人間を謳歌せよ if/没小話   作:雲間

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前に書いていたので勿体無い精神で上げましたが、今だとすごい解釈違いな話になりました。


25話からの分岐if /ビターエンド

 

 目が覚めたら全てが終わっていた。

 

 花京院は「法皇の結界」で DIOのスタンド能力を暴いたが、文字通り死ぬ攻撃を腹に受け、最後の力を振り絞って時計を攻撃して意識を失った……死んだはずだった。

 それなのに清潔なベッドの上で目を覚まし、思わず手を腹に乗せたが、入院着越しに自分の肉体の感触が伝わってくる。痛みも何もなく、そもそも攻撃を受けたことなどなかったかのようだ。一瞬、夢だったのかと思ったが、近くには花京院の目覚めを待ってくれていたらしいジョセフと承太郎の姿があった。

 

「……起きたか」

「花京院! 良かった……。本当に、良かった……」

 

 承太郎は帽子の唾をグッと引き下げ、ジョセフは心底安心したと言わんばかりに安堵のため息をついてから、目尻に涙を浮かべつつ花京院の肩をバシバシと叩く。

 

「承太郎、ジョースターさん! あなた方が無事だということは、DIOは……」

「勿論倒したぞ! お前のお陰じゃ、花京院」

 

 ジョセフは花京院の手をがっしりと握り、心の奥底からの感謝の言葉を述べ、花京院が気を失っていた間のことを語ってくれた。

 DIOは承太郎によって倒され、肉体は太陽に晒されて完全消滅。共闘していたジョセフも、ポルナレフも、アヴドゥルも、イギーも、満身創痍ではあるが命に別状はなかったという。

 だが、そこに一番死ななそうな1人の名前が出てこなかった。

 

「あの、リヴィンは……」

「……人間になりたいと、言っていたじゃろう」

「……ええ。ですが、なりたいか分からないとも言っていました」

 

 何故急にそんな話になったのか、最初は理解できなかった。だが、自分が何故生きているのかを考えた時、ジョセフが告げた言葉と繋がってしまった。どうやったのかなんて分からないが、やろうと思ってできてしまったのだろう。

 入院着を乱暴に捲り、空いていたはずの腹をその眼で見る。

 穴があった事実など存在していない。そうとしかいえない見慣れた腹が花京院の瞳に映った。

 

 ここに、リヴィンが。

 

「……こんな、こんなのッ、勝手すぎる! 勝手すぎるぞリヴィンッ!!」

 

 両の手のひらを腹に当ててうずくまる。ただの腹だ。なんの変哲もない、普通の腹。普通であることが悔しすぎて、強く掴んでみても自分が痛みを感じるだけだった。

 

「骨を、君の手で帰すんじゃなかったのか!? 一番大切なのはそこだったんだろう!?」

 

 返答などなにもない。ただ花京院が叫ぶ声だけが室内に響く。承太郎もジョセフも、沈痛な面持ちで佇んでいるだけだった。

 

 終わっていた、全てが。もう、元に戻ることはない。

 

 




⚪︎リヴィンの花京院への好感度『だけ』が高すぎる場合
→全力で花京院を生かす方向にだけ振り切り、そのまま花京院の一部となって消滅する。人間の細胞となるだけなので、花京院自身が人外になることはない。ただ花京院が一生の後悔を背負うだけ。リヴィンは『人間になれました』。
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