転生に関すること以外のすべてを話し始めた。
【私が気づいたときには、知らない場所で目が覚めたの。そこからひたすらに進んで、途中スケルトンと戦ったりしました。】
思い出すように話しているとなぜなのか、心が少し楽になるように感じた。
【オルトロスと戦い、ダンジョンを攻略したりしました。途中死にそうになりましたがどうにか生き抜いて、今に至ります。そういえばダンジョンで人助けとかもしたような気がしまします。】
そうしてすべてを語り切った。
そうするとハナに抱きしめられた。
「一人でよくがんばりました。」
その一言がすんなりと心に落ちてきた。
今までは一人だった。
何をするにも一人。
一人で歩いて、経験もない戦いをして、ダンジョンを攻略して。
なんともないように振舞っていたけど。
けれど、怖くて、寂しくて、苦しかった。
それでも私はそれに背を向けて考えないようにしていた。
どんなに怖くて泣きそうになっても我慢していた。
だからなのか、こんななんともない言葉だったのに、なぜか……なぜか救われたような気がした。
だからなのか、出るはずのない涙が流れているように感じたのも、気のせいなはず。
そう、気のせいのはずなんだ。
あたりはとても静かで、木は風で音を鳴らし、虫は鳴いている。
私はそんな状況にとても安心した。
転生してから初めて感じるぬくもりと静けさに、今はただもう少しだけこの状況が続けばいいと思っていた。
〜〜ハナ視点〜〜
そのスケルトンは泣いていたんだと思う。
始めてみた時もそう。何か寂しげでそして悲しげだった。
そして話してくれた内容で納得した。
スケルトン。いや、彼女は怖かったんだ。
誰にも頼れず、一人でただただ生き続けた。
そしてその恐怖を押し込んでいたんだと思う。
だからなのか、彼女は私の腕の中で震えている。
涙は出ていないし声も出ていないけど。
彼女は確かに泣いているんだと思う。
私はそっと彼女の頭をなでるのであった。
そっと優しくなでた。
彼女の頭は固くてごつごつしていた。
そのことに心が締め付けられる。
私たちとそう歳は離れていない彼女は魔物になってしまった。
それはどんなに不安だったのだろうか。
それなのに彼女はそんな素振りを見せなかった。
自分自身をだましていた。
その事実を再認識して私も悲しくなる。
そして決意した。
「彼女を一人にしない。」っと。
そのためには何でもしよう。
なぜなら彼女は私の大切な人で、かけがえのない人だから。
私は心の微笑むのであった。