慌てて水の入ったコップを手に取り熱々の大根と一緒に飲み干したけれど……まさかこんなに熱いなんて思いもよらなかったし、思わず涙も出て来てしまうレベルだったが……
「ルビー大丈夫?舌やけどしてない?」
「うぅ~ヒリヒリするぅ~私の舌大丈夫かな?」
「どれどれ~」
私はママに舌を出して見せた所
「う~ん……若干赤くなっているぐらいだから大丈夫だと思うよ。これからはちゃんと言う事聞いて食べてね?」
「そうするぅ~」
そもそもカミキと大将さんが私の事を天然何て言うからこんなことになったのにぃ~
大将さんは私から顔を背けており、カミキに至っては……
「いやぁ~このはんぺん美味しいですねぇ~アクアは食べましたか?」
「ちょっと待っててね。ふぅーふぅー……もぐもぐ……うん、凄く美味しい! お米と一緒に食べたいね」
「ん?ライスならあるぞ」
「本当ですか? じゃあ、大盛でお願いします」
「おう! カミキはどうする?」
「では私もライス大盛お願いします」
「おう」
私がやけどしたと言うのに気にもしていなかった。
「ちょっとカミキさん!?」
「何ですかルビー?」
「私熱々の大根食べて舌がヒリヒリするんですけど!」
「いえ、おでんってそもそも熱い物ですし、事前に気を付けてくださいって言いましたよね?」
「……だってここまで熱いなんて普通思わないじゃないですか?」
「湯気が出てるレベルの大根を見て、ここまでもそこまでもありませんよ。そもそも熱い物は熱いんですから自分で息を吹きかけて食べられる温度に冷ます必要はありますよね?」
「うぐぅ……ママぁ~カミキさんが私をいじめるよぉ~」
「……ルビー? 今ヒカル君が言った事は間違って無いし、そもそも事前に熱いから気を付けるように注意したし、私も止めたのに口に入れたのはルビーなんだから、そこは反省しようね?」
確かにママが一度止めたのに強行したのは私だけど……実際にやけど……とは言えないまでもヒリヒリしてるしそこは慰めてくれても……
「……うん、次から気を付けるよ」
「よしよし、ルビーは素直だねぇ~」
ママはそう言うと私の頭を撫でてくれたけど……
「まぁ~彼女も前回大根食ってやけどしたしなぁ~」
「……てへ☆」
大将さんがそう言うとママは舌を出しておどけてみせた。
ママの可愛いてへぺろ顔が見れたから、寧ろこのヒリヒリは名誉の傷だと思う事にしよう!
今度はちゃんと大根を冷ましてから私は食べ始めた。
先ほどは熱くて味はさっぱりわからなかったけど……ここのおでんの大根は味が染み込んでいて本当に美味しかった。
「お……美味しいです」
「そりゃよかった。熱いから気を付けてくれよな!」
大将さんはそういうと笑顔でそう返してくれた。
「ヒカル君次はさつま揚げが食べたいなぁ~」
「えっ!? あっ大将さつま揚げ二つお願いします」
「お……おう」
大将さんはさつま揚げと共にライス大盛をカミキとアクアの前に用意し始めた。
そして、カミキは有ろうことか私の前でママのさつま揚げに息を吹きかけ初めて……
「ふぅーふぅー……はい、アイさん……あーん」
「あーん♡……モグモグ……ヒカル君が冷ましてくれたからこのさつま揚げとっても美味しいよ♡」
「そ……そうですか?」
「なあ……カミキ? お前本当に付き合って無いのか? 絶対嘘だろ?」
「……いえ、本当に付き合って無いです」
「そ……そうか……まあ付き合い方は人それぞれだけど……勘違いされないようにしろよ? ただでさえ見た目は良いんだから、コロッと行かれるだけならまだしも……グサッとされる事も有る訳だしな」
「……肝に銘じて置きます」
うん……やっぱりカミキの事は好きになれそうにない。
ママ以外にも女性の影あるし、そもそもニノさんやカナンさんもましてやロリ先輩と一緒に生活しているのがおかしいのだ。
女好きの浮気人間にママを任せるなんて例え神が許しても私は絶対に許さないからね!
そう言えば、先生も女好きだったけど……その辺りは今一体どうなっているのかな?
まーママと一緒に生活しているとは言え……手は出していないと思うけど、男の人だし? 生理的な物だから溜まっていると体に悪いって聞いた気がするし……ま、まぁ私が16歳になったら……そういった発散をしてあげれば良いよね?
そんな邪な事を考えつつ私は卵を箸で掴み口に運ぶが……
「アッツぅぅぅ」
「大将さん!水!水!」
「お……おう」
私は大将さんから渡された水を再度慌てて飲み干した。
この日、熱い物を食べる時は注意する事を私は2度目にしてようやく体で理解したのだった。
「じゃあ、大将御馳走様でした」
「「「御馳走さまでした」」」
「おう、また来てくれよな!」
私達は大将さんにそう言って公園を後にして、マンションに帰る事にした。
おでんは本当に美味しかったが……しばらくは食べたくない。
……というか、熱い物を食べたくない!
そんな事を私が考えて居る時だった。
「ね……ねぇアクア今日は家に帰って来ない? 久しぶりだし、ちょっとお話したいんだんけど……」
ママはそう言うとアクアの手を繋いで決して逃がさないと言うような気迫を込めていたが……
「いや……明日学校あるし、お弁当の用意もしないと行けないから辞めておく」
「お……お弁当なら私が作るから! お願いアクア」
ママの懇願に困ったアクアがカミキを見ると、ママも同じタイミングで一緒にカミキを見ていた。
私からすればママにそんな事を言われたら即ママの胸に飛びついてオギャルレベルの物だけど、アクアは一体どうして抵抗するのだろうか?
それでもママのファンなのだろうか?
「アイさん? アクアにも都合がありますので、無理強いはダメですよ?」
「うっ!? ……じゃあ、アクア週末はどうかな?」
「週末は撮影が集中しているから無理だね」
「……そっかぁ~」
「父さんのとこなら二つ返事で泊まるけど……」
「ヒカル君ズルいよ!」
私には分からないけれどアクアは一体カミキのどこが気に入ってるのだろうか?
……そう言えば、ロリ先輩かカナンさんのどちらか忘れたけれど、カミキの家は人をダメにすることに定評があるみたいで、至れり尽くせりみたいな部分があるんだっけ?
まー確かに私も小学生くらいの時はたまに面倒を見て貰っていたけど……
父親なら当然なんじゃないかなって思うのは私だけかな?