あれから半年が経った。
一応……アクアに関しては本当にやばかったら引き取るって事になったのと後は俺も養育費だけでも支払う事とにした。
前者はアイが「大丈夫だもん」って言っていたけど……大丈夫じゃないのよ。
それにこれはアクアの為だけじゃなくて、アイと雨宮さんの精神的にも金銭的にも余裕を持たせる事になるのだ。
逃げ場の無い中での環境と言うものは最終的には悲惨な最後を辿るのものだから、その前に選択肢を提示して置けば、選ぶ選ばないは別として……心に余裕が出来るものだ。
今はアイ達が頑張って面倒を見ているようで、雨宮さんも子供達がある程度大きくなってから、再度働くって言っていた。
雨宮さん自身も蓄えがあると思うし、大丈夫だとは思うけど……よくよく考えると子供達と雨宮さんには何ら関係は無いし、劣悪な環境に陥れば人は誰でも転げ落ちるものだ。
なので、俺が今できる事と言ったら……
「ハイ、カミキさーんオールアップです! お疲れさまでした!」
「お疲れさまでした。それでは……また」
ドラマの撮影や舞台にモデルも今まで以上にこなしていかないといけないのだ。
理由は2つあって一つは養育費の為で有るし、もう一つはアクアを引き取った場合育児にはお金がかかるものなのだ。
さて、ドラマの撮影が終わったら今度はモデルの仕事とに行かないとな……物事は常に最悪を想定して動けば、意外と何とかなるものなのだから……
アクアを引き取った後はしばらく仕事を休まないといけない訳だし……俺も蓄えて置かないとな……
そんな事を考えて居た時だった。
スタジオを出た時に丁度黒塗りの高級車が目の前に停まっており、窓が下がるとそこには……
「やっほーヒカルちゃん! 迎えに来たわよ~さっ時間ももったいなし早く乗って頂戴」
「四条社長……ありがとうございます」
「ヒカルちゃんとのドライブだし、これぐらい大した事無いわよ。後……お仕事が終わったらお願いね♡」
どうやら四条社長はモデルの仕事よりもそっちの方が楽しみで仕方無いようだが、俺にとっても今現状は渡りに船だしとても助かる。
「勿論です」
まだ時間は17時頃だけど、今日も長い一日になりそうだな……
「……出来ればヒカルちゃんと長い一日を過ごしたいんだけど」
「流石に危なすぎるので我慢してくださいね」
「そうねぇ~ま、今は我慢してあげるけど……大人になったら、もっと楽しませてね♡後コレお小遣いよ」
「……ありがとうございます」
分厚い封筒を手渡されたけど……この場で確認するのは野暮ってものだし、そう言うのは家の中でじっくり確認すれば良い
「じゃあ、ヒカルちゃんまた明日ね♡ 愛してるわよ」
四条社長はそう言うと帰って行った。
愛してるか……四条社長のそれは人に向けての物では決して無く、恐らくペット感覚に近い物だ。
何故なら彼女は俺以外にもそう言った関係の男が居たのだ。
俺が関わった段階では結構いたし、今ではあまり見かけなくなったけど……
ま、それこそ俺がどうこう言うものじゃない。
ペットは飽きられたら終わりだから、そこに甘えていた奴らが悪い
さて、家に入ると時刻はすでに深夜1時を回っていた。
モデルの仕事は俺が未成年で有る事から22:00までしか出来ないが……まぁー撮影場所が場所だからそのままベットインしていたけど……
ハァー半年の間にかなりの金額を稼げているけど……金は幾らあっても困るものじゃ無いし、進学も考えると為れば猶更だ。
中学は色々あった訳だし……高校位はまともに楽しみたいけど、アクア次第な事を考えると仕方が無いよな。
そんな事を考えつつシャワーを浴びて今日はすぐに寝たかったけど……明日の予定確認してからにしよう。
愛用してるスケジュール帳もそろそろ終わりが見えて来たし、新しいのを用意しないとな! 後ドラマ撮影はようやく終わったから、明日は舞台稽古にそれが……終わったら、モデルと……忙しい事に変わりは無かった。
ぱたんとスケジュール帳を閉じてテーブルに置いて自分はベットに横になる。
もう、早く寝た方が良いとは思っているけど……アイからのメールの確認もしないといけないし……
アイから送られてくるメールを見てSOSは無いかと確認しないといけないのが辛いけど……対応しない訳には行かないのだ。
『ルビーとアクアは寝顔がきゃわわー♡♡♡』
うん? ルビーは兎も角……何故アクアは寝顔限定なんだ?
メールを受信したのは1時間前だから……もしかして、コレヤバくねーか?
最近はニノも忙しいからメールでのやり取りでしかしてないし、俺も仕事を休み無しで入れてるから、四条社長としかやって無いけど……
ニノでも忙しいなら……それより忙しい夜泣きをする赤ちゃんの所為でアイは熟睡出来ていない気がする。
其処は雨宮さんに何とかして欲しいものだけど……雨宮さんも四六時中起きてる事は出来ないので、必然的に空白の時間が出来る以上精神的に辛いだろうな。