カミキヒカルアナザールート   作:だめねこ

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第118話

 夏の軽井沢でしかも観光地となれば当然大勢の人が居てもおかしくない。

 そこに芸能人が居れば当然の如く……

 

「あっ上原兄貴だ!」

「上原さん頑張ってください」

「バカヤロー!上原兄貴だろうが!」

「すっすいません!」

 

 上原さんはなんかヤバめの人達に慕われているけど……

 

「きゃ~♡大女優の姫川さんだー」

「生で見る大輝さんもカッコいい」

 

 姫川さんと大輝さんは普通に慕われていた。

 僕も知名度は上がっているものの、姫川さんや大輝さんの様に名前で呼ばれる程でないのが現状だ。

 しかし、いずれは姫川さんや大輝さんの様に呼ばれてやると心に誓った。

 

 父さんは……基本脇役ばっかりなのであんまり前に立つことは無いからこういう場合声援は無いけど、上原さん達の事をどう思っているんだろう?

 やっぱり悔しい気持ちもあるのだろうか?

 そう思い父さんの方を見ると……

 

「ねぇねぇ君可愛いね~どこから来たの?」

「東京からだよ? お姉さんたちは?」

「え~? うちらも東京なんだ~」

「そうなの? じゃあ観光で来た感じ?」

「そうそう二人で卒業旅行でこっちに来たんだぁ~」

 

 女子大生と思われる2人に逆ナンされていた。

 そして、有馬と黒川さんといえば……二人とも可愛らしいのでナンパされてもおかしくないのだが……上原さんの近くに居る為、逆に声をかけれる人が居なかった。

 

 

 10分後……

 

「じゃあ今度は東京で会おうね」

「うん♡」

「絶対連絡してよね♡ちゅ」

 

 会話内容を聞いてたわけでは無いけれど……父さんは別れ際に電話番号とキスをされていた。

 

「……相変わらずの逆ナン率だなカミキは……」

「ふふっ……良い男はモテる! これが真理よ大輝」

「いや、俺も兄さん程では無いけど学校ではモテてるんだぞ」

「そうなのか大輝? だったら一度くらい遊びに連れて来ても良いんだぞ?」

「そうよ大輝遠慮する事なんて無いわ」

「いや……流石にスキャンダルになるだろう?」

「おいおい、大輝そんな事言ってたら彼女とデートなんて出来ないぞ?」

「そうよ! スキャンダルなんて気にせず若者は若者らしく……ちょっと位悪い事したって罰は当たらないわよ」

 

 いや……流石にそれはオープン過ぎるでしょ!?

 確かに大輝さんは役者なので、女性と遊んでいたところでスキャンダルにはならないかもだが……イメージダウンは避けられないじゃん!

 

「に……兄さんはどう思う?」

 

 大輝さんはそう言うと父さんに意見を求めた。

 この手の話題で言えば人選ミスであると僕は思うが……それはそれとして父さんの考えは気になるのだ。

 

「今は兎も角……昔は一人暮らしでしたし、結構遊んではいましたが……幸い知名度はありませんでしたのでスキャンダルにはなりませんでしたね」

「ああ……確かに兄さんはギャラの割りに知名度は少ないな」

 

 大輝さんは納得言ったようだ。

 父さんが主役をやりたがらない理由の一つが何となく分かった気がする。

 

 後それとは別にしてそもそもの話……父さんはお金への執着があまり無い様な気がする。

 基本は節約志向ではあるものの、必要であれば高額のパソコンをカナンさんにおねだりされたとは言え買ってあげる位の器量はある。

 ギャンブル嫌いではあるものの……やれば必ず勝つほどに強く、それこそ役者なんて辞めてギャンブルだけで生活出来る程稼いだ事もあった。

 しかし、そのお金は個人的な物には一切使って無いらしく、有馬の為に使ったとの事

 

 車に関しては……バイクも入れれば3台所有しており、自動車はどちらもベンツだったけど……なんでそう言えばベンツを購入したんだろう?

