ドクターとヒーローアカデミア   作:雑食性柑橘類

7 / 13
1-3

それから1週間。

私も参加許可されたヒーロー基礎学の授業がやってきた。

着替えて集合場所に行くと、皆が疑問符を浮かべながら見てくる。あれ、警戒されてる?

 

「私だよ。そんなに分からないものかな?」

「露出ゼロで分かるわけねーだろ!」「声も出さないしさぁ!」

 

息のあったツッコミをされてしまった。

 

「城島のコスチューム動きづらくない?」

「色々な機能が着いてるんだ。」

 

そもそも皆みたいに動けないからね。

本物のロドスの服には手首にバイタルを計測する機械が付いているが、こっちにはスタンガンが付いていたりする。あとはヘルメット内部を防音にできるようにしてもらった。

 

 

バスに乗る前に飯田君が張り切ったり、バスの中で爆豪君がキレたりしながら今日の演習場に着いた。

USJが何かはわからなかったが、PRTSによると大型娯楽施設と同じ名前ということらしい。

 

「君たちの力は人を傷つける為にあるのではない。救ける為にあるのだと心得て帰って下さいな。」

 

ここはロドスではないし、テラでもない。敵は差別を前に蜂起した感染者ではない。綺麗事が通用する世界ならその方がいい。

まあ敵を倒すだけでなく災害からの救助もヒーローの本分だってことを言ってるんだろうけど。

 

13号先生の話が終わって拍手が巻き起こる中、いきなり相澤先生が叫んだ。視線の先を追うと、広場に北方の悪魔に似た黒が滲み出ていた。

 

『ドクター、アレはクレイズセオンではありません。おそらくはワープの『個性』です。ですから叩き潰し方を延々とシュミレーションするのはやめてください。データ削除が追いつきません。』

「一瞬見えるともうそれにしか見えなくなってきた。」

 

「城島、命を守ることに専念しろ。それを条件に制限を解除する。」

 

そう言って相澤先生は向かっていってしまった。

先生には申し訳ないが、やらなくてはいけないことがある。

特にあの今出てきた黒いパスファインダーは絶対に討伐しなければならない。

どこからどうやって連れてきたかは知らないが、学習した恐魚を群れに戻してはいけない。

 

「PRTS。」

『はい、通信状況は良好です。外部通信機器への干渉は妨害されていますが、ニューラルネットワークの妨害はできないようです。』

 

他の人も外部への通信ができないようだった。

 

「皆さん早く!逃げましょう!」

 

全員で入口に向かって走る。

あと少しで外に出られそうだったところを黒に取り囲まれた。

どこに飛ばされるかはわからないが、理性はMAXだからどうにでもなる。

 

「散らして嬲り殺す。」

 

子供達の殺害が目的か。しかし殺させるわけにはいかない。

 

浮遊感を感じながら黒にのまれた。

 

 

落とされた先は炎が燻る火災ゾーンだった。

何度も見た光景だ。

 

「逃げ惑う群衆を幻視する。嫌な場所だ。争いの跡はいつもこうだった。」

 

誰かが近付いてきた。一瞬敵かと身構えたが尾白君だった。

 

「城島!お前もここか!」

「尾白君!怪我はしてない?」

「俺は大丈夫。でも火のせいでどこにもいけなくてな。」

「わかった。【ショウ】、火を弱めてくれ。」

「便利だな。っと、敵に気付かれたか。」

 

寄ってきた敵は尾白君が圧倒した。私も火のついた木片などを投げて援護してみたが、意味があったかはわからない。

尾を攻撃に使えるほど発達しているのは先民でもヴィーヴルの一部しかいないので、彼の戦い方はとても珍しかった。

 

「丈夫な縄を見つけてきたよ。これで縛っておこう。」

「ありがとな。広場はあっちの方だった、まだ先生が戦ってるっぽい。」

「水難ゾーンはさっき緑谷君の雄叫びと水柱が上がってから静かだから収束したようだし、山岳ゾーンに行ってみようか。」

 

山岳ゾーンでの戦いは、ちょうど終わったところらしい。フラフラ歩いている上鳴君を耳郎さんと八百万さんが捕まえている。

 

「あら、尾白さんに城島さん!お二人もここにとばされていらしたのですか?」

「いや、俺らは隣の火災ゾーンにとばされてな。ずっと燃えてて危ないから、周りの敵を倒してすぐにこっちに来たんだ。」

 

ここから広場は…見えるな。

 

「【アンセル】、みんなの治療を頼んだ。」

「治癒もできるのか。」

「できるけど、他の治癒『個性』と違って一時的な物に過ぎない。3時間で元に戻ると思ってくれ。あと上鳴君のその状態も治せない。」

『ドクター、入口付近にいたはずの飯田君がいません。13号先生も倒れています。』

「…飯田君は脱出できたと思おう。13号先生も周りのみんなが応急処置をしてい「相澤先生が‼︎」

 

八百万さんの声に、咄嗟に広場を見ると、相澤先生がパスファインダーに押さえつけられていた。

そして腕を折られる。いつのまにかいたクレイズセオンと何か話しているのか、手の敵がイラつき始めたようだ。

ヘルメット内部を防音にしてPRTSと話す。

 

『ドクター、ここからでは誰も届きません。』

「ゴールデングロー」

『ドクター、ゴールデングローは殺傷性が高いとご自分で禁止されていたはずです。』

「人が死ぬかもしれない。恐魚は群れに帰してはいけない。サーミの悪魔を潰す。」

『ドクター。あれは絶対にクレイズセオンではありませんし、あれがパスファインダーである確証はありません。ただの人間かもしれないのですよ。』

「…ごめんどうかしてた。でもどうにか、相澤先生を助けられないか。」

 

リーダー格らしい手の敵が動きを止める。

内部防音を切って治療の終わったみんなに話しかける。

 

「どうしようか。」

「相澤先生は大丈夫そう?」

「わかりませんわ。袋叩きの状態は変わりませんし。」

「急に止まってどうしたんだろう。不気味。」

「水難ゾーンの方を見てる…まずい、あそこに緑谷達がいる!」

 

一瞬で蛙吹さんの前に移動した手の敵に緑谷君が殴りかかるが、相澤先生を抑えていた筈の敵に受け止められていた。

 

突然、入口から破壊音が聞こえた。

土煙の中から現れたのはオールマイト。

周りのみんなが安心したのを感じた。




GGちゃんやムリ叔父を許すと殺戮になるので対人戦出禁です。

恐魚や悪魔への殺意は全世界のプレイヤーから怪電波を受信してる。

治療は「デメリットなしで全回復」が強すぎて多様してしまうので制限。
その代わりにオペレーター達がつけた傷なら完璧な治療が可能。

勝利の為には犠牲を厭わない(記憶喪失前末期)→命第一だがどうにか勝利をもぎ取る(記憶喪失後)が変に混ざってある程度知っている人の戦死が地雷のドクター。試行回数と脳の負担が前までの比じゃないし、本当に完璧に成し遂げるのできっとWやエンカクに気味悪がられてる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。