カミキヒカルアナザールート   作:だめねこ

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第179話

 仕事終わりにヒカルさんと出かけるのなんて何時振りだろう?

 

 内心ニヨニヨしながら私はそんな事を考えつつ、ヒカルさんの腕を胸に抱き締めながら車を止めている駐車場に向かった。

 途中関係者の人達に見られたけれど……そもそも私は彼女なのでなんら問題ないのだ!

 ……とは言え、ニノさんを筆頭に私よりも付き合いが長い女性は複数居る訳だし、その事に私も思うところはあるけれど……ヒカルさんに抱かれてからはそんな甘い事を言ってる余裕が全くなかった。

 結論を言えば私一人じゃヒカルさんの相手は無理だったのだ。

 姉や事務所の先輩であるYurikaさんを交えても結局の所ヒカルさんの一人勝ちどころか……まだまだ余裕があるようなのが末恐ろしい。

 可愛い顔をしているのに……やっぱり男なんだよね

 

「ところでヒカルさん何処に向かうんですか?」

 

 駐車場に着きヒカルさんのベンツに乗りそう尋ねるとヒカルさんは申し訳無さそうに答えた。

 

「……今日はスーパーで肉の特売日なんですけど、お一人様ワンパックなので申し訳ありませんが協力して頂けませんか?」

 

 ハンドルを握る左手首に100万以上もするロレックスを巻いてる人間が言うセリフでは決して無いけれど……無いんだけれど……姉もキャバクラで働いて居た時は高価なアクセサリーを身に着けていたけれど、私生活では節約志向だったのでヒカルさんのこういう姿勢は安心出来るのだ。

 

 ただ、疑問なのが……私と違いCMの仕事は受けていないのに年収が私と同じぐらいなのは納得いかない

 勿論その事を以前聞いた事があり、その時の返答が……『ドラマや舞台の仕事もありますけど、それとは別に私は短い時間で高単価の仕事をしていますからね。ゆらさんは大きな仕事をしたら数か月単位で休みますから、その分差が出てしまうのは仕方ないかと……』っていう至って当たり前の事を言われてしまい、ムカついたのでベットに引きずり込んだら返り討ちにあったなんて事はしばしばあった。

 

「ちなみに見返りは何かな?」

「私の家で夕食は如何でしょう?」

 

 ヒカルさんの家で夕食!?

 ならば協力しない訳にはいかないなぁ~

 そう言えば養子のかなちゃんにもしばらくあって居ないし、私がヒカルさんと結婚すればかなちゃんは必然的に娘になる訳だし……これは家族仲を深める為にも必要な事だ!

 

「お金とエコバックは着いたら渡しますし、後ポイントもお願いしますね」

「OK~♪」

 

 私の了承を得られたのか、はたまた特売の日なのか……ヒカルさんはとても嬉しそうにしていたけど、やっぱりベンツを乗り回して腕に高級時計を付けている人間の意見とは良い意味で思えなかった。

 

 そんな事を考えつつもスーパーに着いたのでヒカルさんと一緒に買い物していたんだけど、最後に困った事になってしまった。

 

 最近はセルフレジも導入されているので、ヒカルさんと私はそれぞれ別のレジを操作していたが……バーコードを読み込み過ぎてしまい店員さんを呼ぼうとし周りを見渡すと外国人の店員さんしかおらず、よりにもよって胸には研修中と大きく書かれたバッチを付けていた。

 

 ど……どうしよう! 私英語なんて喋れないし……

 

「ゆらさんどうかしました?」

 

 その時隣のセルフレジを操作していたヒカルさんが私に気が付いてくれた。

 

「あっ! ヒカルさん……実はちょっと商品なんだけど一個多く読み込んじゃったんだけどどうすれば良いかな?」

「それならあちらの店員さんを呼べば良いじゃないですか?」

「そうだけど……私英語喋れないし……」

「それなら任せてください」

 

 私はそう言うとヒカルさんは外国人の店員さんの方を向き、手を上げて……

 

「Excuse me?」

「Yes」

「I'm sorry. I accidentally scanned one more barcode of the product」

「Just a minute?」

「Ok」

 

 流暢に英語を喋るヒカルさんが外国人の店員さんに説明を終えると彼はにこやかに笑い笑顔で対応してくれた。

 

「Thank you for waiting」

 

 外国人の店員さんはそう言うと私達から離れて元の位置に戻って行った。

 

「ヒカルさんって、英語喋れるですねぇ~」

「いえいえ、日常会話程度位しか出来ませんよ?」

「え~! 私なんて全く喋れないからね」

「……今のは中学生レベルなんですけど?」

 

 ちょっと何言ってるのかわからないなぁ~

 

 私は自分の学力を棚に上げて聞こえない振りをした。

 

 その後、買い物も無事に終えてヒカルさんのベンツに乗りヒカルさんの家に向かい、玄関を開けると3人分の靴が会った事から、どうやらニノさん、カナンさん、かなちゃんの3人は既に帰宅していたようだった。

 

「ただいま帰りましたぁ~」

「お邪魔しま~す」

 

 私とヒカルさんはエコバックを持って家の中に入るとかなちゃんが飛び出してきて……

 

「ヒカルぅ~お帰りのちゅ~♡」

 

 私の目の前でかなちゃんはヒカルさんの口にマウスtoマウスをし始めた……。

 こ……これは一体どういう事なのかな?

 

 私は目に力を込めてヒカルさんを凝視した。




真っ黒い星なのか……はたまたギャグマンガ日和のうさみちゃんの目みたいになっているのかは想像にお任せします
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