「城島さん。相澤先生の応急処置に行ってください。他のゾーンにいるクラスメイトは私達で探します。」
「でも、」
「自分では気づいてないだろうけど、さっきから誰かが怪我する度に挙動不審だよ。」
「見たところヤバいのはあいつらだけだ。この人数ならいけるよ。」
「...わかった。任せてくれ。」
彼らから離れるのは不安だが、信じよう。
みんなで山岳ゾーンを降りて、私だけ広場に向かった。
相澤先生を運んでいる緑谷君達に向かって走る。
「緑谷君!蛙水さん!峰田君!待って!」
「お前無事だったのか!」
「城島君!?大丈夫だった!?」
「良かった。城島ちゃんも無事だったのね。」
「はぁっはぁっふーっ...相澤先生と3人の応急処置をするよ。」
「できるの!?ありがとう!」
「【アンセル】相澤先生をお願い。3人とも怪我のあるところ見せて。」
緑谷君だけ左手が粉砕骨折の重症で、他の2人はかすり傷だった。
「包帯?これも個性由来なの?」
「その辺は後で。今わかっていないといけないのは、これは応急処置に過ぎなくて、あと3時間もすれば処置前の状態に戻るってこと。あとその状態で無理したら壊死するからね。」
「僕、オールマイトのところに戻るよ。」
「何言ってんだよ!今無理したらダメだって言われたばっかりだろ緑谷!」
「でも、僕にはまだできることが残ってる。」
「...死なないなら文句はない。さ、早く相澤先生を連れて13号先生のところに合流しよう。」
「気をつけて、緑谷ちゃん。」
「うん!」
緑谷君と別れて、相澤先生を背負って入口へ向かう。私はさっき走ったことでもうヘトヘトだった。
オールマイトの戦闘音を聞きながら13号先生の元につく。
「これで3時間は大丈夫。アンセル、ここで待機して尾白君達の治療もお願い。」
「良かった〜!」
「13号先生に『尾白君達がそれぞれのゾーンに散らされたみんなを集めながらここに来る』って伝えてくれ。」
「ケロッ...行くの?」
「大丈夫、絶対に誰も死なせない。」
そう言って走ってるのはいいんだけど!どうにも遠い!ああもう轟君とかついてる!
戦力がどれだけ必要になるか分からない以上、ここでグレイディーアは出したくない!
「まずは出入口の奪還だ。脳無、行け。」
まずい!
「【サリア】ァ!!!!」
間一髪サリアが爆豪君とオールマイトを庇えたが、黒は取られてしまった。
「なんだよお前...!?オールマイトでもぶっ飛ぶレベルの力をそんな盾1枚で...!」
「あれは!城島君!」
「カヒュー...カヒュー...」
「死にかけてる!?」
「おい、大丈夫か。」
「ケホッ。な、なんとか。サリア、爆豪君とこっちに!」
走った上に大声出したから喉が…。しかし、オールマイトごと庇えたのは大きい。
「ショック無効ではなく吸収なら、それを上回れば良い!」
オールマイトのラッシュが始まり、みんなごとサリアに余波から庇ってもらう。
私はサリアに掴まってないと吹き飛ばされそうなほどの衝撃だった。
脳無とかいう敵は殴り飛ばされてUSJを突き破った。
脳無を失った敵は仕掛けてこなくなった。
「オールマイトに任せて撤退しよう。サリア、一応だが殿を頼む。」
緑谷君がぼーっとオールマイトを見ながら動かない。声をかけようとした瞬間、黒の敵に向かって跳んでいってしまった。黒はワープゲートだ。最悪オールマイトを攻撃してしまう。
しかし緑谷君が殴る前にワープゲートから手が出てきて緑谷君を掴もうとし、さらにその手が撃たれた。
雄英のプロヒーローが到着したのだ。
敵は不穏な台詞を吐いて撤退した。
『ドクター、オールマイトが3%ほど縮小しています。』
「えぇ?スキル終了したとかかな。」
『尾白隊がプロヒーローと合流しました。負傷者はいないようです。』
「良かった。じゃあアンセルのスピーカーと繋いで。」
負傷者の報告のためオールマイトと緑谷君の方に近づくと緑谷君が凄く焦ってる。
無理したの怒られると思ってるのかな?
『接続完了。』
「こっちの負傷者とかでいいか。『先生方。こちら広場奥のオールマイト隊です。総数6名中重症が2名。緑谷が左手と両足の粉砕骨折。オールマイトが、あー...アンセル先生達の方に寄って。20%縮小しています。動かせないので救援をお願いします。』よし【アンセル】【サリア】撤退。」
「じょ、城島君...このことは、」
「察した。何も聴かないよ。聴いたところで何もできない。隠蔽に協力するのも今回だけ。ああ、口外しないことは約束しよう。」
「城島ー!2人は大丈夫かー!?」
「切島君ー!私達も撤退しよう!オールマイトと緑谷君は私達が動かすと悪化しそうだ!」
「おーう!わかったぜー!」
「じゃあ、2人ともお大事に。」
興味はあるが、あの超パワーを解析した所でテラに帰れる訳では無い。
撤退中、爆豪君も轟君もショックを受けたかのようにずっとうわの空だった。