カミキヒカルアナザールート   作:だめねこ

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第166話

「それでは『特殊捜査員:神裂光のオカルト事件簿』シーズン1の撮影が皆さまのおかげで無事に終わりました。シーズン2は来年の夏からになりますのでまたよろしくお願いします。それでは堅苦しいのはここまで乾杯」

「「「「かんぱーい」」」」

 

 監督が音頭を取りキャスト・裏方もそれに習い手に持ったお酒……まぁ未成年の子はジュースを持って乾杯を祝した。

 

 元アイドルで絶大な人気を誇るアイが居たおかげもあり話題には事欠かないし、そして視聴率も高く追加予算も有れば、打ち上げ場所も豪華になるもので……場所は都内の一流ホテルを利用する事が出来た。

 

 まー撮影現場としても利用させてもらった事もあるんだけど、それ以前に監督と一緒に挨拶周りをしたときにホテルの社長と話す機会があり、その時に仲良く為れたのが大きいのだ。

 

 結局の所どんなに時代が変わっても、人は直接会って話して見るまで分からないものだ。

 今の時代電話やメールで済ました方がタイパ・コスパ的にも良いと思われているが、人が人で有る以上感情を切り捨てる事は出来ないし、それは経営者であっても例外ではないのだ。

 

 寧ろタイパ・コスパと声高に叫んでいる現状ではこういった地道な事をしている方が逆に評価されるものだし、俺にとっては好都合なんだ。

 

「カミキさん乾杯」

 

 そんな事を考えて居るとフリルがトコトコと俺の近くにやって来た。

 

「フリルさん乾杯」

 

 ジュースが入ったグラスと……山盛りのライスがよそられている皿を持っているがお米が好きなのかな?

 

「……フリルさんはお米好きなんですか?」

「うん……私塩結びでも全然大丈夫」

 

 多分前にも思ったかもしれないが……フリルは風来人の素質があるかもしれん。

 まー変な事はしているかもだが……行儀が悪い事をしている訳では無いし、問題無いだろう。

 幸い料理はビュッフェ形式だし、好きな物を好きなだけ食べれば良いしな!

 アイの方を見ると男性キャストと楽しくおしゃべりしているし、上原パイセンは全体が見えるように壁を背にしてもめ事が起きていないか静観しつつ料理を食べていたけど……立ち位置がもはやセキュリティなんだよな。

 

「何か困った事があったらあそこに居る上原さんの所に行くようにしてくださいね。大体はそれで解決します」

「カミキさんは?」

「私はこの後用事がありまして……」

 

 俺がそう言った時だった。

 

「あのカミキ様……よろしいでしょうか?」

「もう時間ですか?」

 

 胸元に支配人の名札を付けた方から声を掛けられた。

 

「はい、只今社長が到着されまして……」

「分かりました」

 

 とりあえず手に持ったグラスを一気に飲み干して、支配人に渡した。

 どうやら仕事の時間の様だ。

 

「こちらお預かりします」

「お願いします」

 

 俺は遠くにいる監督に目配せすると監督も気が付いたようで、両手を合わせて拝むポーズをしていた。

 まーこういった事は持ちつ持たれつな部分があるし、問題無いけれど……せめて少し位食べさせて欲しいなと思ってしまった。

 

「あの……カミキさん……連絡先交換したいです」

 

 フリルがそう言った瞬間だった。

 ……どこからかと言うか、アイが俺の方をじっと見ている気がした。

 アイドルだったが故に視野が広く、おまけに耳も良い為かフリルの声はアイにも聞こえていたのかもしれない。

 チラリと見ると何処か勝ち誇った顔をしてアイはフリルを見ているが……自分よりも年下の子に何か思うところでもあるのだろうか?

 

「勿論良いですよ。ちょっとだけ待ってくださいね」

「やった!」

「畏まりました」

 

 俺はそう言ってポケットからスマホを取り出すとフリルも嬉しそうに自分のスマホを取り出しラインの交換を行った。

 

「疑う訳じゃありませんけど、私の連絡先広めないでくださいね」

「勿論です。カミキさんのアイコン見ているだけで目疲れが取れてきます」

「そ……そうですか」

 

 いや、俺のアイコン初期の設定の物だし、そんな効果は無い筈なんだけど……?

