大晦日のドッキリにてすっかりキャラが定着したのかアイはバラエティー番組の露出が多くなり、今じゃあレギュラーにまでなっておりすっかり売れっ子になってしまったようだ。
反対にゆらは清楚系のイメージも有ったが過激な一面もある事が伝わったのか、ドラマで色々な役のオファーが多くなり忙しそうだった。
……暇よりは良いけれど、働き過ぎると体を壊してしまう事もあるので気を付けて欲しいものだ。
そんな中俺はと言うと……
鏑木からのオファーで春の特別ドラマを撮影する事になったが……誰か他にも良い子は居ないのかと言われたので大輝君とかなとあかねの名前を出したら大層喜んでいた。
その時は特に気にも止めて居なかったが……今思えば迂闊だった。
当日同じ現場に行くわけだし、俺は大輝君とかなとあかねを車に乗せてスタジオに向かった。
「それにしても探偵系のドラマかぁ~面白そうだよねかなちゃん」
「はいはい、あかねは落ち着きなさい」
かなと一緒に演技が出来る所為かあかねのテンションは大分高くなっているが、そんなあかねに慣れたのかかなは見向きもせずに台本を読んでいた。
「兄さんと一緒だから楽出来そうだな」
「……とは言っても私の出番は多くはありませんけどね」
大輝君は主役で俺は脇役ってのはそこそこあるパターンだ。
しかし俺の役は存在感こそあれど、出番は多くないので物凄く難しい役どころだ。
そうこうしていると撮影スタジオに到着した。
「皆さんお待たせしました」
「カミキさんありがとうございます」
「ん!」
「じゃあ兄さん先降りてる」
「わかりました車置いたら私もすぐに向かいます」
3人を降ろして俺は駐車場に向かい車を止めてる。
しかし、3人には悪いけど……まさか『御〇楽少女探偵団』をやるとは思わなかった。
原作はelfなので、そういったお色気は勿論あるもののストーリーは纏まっており、面白かったのは覚えているが……俺が読んだ小説版は確か一話に付きヒロインの女の子と主人公との濡れ場があった筈だし、確か最終話ではヒロインが全員敵に捕まって陵辱されるシーンも有ったような気がするが……? まー演じるのが中学生で有る以上今の時代お色気はパンチラ程度しか出来ないから大分改変されてしまっているが……コンプライアンスは守らなければならないのだ!
そう考えると『高校教師』や『プラトニックセックス』は良く地上波で流せたものだと感心してしまう。
そんな事を考えつつ俺は台本などが入ったカバンを手に取り車から降りてスタジオに向かった。
入口の所で3人と合流し中に入ると既に他の役者は揃っており……こちらを凝視していた不知火フリルが居た。
フリルは俺を見ると速足で近寄って来て……
「カミキさんお久しぶりですね」
「あ……不知火さんお久しぶりです」
「不知火なんて他人行儀では無くてフリルって呼んでください♡」
俺の手を握りつつ、汚れなき目で俺を見ていた。
「……浮気は許されないんじゃない?」
かなはその様子を見ると低い声を出して俺にそう言って来たが……中学生とは言え美少女の手を振り払える男が居るのだろうか?
まー彼女持ちどころか愛人も複数いる訳だし、かなからすれば面白くない光景なのでどうにかしたいのは分かるけど……
「私はカミキさんと繋がれるなら浮気OKだよ?」
「……兄さん?」
「カミキさん?」
「むぅ~」
三者三様とはよく聞くが……4者4様はきついぞ!
「……困りましたね」
中学生だったアイを抱いたのは俺も当時中学生だったからアウトだけど一応セーフの判定にしている。
しかし、俺の見た目は別として年齢はアラサーなので手を出すのは流石にしないが……しないけど……かなの所為で、そのあたりのモラルが壊れ始めている。
心の中では後一年経ったら、思う存分手を出せるのだから我慢しろと天使が叫び、当時中学生だったアイを抱いたんだからかなも我慢せずやっちまえ!って悪魔が嗤いながら晒してくる。
……と言うか、俺の良心はやるなとは言わないところに俺の人間性は反映されているのがショックだった。
「やぁカミキ君。相変わらず手が早いね」
「あれ? みんなもう揃っているのかい?じゃあ30分後に本読みやったらリハーサルしてその後撮影を始めようか?」
振り向くといつもお世話になっている監督さんと面白そうに俺とフリルを見ている鏑木が入って来たが……監督さんは兎も角鏑木は確信犯であった。
「私カミキさんなら構わないよ?」
フリルは上目遣いで勘違いさせる発言をしてきたが、勘弁して欲しいものだ。
「……演技指導で有れば幾らでも付き合いますけど、R指定な事に関してはフリルさんが大人になったら考えます」
「私狙った獲物は絶対逃がさないから」
中学生とは思えない妖艶な魅力を放つフリルは踵を返したが……これが大人になったら一体どうなるのか見当もつかない。
……と言うか大人だったらこの後分からせてやろうと思うレベルなので、本当に残念に他ならない。
とりあえずかなの頭を撫でつつカバンから台本を取り出して、再度確認する
「かなちゃん……嬉しそうだぁ~」
「♪~」
「くぁぁ~兄さん30分経ったら起こしてくれ」
「わかりました」
この後予定がある訳では無いけれど、今日はスーパーで卵の特売日だからあまり時間を掛けたく無いし、さっさと仕事を終わらせよう。
俺は意識を『カミキヒカル』から役の『蘭丸』に切り替えた。