カミキヒカルアナザールート   作:だめねこ

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第113話

 気が付けば既に空は暗くなり始めていた。

 鉄板の上には既に食材は無く、みんな満足そうにしていた。

 

「うし! じゃあそろそろ良い時間になって来たし片付けるとするか!」

「……では鉄板は重いので上原パイセンお願いしますね。私は飯盒とか洗って来ます」

「おう」

「じゃあ、私はごみ回収しておくわ」

「お願いします」

 

 さっきまで馬鹿みたいに酒を飲んでいた3人の大人達はそう言うとすぐさま立ち上がり行動に移した。

 恐ろしい事に足取りはしっかりしており、酔っぱらってるようにはまるで見えない。

 

「俺達も片付け手伝うぞ」

「そ、そうだね」

「私はゴミ袋持ってくる」

「燃えない方も持って来てね」

 

 それからは各自で出来る事を進んで行い片付けはすぐさま終わった。

 

 

 

 そして、今コテージ内では……

 

「部屋割りそう言えば決めて無かったわね?」

「どうしますか?」

 

 部屋自体は困った事に3部屋しか無い……。

 

「ではパイセン達二人でまず1部屋ですね」

「まぁーそうなるな」

「わかったわ。……今夜は寝かせ無いわよダーリン」

「愛してるぜハニー」

 

 まるで付き合いたてのバカップルの様な事を言い始めた二人。

 チラリと大輝さんを見るとあくびをかみ殺している所から、あれが上原家の日常風景なのかもしれない。

 

「燃え上がり過ぎてダウンされると困るので、しっかり寝てくださいね?」

「……冗談だ」

「私は冗談じゃ無いけれど……?」

「愛梨パイセン?」

「……自重します」

 

 父さんから圧を感じたのか二人は大人しくなったが……それなら同じ部屋にしない方が良いんじゃないかな?

 

「じゃあ後は私はリビングで寝ますので、アクアと大輝君の二人部屋とかなと黒川さんの2人部屋で良いですか?」

「僕は良いけど……」

「いや……あかねと一緒の部屋とか襲われる気しかしないんだけど!?」

「わ……私はそんなことしないもん! ちょっと間違えて一緒のベットに寝て、そのまま抱き着いちゃう事は可能性としては無きにしも非ずだけど、決して故意では無くて事故……ううん。偶然そう言った過ちは有るかもしれないけれど……」

「それを言ってる段階でアウトなのよ!?」

 

 騒ぐ有馬と黒川さんの事は置いといて……

 そもそも各部屋にはベットが二つしか無いから手狭になるが、そもそも父さん身長低いから問題無いと思うけど……っとそこまで考えて、ある事に気が付いた。

 僕と大輝さんは身長が既に父さんより高いからどっちのベットで寝るにしても下手に寝返りをすれば潰れてしまう可能性があるのだ。

 それを考慮してしまうと僕と大輝さんの部屋は無理だし、有馬と黒川さんの部屋に父さんを入れるのはそれはそれで問題だし、黒川さんが有馬と間違えて父さん抱き着いて寝ていた事が万が一ニノさんやカナンさんにバレてしまった場合……僕が詰められる可能性がある。

 ……これは中々難しい問題だ。

 

「兄さんはリビングで大丈夫なの?」

 

 大輝さんは父さんに確認の意味を込めて再度問いただしたが……

 

「雨風しのげて屋根も有るし、ソファーもふかふかで毛布もあるので問題無いですね。まー夏なので風邪をひく事は無いでしょうし……」

 

 あれ? 父さんって現代人だよな? ホームレスみたいな事言い始めたけど……

 僕が可笑しいのかみんなの表情を見回して見ると全員がドン引きしていた。

 何処度無く父さんの感性はおかしい

 

「……じゃあカミキは悪いけどリビングで決定だ」

「勿論です」

 

 こうして、父さんはリビングで寝る事が決まった。

 

「じゃあ、後はお風呂ですけど……どうしますか?」

「先に女性から入って貰った男は後で良いだろ?」

「良いの?」

「じゃあかなちゃん一緒に入ろ? 背中流してあげるからさ♪」

「……逆に身の危険を感じるだけど?」

「私があかねちゃんを見張ってるから安心しなさい」

「愛梨さん……本当にお願いします」

 

 浴室は広いし三人ぐらいは余裕だけど……

 

「一人づつだと時間がかかるので私は上原パイセンと一緒に入りますよ」

「おっ……嬉しい事言ってくれるじゃないの! じゃあ俺がカミキの背中流してやろう」

「良いんですか?」

「おう」

 

 それにしても……上原さんと父さんは仲が良いな。

 

「あの二人なんであんなに仲良いんだろう?」

「まー長い付き合いだからとしか言えないな……あと一応言っておくけど俺は一人で入るからな?」

「いや……僕も一人で入るし!」

 

 流石に大輝さんと一緒にお風呂に入るのはハードルが高い

 

「じゃあ先兄さんと親父が出たら次は俺が入るぞ」

「僕が最後か……」

 

 こればかりは争っても仕方ないし、最後ならゆっくり入って居られるから前向きに考えるとしよう。

 

 とは言え……女性陣のお風呂が中々長く、父さんと上原さんペアと大輝さんもそこそこの時間入っていたので、僕が入ったのはそれから2時間後だった。

 

 

 一人湯船に浸かって考えるのは……先ほど見た湯上りの女性陣の姿だった。

 3人共夏って事もあるからラフな格好だし、見慣れてる筈の有馬ですら……いや、こういうキャンプでの泊りの所為でドキッとさせられるし、それが初対面の黒川さんや人妻の姫川さんだと、猶更目の保……いや、目の毒だな。うん……

 流石にそんな目で見るのは上原さん大輝さん父さんに申し訳ないから……意識しないように努めているものの……脳裏に浮かんでしまうのは男だから仕方が無い事なのだ。

 

 中学1年の夏は小学生の時違い中々刺激的であった。

 

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