だいまおうさまのにっき。   作:はめるん用

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大魔王様と書類。

 ◯月✕日

 

 今日は1日城内の空気が良かった。具体的には文官たちの機嫌が良かった。魔将ナナシからの報告書しか仕事が無かったからだ。

 

 ヤツの領地から届く報告書には無駄がない。必要な情報だけが簡潔にまとめられていて、様々な数値が『グラフ』という図形を併用することで視覚的に分かりやすいのも素晴らしい。

 極めつけは書類を持たされた文官たちがそれぞれの専門家であり、不明瞭な部分に関しても質問すればすぐに欲しい答えが返ってくるのだから文句など出るワケがない。複数の部下を同行させ、誰かがなんらかの事情で動けないときでも滞りなく業務を遂行できるよう取り計らっているのもとても良い。

 

 トラブルの処理についても同じだ。どんな問題が起きたのか、それにどんな対処をしたのか、結果としてどうなったのか、解決に必要な資源はどの程度だったか、今後の見通しはどのように考えているのか、再発防止のためにどのようなプランを立てているか、本国に要求する支援はなんなのか全部しっかり報告されて……もうコレ余が確認するとこなくない? 文官たちで判断してあとはもう事後報告でよくね? 

 

 ともかく、今日は余も文官たちも定時で仕事が全て完了した。人間たちの動きにはまだまだ警戒が必要だが、たまにはこうした日も無ければ魔族とて疲労で倒れてしまう。久しぶりにゆっくりと模型を組み立てることもできたし、明日もこんな日になるとよいな。

 

 

 

 

 ◯月✕日

 

 アホどもから一斉に報告書が届いた。まるで抜け駆けなど許さんと言わんばかりに7つの領地全てからほぼ同時にだ。お前ら本当は仲良しなのか? 手の込んだ嫌がらせを計画的に余に仕掛けてない? 

 

 まず余計な挨拶が長い。長すぎる。ご機嫌伺いの前書きが前書きの量ではない。そんなところで有能アピールしたところで肝心の報告内容がペラッペラなのだから無意味どころかマイナスでしかないということが理解できんらしい。

 文官たちでは魔将を相手に意見するのは難しいだろうと、余から直接それとなく注意した結果がコレだからな。余に対する忠義もお前たちの活躍ぶりも知っているから報告書に記す必要は無いってハッキリ言ったよね? なんで前より長くなってんだおかしいだろうが余! 

 

 そのクッソ長くて枚数だけが多い報告書という名のゴミの束から必要な情報を探し出さねばならない文官たちの苦労を思うと泣けてくる。不足している部分について各領地から派遣された者に確認しようにも自分の仕事とは関係ないから知らないの一点張りだから尚更だ。

 だが、そんな嫌がらせでも役に立つこともある。余の息子たちと娘達に解読を手伝わせることで、読み手のことを無視した自己中心的な文章がどれだけ迷惑なのかを学習させることができるのだからな。決して余がそれらの謎ポエムを読みたくないから押し付けたワケではないぞ?

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