カミキヒカルアナザールート   作:だめねこ

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第136話

「ルビー……そう言えば夏休みの宿題終わったの?」

「やだなぁ~ママ明日やるから大丈夫だよ」

 

 私はママにそう返事をした。

 転生者である私が本気でやれば中学の勉強なんてすぐに終わるし問題ないよ!

 

「ふーん……今日が8月31日で夏休みは終わりだけど、ルビーは夏休みの宿題を登校日にやるって訳ね?」

 

 しかし、ママからは変な返答が返って来た。

 8月31日が今日?

 いやいや……ママは一体何を言ってるのだろうか?

 アイドルを卒業したとは言えママは依然として忙しいから日付の感覚が可笑しくなっているに違いない!

 

「もぉ~ママ何言ってるの? 今日が31日の訳ないじゃん」

 

 私は自身のスマホを手に取り日付をママに見せようとした時だった。

 

「じゃあこれ見て」

 

 私よりも早くママが自分のスマホを操作して日付を見せてくれた。

 

「どれどれ~」

 

 ママのスマホを受け取って日付を確認するとそこのには8/31と表示されていた。

 うん……これは……もしや……?

 

「もぅ~ママ冗談きついってばぁ~」

 

 ……とは言え、手の込んだいたずらの可能性もあるので、私は自分のスマホで日付を確認するとそこにはやっぱり8/31日表示されており……やらかしたぁ~

 

「ママどうしよう。宿題何もやってないよ!」

「なんでぇ~!」

 

 私の返答にママは驚きの余り目を大きく見開いてしまったが、私にだって言い分はあるのだ。

 この夏休み中はアイドルのレッスンやママの出ている番組にドラマを見るのはファンとして当然だし、そうなれば私に残された睡眠時間だけだけど……流石にそんな理由で睡眠時間を削る訳には行かないし、これは仕方が無い事だと思う訳です。

 それにアクアだってこの夏休み中はテレビの露出が増えていたから、私と同様に宿題なんか終わってる筈が無いのだ。

 

「そ……それにアクアだって夏休み中は忙しかったしきっと宿題なんか終わってないよ」

 

 私がそう言うとママはため息を吐いて恐ろしい事を告げた。

 

「あのねルビー? アクアは確かに忙しかったみたいだけど夏休みの宿題は7月の段階でもう終わってるのよ。それも一人暮らししてる訳だから、ルビーよりも時間は無いけれどそれでもやる事はちゃんとやってるよ」

「嘘だ!?」

「嘘じゃないよ。じゃあルビーもアクアに負けないように宿題をちゃんとやる事!」

 

 ママにそう言われてチラリと時計を見ると時刻は15時を過ぎていた。

 えーっと学校が8:30からだから……

 

「……後17時間ぐらいしか無い。ママ手伝ってくれないかな?」

「残念でしたぁ~ママは中卒だから勉強分かりませ~ん」

 

 ママは笑顔ではあるものの額に青筋を浮かべて答えた。

 言葉は荒げてはいないものの……怒っているのは確かだし、この前カミキさんの事を木っ端役者って言って怒られたばかりなので、正直に言えばもう怒られたくない!

 しかし、このままだとまた私は怒られる未来が見えているし……何か案がある筈だ!

 ピンチはチャンスって言葉があるのだから考えるんだ星野ルビー!

 そこでハッと妙案が思い浮かんだ。

 そうだ私にはゴロー先生が居る。

 ゴロー先生はお医者さんになったほどの頭脳の持ち主……つまり世間的に言えば頭は良いのだ!

 そして、好きな人と一緒に勉強をするってシチュエーションは女子なら誰もが憧れる。

 

「うぅ~そうだ! ゴローさんに手伝って貰うね」

「……今回だけだからね」

「はーい」

 

 ママも渋々ではあるものの納得してくれたし、終わりよければ全て良しだよね?

 私は宿題の山を抱えてゴローさんの部屋に向かった。

 なお宿題が終わったのは明け方5時頃で大体はゴローさんのおかげで終わったのだった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「悪いね。今日はこの後デートの予定があるから、犯人を当てるだけにするよ」

「何言ってるんですか神裂警部補!?」

 

 アイ扮する神条はそう言うと大層驚いている。

 いつかの時とは違い演技も出来るようになってはいるものの、相変わらず存在感は強すぎる。

 まー美人だし、何をしなくても目を惹いてしまうのは生まれ持った才能だから仕方が無いだろう。

 

「まーそんな訳で犯人を特定するので、じゃあまずはそこの可愛らしい女性の方両手を出してね」

「わ……私からですか!?」

 

 金髪で小柄の女性にそう言うとおずおずと両手を出してくれたので両手の脈に触れて周囲の視線を確認する。

 

「よし、じゃあこっちに着いて来て」

「わ……わかりました」

 

 この女性の腕を上下左右に揺らしながらデパートの売り場を歩き回ると他の男性2人も付いて来た。

 片方は何がなにやらさっぱり分からない顔をしているが、もう一人の男性はとある方向に向かうにしたがって、無意識ではあるものの歩みが遅くなっている。

 そうしてデパートのとある場所……もとい凶器が隠された場所に着くと歩みの遅くなっていた男性は口元に手を置き忙しない様子を見せていたが……神条は気が付いておらず不審な目で俺を見ていた。

 

「よし、じゃあこの商品ケースを開けて貰って良いかな?」

「私が開けるんですか?」

「ええ」

 

 女性に商品ケースを開けるように指示をすると渋々としたがってくれた。

 そして商品ケースの中には……血で赤く染まった凶器のナイフが入っていた。

 

「……う……嘘よ! 私じゃない! 私は人を殺してなんかいない!」

「いいえ! 犯人はあなたです。そうですよね神裂警部補」

 

 意気揚々と神条はそう言うけれど……

 

「あー部下が失礼しました。犯人はそこの男性店員です」

「「ええ!」」

「ち……違う俺は犯人なんかじゃない! 第一俺が彼女を殺す動機はなんだよ!」

 

 語るに落ちるとはまさにこの事……

 

「さぁね? 動機なんて興味無いけれど……凶器のナイフを隠していることから指紋なんかを拭き取っている時間なんかないだろうから調べれば一発で分かるし……そもそもなんで被疑者が女性って知っているんだ? それを知っているのはこの場に居る警察か犯人だけだぜ? そういう訳で捕まえろ!」

 

 俺がそう指示を出すとその場にいた警察が犯人の身柄をすぐさま捕らえた。

 

「どうして彼が犯人だと気が付いたの?」

「俺がこの場所に移動したのは彼を見て判断しただけさ」

「……理解出来ない」

 

 まるで怪物を見るかの様に神条は俺の事を見て……

 

「カーットOKでーす」

 

 ようやく撮影が終わりを告げた。

 

「ふぅーお疲れさまでした」

「あー疲れたぁー」

 

 撮影が終わり現場から離れようとした時だった。

 

「ねぇヒカル君……ちょっと相談があるんだけど良いかな?」

 

 神条役から解放されたアイはそう言うとどことなく申し訳なさそうに訪ねて来た。

 時間的には少しばかり遅いけど……家にはあゆみさんが居るがみんな今日は遅いから問題無いだろう。

 

「……どこかのお店で食べながらでも良いですか?」

「あーちょっと今日は持ち合わせが少ないかも……」

 

 別段それぐらいなら出すよ。

 

「いえ、奢りますよ」

「良いの!? じゃあ遠慮なく」

 

 アイはそう言うと途端に目を輝かせてきたが……果たして大丈夫だろうか?

 

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