんばれよ。

 

「そ、それなら、俺は星野を推薦する!」

 

「ちょっ、一夏、てめっ!」

 

「困ったときは助けてくれるんだろ?なら、一緒にやろうぜ」

 

それは道連れって言うんだよ……。

しかし参った、一夏を皮切りに俺の名前まで出始めてしまった。あんなめんどくさそうなのやりたくないんだが……

 

「お待ちください!納得がいきませんわ!」

 

一人の女性徒の声が高らかに教室に響いた。




やり方が分からない…………

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