カミキヒカルアナザールート   作:だめねこ

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第165話

 ドラマ『特殊捜査員:神裂光のオカルト事件簿』も今回で最終回を迎える事になった。

 ……とは言え、それはあくまでシーズン1がと言う意味でシーズン2に向けてここに来て新キャラを入れる事になったのだが、よりによって何故……

 

「カミキさんお久しぶりです」

 

 まるで妖精の様な可愛らしさとは裏腹にあんまり表情は動かさずに彼女はそう言って来た。

 

「え~っと不知火さんでしたよね?」

 

 確か……アクアやルビーとは同じ年なのだが、芸能界で働いて居る所為か久しぶりに会った不知火は当時と違い体も成長しており、中学生とは思えないスタイルになっておりアイと遜色ないものだった。

 まー身長は不知火の方が上だけど……

 

「不知火だと姉とごっちゃになってしまうので愛情と親しみを込めてフリルって呼んでください」

 

 不知火はそう言うとじーっとこっちを見てそう言ったが……あれ? 俺この子に好かれる事何かやったかな? 初めて会ったのはキョンシーの映画だったけれど……挨拶ぐらいでしか接点は無かったハズだ。

 頭を捻って考えるも、これと言って何か不知火とエピソードは無かったが……まー本人が名前で呼べって言うのであれば、別段断る必要は無いから良いだろう。

 

「分かりました。それではシーズン1の最終回ではありますがフリルさん頑張ってくださいね」

「勿論です。私の演技しっかり見ていてくださいね」

 

 フリルはそれだけ言うと撮影の準備に行ったが……あの衣装ってどう見ても霊媒師いずなだよなぁ……中学生にあんな恰好をさせて怒られないのか心配になる。

 

 俺が内心そんな心配をしている時だった。

 

「ヒカル君? 流石に中学生に手を出すのは不味いと思うよ」

 

 後ろを振り向くとアイがジト目で俺の事を見ているが……まぁ言いたい気持ちは分かるけど……

 

「……それ完全にブーメランですからね」

「あ……あれぇ~そうだっけ?」

 

 アイはそう言うとひゅーひゅーと口笛をし始めたが……アイと初めてヤった時の年齢が年齢なので見方を変えれば不純異性交遊と言っても過言じゃないのだ。

 

「まぁ……フリルさんに手を出す気はありませんので、大丈夫ですよ」

「ヒカル君が手を出す気が無いって言ってもねー」

 

 暗に女たらしだから信用が無いみたいだけど……成人している相手ならまだしも未成年相手に俺から手を出した事は唯の一度もないって声に出してアイに言ってやろうかと思ったのだが……ここ最近はかなが積極的に行動してくるから、ちょっと……いや、かなりヤバいのだ。

 流石に世間にバレる事は無いけれど……しかし養子でかつ未成年の子に手を出すのはマズイよなぁ~っと思ってはいるものの、俺の合って無いような理性がゴリゴリ削られているのは事実だし……

 

「はぁ~」

「なんでため息ついたの!」

 

 別にアイに呆れてため息を吐いた訳では無く、俺自身の節操の無さに呆れてため息を吐いただけだ。

 なんせ『今』は手は出して無いけど……それは『まだ』出して無いだけで、俺自身何時かなに手を出してもおかしくないのは確かな事実なので、アイの言ってる事は間違い無いのだ。

 

「……持て余すようならアイさんに協力して貰いますからね」

「それは……つまり……誘っているって事で良いのかな? じゃあ撮影が終わったらホテルにでも行く?」

 

 どこか期待の眼差しで俺を見ているアイだけど……

 

「悪いなカミキとアイちゃん今日は打ち上げでスポンサーの方々も来るみたいだから、そういった事は後日改めてくれ」

「や……やだなぁ~冗談に決まってるじゃないですか上原さん」

「あ~じゃあ、私は……」

「おう! カミキは勿論挨拶周りだ。頼んだぜ!」

 

 上原パイセンはそう言うと隅の方に移動した。

 まー俺達の撮影は既に終わっているから、後はフリルのワンシーンだけだし……問題無いだろう。

 