 そんな事を考えて居たらアイから通知が来た。

 

『糸電話じゃないの!?』

 

 俺も聴覚には自信があるが……アイの方が優れているのは間違い無いようだ。

 

「すみませんカミキ様……そろそろお願いします」

「あっすみません。それでは行きましょうか? フリルさんは楽しんでてくださいね」

 

 俺はそれだけ言うと支配人と一緒にホールを出てこのホテルの社長がいるスウィートルームに案内された。

 

「それでは私はここで失礼します。何かございましたら内線でも結構ですので何なりと……」

 

 じゃあ飯くれよって内心思っていたけれど……そこは事が終わった後にフロントに連絡すれば良いだろう。

 

「分かりました」

 

 俺がそう返事をすると支配人は一礼して、去って行った。

 支配人が見えなくなったのを確認してから俺は部屋のインターホンを鳴らすと……

 

「開いてるわよ~」

「失礼します」

 

 中からは間延びした女性の声が聞こえたので俺はドアを開けて部屋に入る。

 部屋の中には俺のお得意様である四条社長がおり、既にバスローブを身に纏っている事から準備は万端の様だった。

 

「私もドラマ見てたけれど……ヒカルちゃんの演技凄く良かったわよ。おかげで洋服やグッズなんか飛ぶように売れたし、このホテルもヒカルちゃんのおかげで予約が一杯になったから従業員の給料もアップ出来るし……ほんとヒカルちゃんのおかげで助かるわぁ~」

「四条社長にそう言って貰えると私も主役を頑張った甲斐がありました」

「じゃあ、今度は私の事も悦ばせてよね♡」

 

 年齢で言えば俺よりも15歳上の筈で、最近は呼ばれる事は無くなったから落ち着いたのかと思いきや……それは俺の勘違いだったようで性欲は未だに衰えていないようだが、しかし、その見た目はとても年相応とは見えず完成された美そのものだった。

 

 俺もニノやカナンに手伝って貰っているとは言え、かなのおかげで溜まりに溜まっているので四条社長のお誘いは寧ろありがたいレベルだし……

 

「明日の業務に支障が出ても知りませんからね?」

「……! ほんとヒカルちゃんのそういうところ大好きだわ♡」

 

 四条社長をベットに押し倒して俺は長い夜を満喫するのだった。

 

 

 

 

 

 

 それから3時間程が経過し、水分補給がてらに冷蔵庫を開けるとミネラルウォーターが用意されていたので、2本取り出して戻ると……既に四条社長は気持ちよさそうに眠ってしまっていたので、布団を掛けてあげた。

 流石の四条社長も日々の仕事で疲れて居る部分も有っただろうし、やはり全盛期に比べて体力は衰えていたようだが、こればかりは仕方ないか……

 流石に寝ている相手を無理やり起こして自身の欲望をぶつける程俺はモンスターじゃあ無いけれど、正直ヤリ足りないのが本当の所……とは言え、こんな時間に都合の良い相手なんて居る筈も無く、内心ため息を吐きつつも俺は部屋に備え付けられているシャワーを浴びる為に浴室に移動した。

 

 熱いシャワーを浴びながら深呼吸を行い、落ち着かせる事……約10分

 ようやく愚息も現実を受けれ居てくれたようで、元のサイズに戻る事が出来たが……しかし四条社長と一緒の部屋に居れば、すぐにでも興奮してしまうし……とりあえずフロントに行って別の部屋を用意して貰うとするか……

 

 そうと決まれば何時までも裸でいる訳にいかないし、服を着始めた。

 そして最後に財布やスマホがポケットに入ってる事を確認した時だった。

 四条社長とお楽しみの最中に邪魔が入るのが嫌なので、スマホをサイレントにしていたがアイから物凄い件数の通知が来ており……最後の方になると『お願いだから返信してよぉ~』って送られていた。

 

 流石に申し訳ないと思いつつも、アイに連絡したのはフロントに内線を入れて別の部屋に移動した後だったが……まさか泣かれるとは夢にも思わなかった。

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