ドクターとヒーローアカデミア   作:雑食性柑橘類

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別視点のお話書き上がりましたァ!


挿話

扉が勢いよく開けられ、紙束を抱えた教師が駆け込んでくる。

「筆記試験の結果出ました!今年は凄いですよ!特にこの子!」

先程まで実技試験の所感を話していた教師達が机に叩きつけられた紙束の1番上を覗き込んだ。

「なんだこれ、知能系個性か?」

「いや、その受験者は違ったはず...。」

「この訳をバチ当てで書いてくるのはただもんじゃねェな。」

例年は渾身の試験問題の正答率でザワつく職員室が、今はある答案に意識を持っていかれていた。

「見事に正答のみの満点だね。書き換えられた様子もないよ。」

机の上で答案を見つめていた校長が断言する。

「あ、ありましたよ願書と調査書!『個性』は...知能系ではなく創造系ですね。」

「どれどれ。あれ、この子実技試験で大分暴れてた受験者ですよ。」

 

横から覗いていた教師が口を挟んだ。

 

「丁度いいから、この子のポイントから見ていこうか。」

 

その校長の一声で実技試験の採点が始まった。

 

「圧巻だな。指揮能力もとても高い。能力だけなら並のヒーローも圧倒できるだろう。」

「『武器創造』...見たところ、召喚された半透明の人間達に意思は無いね。」

「多彩な攻撃方法とここまでの破壊力。人に向ける気は無いようですが...」

「野放しにしておくには危険ですね。」

「入試成績に問題はないんだ。そのあたりはヒーロー科でヒーローとしての心得を学んで貰おう。」

「いや、この最後の行動を見るにそこまで危険人物扱いしなくてもいいのでは?」

等と教師達による講評が飛び交う。

「問題はABどちらに分けるかだが...」

「Aで面倒みます。終了後にわざわざ瓦礫を迂回している。素の身体能力は低いと見ていいでしょう。暴走しても俺が消して終わりです。」

「異議なしだよ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

よくある間違いだった。何度この『個性』を恨んだかを忘れて、少しは報いる事が出来ると考えていた。俺が倒せたのは1ptが2体。そして2体目にトドメを刺すときに足を捻ってしまった。0ptが出現したとのアナウンスがあったが、襲ってくるロボットから逃げる事と痛みを耐える事で精一杯。

3ptロボットに追い回されていたところを運良く他の受験者の集団に遭遇し、スタート位置付近まで戻ろうとしたところだった。

 

「キャアアアアアアアア!」

 

弾かれるように振り返った時には、もうその腕が振り下ろされていた。

全てがスローモーションのようにゆっくりした世界で、落ちてくる腕を何も出来ずに眺めていた。しかし、その声だけが鮮明に聞こえた。

 

「【クオーラ】!」

 

声が言い終わるよりも速く、目の前に人が現れた。野球バットと盾を持った、この場にそぐわない格好に目がいったが、自分たちの頭上を見上げてすぐそこにある0ptの腕に、その人物が俺たちを助けてくれた事を理解した。

次の瞬間、0ptが水のような何かにまとわりつかれた。俺たちはその場で困惑するしかできなかったが、さっき0ptから守ってくれた人物から聞こえてきた声に、正気に戻って後退を始めた。

 

『この拘束も長くは持たない。その道路をまっすぐ進んだらスタート位置付近だ。そのあたりならロボットが少ないから、負傷者を連れて行ってくれ。』

「ありがとう。助かった。」

『どういたしまして。怪我が悪化しない事を祈ってるよ。』

 

結局ヒーロー科には落ちて、普通科で入学したけれど。今考えてみれば、あの安心感を与えられるヒーローになりたいという思いが明確になった1件だった。




これから挿話がちょこちょこ挟まります。
基本的に前話の別視点で、文章もとても少ないので飛ばしてもさほど問題はありません。他人からドクターがどう見えているかを書き、自分で解像度を上げるのが目的です。
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