ドクターとヒーローアカデミア   作:雑食性柑橘類

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「おい、もう昼休み終わるぞ。起きろって。」

「あ、あぁ。ありがとう。よくここがわかったね。わかりづらいベンチを選んだつもりだったのに。」

「この猫が案内してくれた。」

「ああミス、ありがとう。せっかくミス・クリスティーンが再会させてくれたんだ、自己紹介をしよう。私は城島療、好きに呼んでくれ。」

「心操人使。俺もどう呼んでくれても構わない。…あんた、俺のこと覚えてたんだな。」

「ふふっ。そういう君も覚えてるんじゃないか、心操。」

「当たり前だろ。おま...城島は命の恩人みたいなもんだし。それよりもう昼休みが終わる。戻らなくていいのか。」

「急いで戻るよ。起こしてくれてありがとう。」

 

ミス・クリスティーンはいつの間にか姿を消していた。

 

教室に戻るとピンク色の女子生徒、芦戸さんが元気に話しかけてきた。

 

「あ、城島!ヒーロー基礎学の時間に居なかったけど大丈夫だった?体調不良?」

「体調不良ではないよ、大丈夫。私の『個性』は武器を召喚するものなのだけれど、いきなり戦闘は自分も危ないからって先生と一緒に使用できる武器を選んでいたんだ。」

「そうなんだ!あ、オールマイトの授業だったんだけどね!登場からすごかったんだよ!あとは爆豪と緑谷がチョー派手に戦ったり〜!」

「それは見れなかったのが惜しいなぁ。次の戦闘訓練は出られるから、私も頑張らないとだ。」

 

全員の個性がわからないし、放課後に相澤先生に記録がないかきいてみた。

 

「確かにあるが…貸し出しはできないから見てから帰れ。職員室のテレビで流してやる。」

「ありがとうございます。」

「確か将来は個性の研究がしたいんだったか。それでなんでヒーロー科にしたんだ。」

「実は敵の撃退経験がありまして。」

「あぁ。あれも一概に非合理とは言えんのがな…。」

 

相澤先生も何か思うところがあるのか、げんなりした様子だ。

 

「何か発見はあったか。」

「爆豪君は基本ロスが少ないですね。長時間になるとパフォーマンスが落ちるのか、それとも単に因縁のためなのか短期決戦で終わらせたがっているように見えます。緑谷君の『個性』はまだ模索中のようですが、反動が確定しているタイプなのでしょうか。麗日さんの酔いはなぜ起きるのでしょう。飯田君の足はただの疲労か金属疲労か。」

「検証したいことは?」

「爆豪君は全身に爆破耐性があるんでしょうか、あ。」

「全く、外で言うんじゃないぞ。」

「はい…」

 

それからも相澤先生と話しながら全員分の記録映像を観たら、夢中になっていたのか帰るのがとても遅くなってしまった。

 

 

「今日は学級委員長を決めてもらう。」

「学校っぽいのキター!」

 

朝から元気だなぁ。

学級委員長ね...私はなる気もないし、八百万さんとかでいいか。

同数になったので、じゃんけんで勝った緑谷君が委員長になった。

 

さて、また昼食だ。こっちに来てから食事を抜くことが少なくなったので、ずっと食べてるような気がしてくる。

食堂の席は雄英の生徒数に比べてとても少なく、大人数のグループでなければいつも知らない人と隣で詰めて座るのが普通だ。

だから男子生徒が席を求めて近づいてくること自体はいつもの事である。

 

「ここ空いてますか?」

「はい、空いていますよ。どうぞ。」

「ありがとうございます。もしかして、1-Aの人ですか?」

「はい。どうかしましたか?クラスメイトに取り次ぐ位はできますが。」

「僕、1-Bの物間寧人って言います。ヒーロー科としてお互い頑張りましょう。」

 

テラでよく見た。上手く隠して笑っているが、微塵もそんなこと思ってない顔だ。

 

「私は城島療です、よろしくお願いします。ですが握手はもう少し自然に求めた方がいい。変に力んでいますよ。あと私の個性は脳に大きな負荷がかかりますから、決してお薦めしません。」

「へぇ、僕の個性も知ってるんだ。」

「えぇ。希少な『個性』の情報は早く回ります。お互い判断は容易でしたよね。」

「僕が聞いたのはすごい『個性』ってだけだよ。僕だけ詳細まで知られてるのはアンフェアじゃないか。君の個性も教えてくれよ。」

 

丁度いいか。コピーならば指揮能力も必要だろう。

 

「【グラベル】。彼と握手を。」

「誰?まあよろしく...。」

「では個性の発動をしてみて下さい。」

「君さっきはおすすめしないとか言ってただろ!?」

「教える代わりに、実験に協力させようと思って。グラベル1人分のデータならまだ耐えれるだろ。」

「君だんだん口が悪くなってないかい?さっきのは猫被りだったわけ?」

「過剰に恭しく接してただけさ。それで個性の方は?」

 

彼は個性を発動して、その手に現れた武器を困惑しながら見つめている。

 

「...これは、どういうことだい?この武器が出現しただけかと思ったら、よく手に馴染むし、振り方までわかる。」

「ふむ...そういう適応のされ方なのか。ありがとう。」

「なんだか奇妙な感覚だった。普通は経験までコピーはされないのに。」

 

そこを警報が劈いた。皆が一斉に避難するが私達は眺めるだけ。

報道者が雄英バリアーを踏み越えたのが窓から見えた。

 

「みんなあっちに向かったね。」

「君は行かないわけ?侵入者がいるらしいけど。」

「外を見なよ。センサーが反応したのは報道者達だ。」

 

階段側に人が集中した食堂の席を立つ。

 

「本当だ...。あれ、どこ行くんだい。」

「もし、これが敵の侵入なら。何が狙いだろうか。」

 

目的地へ歩く。ひとりでは不安なのか、物間くんもついてくる。

 

「そりゃあ、生徒の殺害とか?ちょうどよくマスコミもいてすぐ広まるだろうし。」

「そうだね。でも、ここはプロヒーローの巣窟とも言える場所だ。オールマイトもいて、見つかったら終わり。見つからないような人数や『個性』で来るとしたら、正面戦闘ではない。だからと言って殺傷が目的ならもう犠牲は出ている。ならば今回報道者はそういう使い方ではない。」

「本当にどこ向かって...!」

「故に、ここさ。」

「印刷室?ここに何が」

 

開け放って彼らを呼ぶ。

 

「【シーン】【ファントム】」

 

印刷室には誰もいなかった。しかし紙の散乱など、確かに荒らされた形跡があった。

 

「あれ、誰もいないね。まだいると思ったのに。」

「本当に何でここに?」

「ここでカリキュラムでも盗んで後日襲撃とかあると思うんだよ。」

「いや、なんでそんな発想がでるんだよ。」

「...秘密。」

 

やったこともやられたこともあるなんて言えない。

 

「なんにせよ、荒らされてはいるんだ。備えておくに越したことはないね。今から情報収集するくらいB組が好きなんだったら、君が守りなよ。」

 

騒動が落ち着いて、教室に戻ると委員長が緑谷君から飯田君になっていた。...八百万さんは?




感想や評価、お気に入り登録などありがとうございます。書き溜めなどはなく、リアルタイムで書いているのでご容赦ください。

お察しの通り心操くんと物間くんに少々テコ入れします。
人選理由は指揮能力があると伸びそうだからです。
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