カミキヒカルアナザールート   作:だめねこ

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第123話

 それにしてもこの女の子……見れば見る程……不思議だなぁ~

 なんかどっかで会った事があるような気がするが……?

 

「お兄さん? 何時まで私を持ち上げてる気だい?」

 

 私不機嫌ですと言わんばかりに表情をしかめて足をバタバタさせてるから一旦地面に下ろすとするか。

 

「おっと……失礼しました。それはそうと人の車のボンネットに座ってはいけませんよ」

「……それよりも突然目の前に美少女が現れたんだからそれに対してリアクションはないかい」

 

 女の子は自分の事を美少女と名乗り上げた。

 どうやら自分に大変自信があるようだ。

 確かに同年代の女の子の中では群を抜いて可愛いとは思うし、それは客観的に事実だが……

 そもそも俺自身が転生者?憑依?まーわかんねーけど……オカルトみたいな者だから、幽霊やお化けだって居てもおかしくないだろう。

 

「突然現れようと人の車のボンネットに座ってはいけませんよ?」

「……お兄さんは中々だね。まー悪かったよ。これで良いかい?」

 

 ため息をついて、謝罪の言葉を吐いた。

 こんな小さい子供が言うには生意気過ぎるけれど……始めてあった時のかなもそう言えばこんな感じだったし、大人が目くじらを立てる程じゃあ無いな。

 

「ハイ良く出来ました」

 

 徐に女の子の頭を撫でてあげると目を見開いて驚いていた。

 

「……お兄さん? 何で私の頭を撫でてるんだい?」

「自分の非を認められる素直な子は褒めるのが我が家の方針ですからね」

「そ……そうなのかい? まぁー悪い気はしないけれど……子供扱いしないで欲しい」

 

 ませてるのかな?っと思ったけれど……そもそも子供なんて皆背伸びしたがるものだ。

 

「……わかりました。それで私に何か用でもあるのですか?」

 

 撫でていた手を引っ込めると女の子は小さな声で「あっ」と漏らしたが……あんまり頭を撫でて貰った経験はないのだろうか?

 

「……お兄さんに忠告が合って来たんだ」

「忠告ですか?」

 

 こんな小さな子に忠告される事ってなんだ?

 首を傾げて聞き返すと女の子はニィっと笑いながら答えた。

 

「運命を捻じ曲げたお兄さんはもうすぐ代償を支払う時が来るよ」

 

 言ってる内容は恐ろしいものだし、不気味さを演出したいようだけど……元の素材が良い為、不気味では無く……寧ろ可愛いものだった。

 多分鏡を見て練習していたのだろうか?

 そう考えると中々微笑ましいものだ。

 

「何を笑っているんだい! 私は代償を支払う事になるって教えてあげてるんだぞ!」

 

 女の子はそう言うと怒り始めたけれど……

 

「代償なんて言葉良く知ってますね。ご家族の方に習ったんですか?」

「違う!私は神様だ! だから馬鹿にするんじゃない!」

 

 神様ねぇ……女の子の声質からは嘘を言ってる訳では無いし、そう言った身体的なシグナルも出ていない以上は恐らく本当の事だろう。

 まー神様ねぇー見た事も無いし、会った事も当然無いけど……居てもおかしくは無いだろうな。

 別段会いたい訳でも無いし、見たい訳でもないからどうでも良いけれど……

 

「……ちなみに代償というのは具体的にはどんなものですか?」

「代償の内容は死だね」

 

 女の子は間髪入れずそう答えたけれど……正直心当たりはいっぱいあるし、フリフレやセフレなんかが居る以上は刺されたっておかしくは無いのだ。

 やり捨てとかそう言った事はして無いし、最初から遊びだよって言ってはいるものの……執着されることもしばしばある訳だし、ま、年貢の納め時が来たと思えば良いだろう。

 

「……お兄さん死ぬことは怖いでしょう?私が助けてあげようか?」

 

 神様を自称する女の子は俺にそんな提案をしてくれたが……

 

「死ぬことは勿論怖いですよ? ……でも人は産まれたら死に向かって生きていくものですし、私にとっての人生のツケは世の中の人よりも少しばかり早かった。ただそれだけの事です」

「はあ? お兄さんは助かりたいと思わないの?」

「泣いて喚て叫んでも、誰かが助けてくれる訳がありません。この世には神様は居るかもしれませんが、絶対無敵のスーパーマンみたいなご都合主義のヒーローはいませんからね」

 

 俺がそう言うと女の子は口をパクパクさせて驚いていた。

 

「あと、良い事を教えてあげます。代償の強制力がどれ程の物かは知りませんが……勝負事は勝つときは勝ちますし、負ける時は負けるものです。例え意識不明の状態で何時死んでもおかしくないそんな状態でも勝つときは勝ちますし、逆にどんなに備えていたとしても負ける時はあっさり負けるものなんです」

「あっそう……じゃあ死んでも知らないからね!」

 

 女の子はそう言うと忽然と姿を消してしまった。

 瞬き位の短い時間で姿を消せるのだから……あの女の子は神様なのは間違いないだろうし、多分俺が忘れているだけで今の子は恐らくメインキャラクターなのかもしれないな。

 そんな事を考えつつもマンションの駐車場から出て、自分の部屋に向かう。

 

 そう言えば……名前を聞くのも名乗る事もしなかった。まー聞いたからと言って、素直に教えるとは限らないし、そもそも日本は神様がいっぱいいる訳だから特定は出来ないだろう。

 手がかりも銀髪の幼女位だし……そんな神様いたっけな?

 首を捻りつつ考えるが……これと言って思い浮かぶものは存在しなかった。

 メガテンやペルソナも全部やっていた訳じゃ無いけれど、そもそも銀髪のキャラなんて数えるぐらいしかいないし、東方は……そこまで詳しい訳じゃ無いけれど、銀髪のキャラは居ても神様は見た事無いし……

 あの女の子は一体何だったんだろうか?

 

 静かに部屋のドアを開けて自分の部屋に入ると、かなが俺のベットで気持ちよさそうに寝ていた。

 

 近々が果たして何時かは分からない。

 神様と呼ばれる存在が思う時間の流れと俺が感じる時間の流れは決して同じ意味じゃないだろうし、ニュアンスは違うだろう。

 

「……出来る事なら死にたくねーな」

 

 今口から出た言葉は俺がカミキヒカルになって初めて本心から出た言葉だった。

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