 僕も車に詳しい訳では無いけれど……もっと安い車だってあった筈だ。

 

「そうだ……カミキさんはなんでベンツのVクラス買ったんですか?」

「ああ、それはですね。車内やシートが広くて快適だからですね。 ヴェルファイアやハイエースなんかも良いのですけど……車で旅行に行くのなら荷物もいっぱい入って尚且つ快適な空間を過ごせるのが一番ですから、金額に糸目は付けませんよ」

 

 快適に過ごす為には努力を惜しまない。

 確かに父さんはそう言った努力は決して疎かにしない。

 だからこそ、父さんの家は物凄く居心地が良いというか……人をだめにする甘い空間なのだ。

 まーそれはニノさんの所為でもあるんだけど……

 

 そんな事を考えつつも観光名所をみんなで回り、途中で食事をしたり……父さんがナンパされたりと色々あったが……それはそれとして名所周りは思った以上に楽しかった。

 やたらと父さんが僕と写真を撮っていたのが気になったが……それは夜遅くに分かった。

 

 

 

 

「それでは夕食の準備してますから、皆さんは先にお風呂に入ってくださいね」

 

 父さんはそう言うとエプロンを身に纏い、髪の毛も後ろに束ねて早速夕食の準備に取り掛かろうとした。

 

「カミキさん私も手伝います」

「良いんですか? お疲れでしょうし休んで頂いても大丈夫ですよ?」

「いえいえ、私も何かしたいんです」

「分かりました。では一緒に作りましょうか?」

「ハイ」

 

 黒川さんはそういう父さんと共にキッチンに行ってしまった。

 

「青春だなぁ~」

「若い二人がキッチンで一緒に料理を作る……こういうの! こういうのが良いのよ! こういう……何て言うか甘酸っぱい『東京ラブストーリー』みたいなベッタベタな恋愛ものがたまらなく好きだわ」

 

 姫川さんは小声でキャーキャー嬉しそうに言っているが……

 

「ちなみに火サスとどっちが好きですか?」

 

 有馬余計な事を言うな!

 

「うっ……恋愛……いえ、火サス……うぅ……酷いわかなちゃん……どっちも選べるハズないじゃない! 私テレビっ子なのよ!」

「……ええ~」

 

 一体姫川さんにどんな葛藤があるのか分からないが……果たしてそこまで迷う程の物なのだろうか?

 

「アクア……女性は何時だって恋愛とサスペンスが好きな生き物だからな」

「そうなんですか上原さん?」

「おう、間違いないぞ」

 

 上原さんはそう言いながらお酒に手を伸ばし始めた。

 

「アクア……父さんの言ってる事は話半分で聞くのが丁度良いから真に受けるな」

 

 大輝さんから真顔で注意されたが……上原さんは気にした様子も無く美味しそうにグビグビ何でいるが……結構ペース早い気がする。

 

「カミキぃーなんかおつまみあるか?」

「あっ……今持って来ます」

「おう」

 

 そう言うと父さんはすぐさまおつまみを上原さんの前に持って来たが……

 

「パイセンちょっと貰いますね」

「おう。グイッといけ」

 

 上原さんが飲んでいたお酒をグビグビ飲み始めた。

 

「ぷはぁ~」

「相変わらず良い飲みっぷりだなカミキ」

 

 父さんに全部飲まれてコップは空になったが……上原さんは再度自分でお酒を注ぎ始めたが気を悪くした様子はなく、とても嬉しそうにしていた。

 普通全部飲んだら怒るものだけど……この二人は本当に仲が良いな。

 

「愛梨飲むか?」

「飲みましょう!」

 

 姫川さんはそう言うとコップに並々注がれたお酒を一気に飲み始めた。

 

「あ、あのそんな飲み方らしたら体に悪いですよ」

「ふふ……アクア君はまだまだお子様だから分からないかもしれないけど……無理よ駄目よじゃつまらないわよ。人生は短いんだから楽しまなきゃね♪」

 

 可愛らしくウインクしてる姫川さんは兎も角……

 

「アクアこの二人の事はほっといて良いぞ。二人とも馬鹿みたいに酒が強いし、ただの一回も二日酔いになった事無いから心配するだけ無駄だ」

 

 いやいや息子の大輝さんが両親だからほっといたら駄目だろ!って突っ込みをする前に二日酔いになった事が無いだと?

 

「まー暴れる訳でも無いのでほっといても大丈夫ですから心配しなくても大丈夫なのは確かですね」

 

 付き合いの長い父さんが言うならその通りだけど……二日酔いにならない人なんて存在するのだろうか?

 かなりのハイペースで酒を飲み始める二人だけど……僕にはそれを止めるすべなどないので、見ている事しか出来なかった。

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