馬鹿みたいに長い独り言   作:ピックアップは嘘


原作:プロジェクトセカイ
タグ:オリ主
口から先に生まれてきた男の話です。

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これを書いたのは2023年なので、アレに関しては1期の話です。クスリときたら嬉しいな。


雄弁は銀、沈黙は金「

 今朝も雨が降っていてね、傘は重たいし、梅雨ってのはこれだからいけない。しかし君の部屋はカビが生えてないね。案外きれい好きなのかな? ……あれ、『この散らかり具合できれい好きな訳ないやろがーい』って言うべきところじゃないの? 君がツッコんでくれないと僕の美的センスが狂ってるみたいじゃないか。

 

 うん、分かるよ。その目、問いただしたいんだろ? どうして僕がここに居るのか。

 

 おっと、喋るんじゃないぜ。自分でも分かってるだろうが君は今声が出せない。正しくは……出しづらい。だが同じことだろう? 答えは結構、今の君はボディランゲージすら出来ないからね。大人しくしてな。尤も、もし声を出しても変わらないけどね。君の家族は僕を疑わない。知ってるだろ?

 

 それで、何だったかな、どうしてこんなところまで出向いたかだったね。理由は大きく二つだ。一つは僕が優しいこと。もう一つは君がやらかしたからだ。こうなるとは思っちゃいなかっただろうが、失敗は失敗。次があるとは思わないでほしいな。

 

 はは、警戒しているね。安心してくれよ、こういうことをするのは初めてじゃないんだ。たまたま、今回が君だったってだけでね。だからさほど苦しくはならないと思うよ? ああ、後悔してるのかい。そうだろうね、あんなとこ行かなきゃ良かった。関わらなきゃよかったってね。そう、君をあそこに連れて行ったのは僕だ。だから始末をつけるのも僕なんだ。残念で仕方ないよ。

 

 ……? おい、僕のこと見えてるかい? 駄目かな、意識が朦朧としている。瞳孔が開いてるし、汗が凄いな。クスリのせいだけじゃないか。それじゃ僕が話してたこと聞こえてなかったんだ……自販機で7777が揃った瞬間停電が起きてジュースが貰えなかった話も、君がやり残した仕事を僕が引き継いだらアイツに駄目だしされた愚痴も……君がクスリを不要な程多く接種しているという忠告も。

 

 全く、そんなものにかまけて仕事を放棄するなんて、僕の身にもなってほしいよ。

 

 まあいいや、文字通り身に染みて反省しているだろう。それで、そう、君に言っておきたいことがあったんだ。人はいつ死ぬかわからないという話さ。今の君は賛同してくれるだろう。

 

 僕がアニメ好きなのは知ってるね? それも原作至上主義の厄介オタクということも。うん、そうなんだ。僕は先日死んだ。尊死だ。

 

 君に関係ない話じゃないぜ? だからその重たい頭振り絞って聞いときな。あのね、『黒川あかね』しか勝たないね。うん。あーいう所謂ヒロイン枠に僕は厳しいんだよ。知っての通り。でもね、アレは良かったね……。すごく、良い……。エンディングの入りが最高。漫画買っちゃった。

 

 君は『推しの子』見てたっけ? 多分あんま見てないんだろうね。それじゃネタバレは控えておこうか。ネタバレは大罪だからね。じゃあ曲は聞いたことあるかな? 個人的にはエンディング曲も結構好きなんだけどオープニング以上には伸びてなくて残念なんだよ。MVも面白いから見て欲しいな。機会があればね。

 

 おっと、何が言いたいのかというと、君の服は地雷系だから辞めとけってことだよ。清楚だよ清楚。時代は役者系ヒロインなんだ。いや、実のところそんな気はしてた。オープニングで、お顔が映るでしょ? あそこから結構好きだった。でも僕は『人を顔で選ばない系オタク』っていう存在自体が矛盾した不安定な生き物だから、変に好きとか言えなかったんだ。ふ、ふーん、作画いいね。みたいな。……ああ、興味なさそうだね、『なんでそんな話を私に?』って顔してるね。違う違う。別に君じゃなくても良かったんだ。誰でもいいから共有したくてね。わかるだろう? しかし僕の周りには頭のおかしな人が多くて、話し相手がいないんだ。だから君みたいな意識の朦朧とした奴に話すんだ。気を遣った的外れの相槌を打たないし、否定もしてこないからね。

 

 おいおい、そんな目で見ないでくれよ、ああ、喉が渇いたのかな? そうだね、僕は今ブラックコーヒーとコーラを持ってる。あげないけどね、交互に飲むんだ。ゼリーならあげるよ。家のカブト虫にでもあげようかと思ったけど、どうも良くないみたいでね。仕方ないから君にあげよう。ほんとなら別の人にもあげる予定だったんだけど、まあいいか。彼女はゼリーっていうタイプでもなさそうだし。……誰のことか気になるかい? ふふふ、分かってるだろうが返事は聞いていないよ。といっても僕は話し上手ではないから、彼女の異常性を精密に伝えられないのが残念だ。そうだな、サカバンバスピスみたいな顔してるって言えばインターネット依存症の君には分かるか。それでいて運動能力が高いんだ。幼い頃に家の付き合いで一緒に遊ぶことがあったんだが、すごいよ、遊具の壁を登るんだ。ボルダリングの要領でね。ほんと、意味がわからない。

 

 この前もさ……

 

 

◇

 

 

 ……ああ、そろそろ目が覚めてきたみたいだ。僕のおかげだね。尤も、今は午前三時だから目を覚ます必要はこれっぽっちもないけどね。

 

 さて、そろそろ僕はお暇しようかな。用事は済ませたし、君の間抜けヅラも十分楽しめた。やっぱり君の面は悪くないね。人は顔じゃないけどね。

 

 ああ、言い忘れてたことがあった。なんか引っかかってると思ったらそれか、気になって会話に上手く意識が向かなかったよ。

 

 お大事に、東雲さん。ゼリーは置いておくし、あのクスリは食後に一錠だ。二錠は飲み過ぎ。いいね?

 

 

「…………」

 

 

 ……ん? なに? 何言おうとしてるか聞こえないよ。もっと大きく。

 

 ほら、頑張って、せーの?

 

 

「うっさい!!」

 

 




ただの供養なので続きません

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