ぜんぜろつめた 作:寒さで体調をよく崩す人
少前2の生放送見た、推しがバイクに乗って実装された。
最近結構忙しく、エレンPUも大分前に終わり、そして若干ネタ切れ気味だったりしてモチベがちょっと下がり気味です……。
大変申し訳ないのですが、お時間がある方は感想、ここすきとか押してくれるととてもとても嬉しいです~。
月曜の夕方。
ルミナスクエアの喧噪からほんの少しだけ離れたくなった。 車やトラックのエンジン音が少し聞こえる程度の距離ということで、Coffcafeのテラス席で紅茶ラテを注文した。
元々は用事があってやってきたがすぐに終わってしまい、なんだか少し勿体ない気持ちになったので留まっている。 だが、都会の交差点は六分街の路地裏とは正反対でなんだか緊張してしまう。
はぁ、なんだからしくないな、なんて思いつつも私はスマホを弄っているとバナー通知が現れた。
『店長様、申し訳ないのですがエレンを見かけませんでしたか?』
送り主はリナさんだった。
エレンを見かけなかったか……? ふと辺りを見回すと、近くに浮かない顔をしたエレンが腕組みしていた。
どうしたのだろうと思っていると、もう一通届いた。
『どうやら何やら悩み事を抱えているご様子でして、もしも見かけましたら少し話を聞いてくださりませんか?』
『分かった、気に留めとくね』
一旦当たり障りのない返事を返し、どうしたものかと考えを巡らせる。
もしかしたら、少し放っておいて欲しいだけかもしれない。 そう思うと余計なことをするべきか悩んでしまう。
一度エレンとのチャット画面を開いて、キーボードを軽快にタップする。
そして一つ出来た文章を見て、なんだか違うなと違和感を抱いた。
全て消して、よくよく考えて打って、結局最初の方が一番良かったなと思って打ち直し、送信を押す。
『ねえ、少し時間ある?』
シュポッと送られたメッセージに気が付いたのか、そこにいるエレンがスマホを慌てて取り出す。
手元を沢山フリックさせているのを眺めていると、あっという間に返信が付いた。
『ある。 てかリン、もしかして暇?』
『うん、暇。 だからお茶にでも誘おうかなって』
『あー……ちょっと待ってて』
せわしなくスマホを触っているのを見守りつつ、そっとインターノットの新作映画の情報を探す。
サメ映画、ホラー映画、それとアクション映画……スターライトナイトの新作情報も出てるから、あとでビリーに教えようかな。
『行ける。 どこ集合?』
『丁度今ルミナスクエアのカフェテラスにいるよ』
『え。 丁度って。 マジで? すぐ行く』
ぎょっと見上げたエレンと視線がぶつかってしまった。
呆気にとられた表情になったかと思えば、呆れ顔になり、やれやれとコロコロと表情が変わる。
可愛らしいなぁ、なんて思っていると小走りで階段を登ってきた。
「はいはい来たよ……てか、気付いてるなら話しかけていいから。 あんただし」
「なんだかちょっぴり難しそうな顔してたからね。 何か頼む?」
「……じゃあ、あんたと同じやつ。 あっ、待って、砂糖追加した?」
「うん、したよ?」
「じゃあ砂糖なし」
言われた通りに注文をする。
今のご時世、端末からオーダーできるのはいいのだけれど、外だからネットがそこまでよろしくないのが玉に傷。
届くまでの間、お互い黙り込み、先に話すのもなんだか憚られる。 川の流れもなんだか遅いような、止まっているような、そんな感じだ。
遠くで落ちていく太陽だけが、今の私にとって最も正確な時計だ。
「お待たせしました。 紅茶ラテでございます。 では、ごゆっくりお過ごしください」
店長が直々に届けてくれた紅茶ラテを冷ますことなく、エレンは一口啜った。
熱いとか感じないのかな、と思っていると舌先を出して冷まし始めた。
ああ、やっぱり熱かったんだ。
「それでなんだけどエレン。 何か悩み事とかあったりする?」
「え、悩み事? えー……最近バイトが多いとか、でもそんな大したことないから平気」
「そうなの? 実はリナさんから、エレンが悩んでそう~って言われて、それで丁度近くにいたからお話しようかなって」
「ふーん……悩み、か」
頬杖をついて髪を指先で弄ぶ。
夕焼けに照らされたアンニュイな表情に、心拍が少し早まった。
一口飲んで落ち着こうとしたが、既にカップの中は空っぽ。
底に残った一滴だけが唇を湿らせただけで終わる。
「ちょっと……最近、食べ過ぎた、とかかな」
「あっ、じゃあもしかして」
「うん。 ちょっと……ね」
これは乙女に付きまとう問題だ。
確かに悩むし、浮かない顔になるし、お茶に誘われても悩む。
ちょっぴりロマンティックだった雰囲気が一瞬で木端微塵になり、暗い空気が立ち込める。
確かにそうだもんね、エレンって結構気にしてたもんね。
「ま、気にしなくていいから、どうせ"仕事"で沢山動くんだし」
「エレンってば、すごく強いもんね。 いっつも私助けて貰っちゃってるもん」
「……そう」
ぶっきらぼうにそっぽを向いてしまった。
風が殆どないというのに、尻尾が風に揺らめいているみたいで思わず視線で追ってしまう。
これじゃ、私はまるで猫みたいだ。
「私こそさ……リンに助けてもらってばっかだから。 だから、いつもありがと……」
「へ?」
「……なんでもない。 もう一回はダメだから」
「そうじゃなくって、ストレートに言うの珍しいからつい。 こちらこそいつもありがと、エレン」
そう言った途端、夕日でも分かるぐらいにエレンの頬が紅潮した。
まるでラテみたいに頭から湯気が出るかと思うほどで、尻尾がピンとこわばって、目をまん丸に見開く。
口を数度パクパクとしてから、ようやくただ開閉しただけだと気が付くとわざとらしい咳ばらいを一度、二度噛ました。
「あ、えと、わ、わたしそろそろ帰らないと。 あ、でもまだ飲み物残ってるじゃん……ぅ、あっつ!?」
「お、落ち着いて! ほら、ゆっくり、ゆっくりね!?」
「わ、分かってるってば……ずずっ……」
少しずつカップに口付けて啜っているうちに、少し落ち着いたのか頭を抱えて縮こまった。
何か余計な事言っちゃったのか心配になったが、ただちょっと外で言うにはお互い恥ずかしい事だった気もしてきた。
なんだかこっちまで顔が熱くなってきたような……。
「今日の事、忘れてっ。 ほんと、マジで……」
「う、うん。 二人の秘密ってことで」
「なにそれ……イイじゃん」
そうして夕日が落ち、一番星が水面に映った。