カナンとのライブ練習も終わったので、帰ろうとしたが……カナンが発情してしまったので、少しばかりホテルで休憩していたが……気が付くと既に時刻は午前を回っていた。
「私は帰りますけどカナンはどうしますか?」
「じゃあ私も一緒に帰る!」
「分かりました」
「うん」
……という訳で、ラブホの駐車場に止めてる車に乗り込んで自宅に帰る事にした。
最近帰りが遅くなることもあり、かなを一人にさせてる訳なので、ちょっとだけ罪悪感も感じているが……最近はかなからのアプローチが大分多く、また過激になって来た事もあり正直手を出さない自信が無くなりつつある。
身長は既に同じ位だし、スタイルだって女性らしくなって来たし、何より俺に甘えてくる姿は可愛らしいのだ。
しかし、養子として引き取っている以上手を出して良い訳が無いと思う反面……数多の女性と関係を持っている女たらしだから何を今更と思わなくも無いが……
「……ところでカミキ? まだかなちゃんには手を出して無いわよね?」
助手席に座っているカナンは窓から外の景色を見ながら訪ねて来た。
外は暗いけれど……サイドミラー越しに写るカナンの表情は真剣な表情だった。
「……ええ、まだ手は出して無いです」
しかし、このまま行けば近いうちに出してしまう事は想像に無くない……というか、寧ろ出す事に定評があるまであるし……困ったものだ。
「分かって居るとは思うけど……中学生はまだ早いから駄目だからね」
「……もちろんです」
「ま……まぁーどうしてもって時は私やニノや麗民さんにゆらちゃんもいる訳だし無理はしない事よ」
真剣ではあるものの耳まで真っ赤に染めてカナンはそう言った。
カナンもニノも俺とかながそう言う関係になる事をとやかく言わないけれど……当初に言っていた”そう言った事”は16歳からと厳命されてしまった以上は守らないといけない訳だし、一人の大人として……大人しく出来れば良いなぁ~
「麗民さんもいざ始めるとなると可愛いんですよねぇ~」
高い身長とクールな雰囲気とは裏腹にいざ事が始まると、大きな体を縮こませて耳まで真っ赤に染めて恥ずかしがるし、ぴよぴよ鳴いて可愛いのだ。
「……ゆらちゃんが聞いたら怒りそうなこと言ってるけど大丈夫?」
「姉のアヤセと関係持っちゃってるんですよ? そもそも怒る怒らないの段階どころか……最初から不義理をしている状態ですからね」
だから俺はゆらに刺されたとしても何も文句は言えないけれど……
「……私はそもそも愛人上等だから良いけれど、ゆらちゃんの事を考えるとちょっと申し訳ない気持ちになるわね」
カナンはそうぽつりと零したが……ゆらはゆらで女優として今大変売れているので、中々遊びに行けないのだ。
きっかけである恋愛リアリティーでの公認カップルで、長い事続いてる訳だし時間を作ってはちゃんとデートして、ご飯も食べて、写メも取ってSNSに挙げて話題も提供した後は……お持ち帰りもしているし、ちゃんと俺は男としてやるべき事はやっているのだが……
「……この前写真を撮る時『ハイチーズ』って言ったらおじさんみたいってゆらに言われたんですよね」
「見た目は兎も角……カミキも年齢的には30に近いからおじさんで会ってるわよ?」
……おじさんって言われた事にショックを受けたんじゃなくて、『ハイチーズ』がダメな事にショックを受けたんだけど?
「……今の子って写真撮る時なんて言うんですかね?」
「さぁ? 私もニノも自撮りなんてしないし……そもそも友達なんて芸能界に居ないわよ?」
なんでアイドルなのに自撮りしないんだ? って喉元まで出かがったが……昔は知らないが『B小町』のメンバーは今じゃあビジネス的な関係で落ち着いてしまった様なので、そんなに仲良しでは無く、プライベートの付き合いは全く無いみたいだ。
そしてカナンはと言えば……関わり合いがあるのは基本的に東阿君・朝風・雷門・麗民さん位で写真を取り合う仲では無し……こればかりは仕方が無いだろう。
東阿君は社長業で忙しいし、麗民さんはマネージャーだからあんまり表に出たくないとの事で、後の二人はインパクトで負けるからなぁ~
リアル超兄貴はYouTube向けだし、2人ともポテンシャルの塊だからなぁ~
「……あと若い子って言うとかな位しかいないですね」
「アクア君は……自撮りとかしないし、そもそもSNSなんてやって無いみたいだしね」
「私としてはSNSなんてやらなくても問題無いと思いますけど……今じゃあ使っている人が多いですし、そう言ったツールも必要みたいですね」
「もしかして……カミキSNSやって無いの!?」
「そんなに驚く事ですか?」
「いや……だって……ねぇ……」
カナンは心底驚いてるようだけど……俺としては知名度の獲得でやるのは有りだと考えるけれど、だからと言って一般の人と積極的に交流をする気にはならない。
やり方次第では多額の金銭を得る事は出来る反面……ダイレクトに意見が来る訳だし、そんな事にいちいち頭を悩ませるくらいなら、ご飯のメニューを考える方に時間を割きたい。
「顔も見た事ない相手の意見なんか聞いたって仕方ありませんし、そもそも何の為にやるんですか?」
「それは……自分自身の共感を求めたり、日頃の愚痴を聞いて貰いたかったり?」
「……いえ、知らない人に共感されても困りますし、愚痴なんて弱みを不特定多数の人間に漏らしてるだけで、良いことなんて何一つありませんよね?」
「あっ確かに……でもさ一人で悩んでも答えなんて出る訳でも無いし、見ず知らずの人だから言いやすいんじゃないかな?」
カナンはそう言うが……知らない人は怖くないのだろうか?
そんな事を考えつつ車を走らせるとようやく自宅のマンションに到着した。
「……それでは車を止めてきます」
「わかったよ~」
カナンをマンションの入り口に下ろして駐車場に向かう。
建物の中なので駐車場は明るく、見通しが良くすぐさま車を止めて降りる。
「ねぇーそこの可愛いお兄さん。ちょっと良いかな?」
声のした方を見ると銀髪の可愛らしい女の子が何時に間にか車のボンネットに座っており、俺の方を見ていた。
駐車場は明るく見通しが良いのでこんな可愛らしい女の子が居ればすぐさま気が付くはずだ。
それに俺が目を離したのは車から降りた時だから秒数的には5秒あるかないか位だし……
こちらをクスクス笑う得体の知れない女の子ではあるものの……
「とりあえずボンネットに座らないでください」
両脇に手を入れて持ち上げる。
うん? この位の年の子にしては大分軽いけど……大丈夫なのだろうか?
「ちょっ……ちょっと何するのよ! 簡単に持ち上げないで!」
女の子はジタバタしているけれど……所詮は子供何かが出来る筈も無くしばらくジタバタしていた。