 それにしても本来決められた予算でドラマを作る筈だけど……作中の俺の変装が多い理由はスポンサーの意向もあり、その変装がスポンサーにウケが良かった為、追加予算を貰える事になったのは良いのだけど……それで不知火フリルがシーズン1の最終話に何故出るのかと言えば、まぁ……ギャラの目途も経ったからだとしか言えない。

 

 本人自体はノーギャラでも出たいって話が合ったみたいだが……流石にフリルの所属している事務所がそんな事を許すはずが無く、シーズン2からの出演って事になっていたが……この業界に限らず予定は未定なので確定では無いのだ。

 

「それでは……5秒前!4・3・2・1……」

 

 カチンコが鳴り、ワンシーンの撮影が始まる。

 

「ふふ……神裂光……」

 

 恍惚な笑みを浮かべて、台詞を吐くフリルの姿は元々持っていたミステリアスな雰囲気と服装も相まって大人顔負けで中学生にはとても思えないものだった。

 このレベルの演技は同年代でも頭一つ抜けているし、フリル自身華があるので……あかねの仕事が益々減る事になりそうだ。

 あかねはかなと違って演技の仕事しかやらないから、優先的に回す事にしているが……それでも先方からはかなの方が良いと言われる場合がある。

 それはあかねが愛嬌と言うか……人見知りな部分もあるからで、反対にかなには愛嬌の振りまき方をちゃんと教えているし、何より知名度は誰よりもあるから評価されるのだ。

 

「むぅ……フリルちゃん中々良い演技するね」

 

 アイはそう言うとむくれてしまったが……見た感じ性質で言えばアイもフリルも同じ方向の演技なんだよな。

 どちらも我が残るもののそれでも評価されるのだ。

 主役級をやるのであれば何ら問題無いけれど……しかしそれが脇役とかになると途端に扱い辛い物に変わる。

 何故なら常に脇役が主役より目立ってしまえば役の意味が無いからだ。

 しかし、それを矯正すると今度は持ち味を消す事に繋がるので安易にやる事も出来無いし……結論アイはずっと主役やってれば良いんじゃないかな

 

「……そうですね。それにしても中学生にあんな際どい恰好させて大丈夫なんですかね?」

 

 俺が思わずそう言うとアイは顔を真っ赤にしてこっちを見始める。

 

「あーゆー恰好好きなのヒカル君?」

 

 そりゃ勿論大好きだ。

 

「そうですね。今度ゆらさんにお願いしてみますよ」

「わ……私だってヒカル君の為なら着てあげても良いよ?」

「それは嬉しいお誘いですけど……ゴローさんにも気を遣ってあげてください」

「それは勿論だよ。これでも私ゴローさんともちゃんと熱い夜を過ごしているんだからね!」

 

 アイは胸を張ってそう答えたが……いや、俺に指摘する権利は無いけど……

 

「……一度ゴローさんに会って話を付けないとですね」

「えっ!? もしや……私を取り合って喧嘩しちゃう的な? 私の為に争わないで欲しいかなー?」

「……どちらかと言えばちゃんとアイさんの面倒を見るように言うつもりなんですけど?」

「がーん!」

 

 とりあえずゴローさんとは飯でも食いながらアイについて話合わねばいけないな。

 

「ところでルビーの件はどうなりましたか?」

「あっそれなんだけどね。この前ウチの事務所のトップユーチューバーとコラボしたおかげでルビー達も名前が広がったんだよ! まっ私も出たからって部分が大きいけどねぇ~その甲斐あって、チャンネル作ったら登録者もすぐに一万超えたし? やっぱり私とヒカル君の子の事も有って才能の塊だよね!」

「……ちなみにルビー達はアイさんから見てどうですか?」

「う~ん、まだまだ若いし荒削りな部分があるけど……この前のカラオケでのアドバイスが効いたのか良くなってきているよ」

 

 アイから見てルビーとメムは成長しているようだけど……それはそれとして登録者がいきなり1万越えはマズイ気がする。

 確かに売れる為には知名度は必要ではあるが……それとは別に実力も求められるのが芸能界なのだ。

 その為知名度が幾らあっても、実力が無ければ唯の売名に他ならないし……売名行為はそもそも嫌われる理由になるのだ。

 

 まー下積みは絶対にするべきとまでは言わないけれど、経験値が圧倒的に少ないルビーとメムさんは大丈夫なのか心配になってしまった。

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