カミキヒカルアナザールート   作:だめねこ

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第185話

 来月に私達『B小町』の初ライブを行う事になった。

 突然の事で驚きを隠せない私だけど、内心は嬉しさでいっぱいだった。

 何せ私達の最初のライブだし、一体どれくらいのファンが見に来てくれるのだろうか?

 現在私達の動画の登録者は5000人超えているし、全員が来る訳では無いけれど……、元々

アイが居たグループって事もあるし、事務所だってかつての弱小と違ってそう言ったコネだって強いから満員になるのは当たり前だし……うん、そう考えると緊張して来たぁ~

 

 華やかな舞台の上でママみたいに私も歌って踊る姿を想像するとニヤニヤしちゃうけど、前世からアイドルに成るのが夢だったし、こればかりは仕方が無い!

 

「よーし、来月のライブに向けて頑張ろう!」

「おお、ルビーはやる気満々だねぇ~!」

「は……初ライブ……緊張してまうわ~」

 

 メムさんは元々Youtuberみたいなので、余裕があるみたいだけど……みなみちゃんは私以上に緊張していたけれど、なんと言うか……同い年とは思えないくらい女子力を感じた。

 

 とりあえず、今日は解散して練習に関しては明日から頑張る事にして私達は帰る事にした。

 

 

 

「ただいまー」

「お帰りルビー!」

 

 家に帰るとママが出迎えてくれた。

 ママは普段から忙しい筈だけど、今日は休みだったのかな?

 

「あっママ今日仕事休みだったの?」

「そうだよ~」

 

 ママはそう言うと物凄く嬉しそうにしていたけれど何か良い事でもあったのかな?

 

「物凄く嬉しそうだけど何か良いことでもあった?」

「あっ! ルビーわかっちゃう? いやぁー実は今日ねヒカル君と競馬に言って来たんだけど……なんと5000万も儲かっちゃったんだよねー」

「5……5000万!!!」

 

 突然の金額に私は思わずびっくりしてしまった。

 

 今現在私達『B小町』の登録者数が5000人を超えて、動画もママのおかげも有りショート動画も100万再生を超えている物が有るので収益化出来ているが……事務所にも幾らか持って行かれているし、動画の編集などは基本メムさんがしてくれているので私とみなみちゃんに渡される金額は少ないのだ。

 それでも一般的な中学生のお小遣いとしては破格の金額なのである。

 

 そんな訳で私もお金を稼ぐのは大変だと理解しているけど……双子のアクアが今どれ程稼いでいるかはサッパリ分からない。

 中学生で一人暮らししている訳だし、色々と金銭面で苦労する事は分かるけど……事務所で時たま顔を合わせる時はあるけれど、げっそりしているどころかむしろ生き生きとして物凄い健康的だったし、カミキの子かと思う程身長が高くなっていた。

 

「そんな訳で今日は外食でもしない? お金は有る訳だし美味しい物食べに行こ?」

 

 ママと一緒に外で外食! こんなん断れる人が果たしてこの地球上に居るのだろうか?いや、いる訳が無い!

 

「うん! ところでゴローさんは?」

「勿論ゴローさんにはもうライン送ったからお店で待ち合わせだよ」

 

 流石ゴローさん! 仕事が忙しくてもママを優先するファンの鏡だね!

 ママとゴローさんと一緒に外食なんて……幸せ過ぎる!

 ちょっと滑り出しが遅かった部分は有るけれど……それでも今現在何もかも上手く行っている。

 だからきっとライブだって成功するはずだ。

 そんな事を内心考えつつ私はママと共に芸能人御用達と言われるお店にタクシーで向かい、そこで美味しい料理に舌鼓を打つのだった。

 

 そして、次の日私達に更に嬉しい出来事が起きた。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「それでは斎藤社長費用はこちらで負担しますので、後はよろしくお願いします」

「ああ、それはありがたいが……カミキ……お前ルビーに甘くねえか?」

 

 斎藤社長の言うとおり甘いと言えば甘いのだろう

 何せ衣装代からライブ会場の箱代に機材代にスタッフの費用などなど全部俺持ちなのだからな。

 

「私も一応ルビーの親ですし、アクア同様チャンスは与えるべきだと思いましてね」

「……だからって新曲の提供まではやりすぎなんじゃねーか? というかカミキお前一体どんな手を使って、あの姫野千佳を動かしたんだよ」

 

 斎藤社長は驚愕の眼差しで俺の事を見ているけれど……いや、確かに世間的に見れば姫野も見た目は美少女だし、ピアノのと言うか音楽に関しては誰もが認める才女なのはたしかで実家も金持ちでお嬢様ではある。

 しかし、何かと面倒事を持ってくる困った子であるのは確かで勉強面はレポートは勿論卒論まで手伝わされてしまったのは分かるが、ミス東大に出るきっかけになったのは今じゃあ良い思い出……では無いけれど懐かしいものだ。

 そんな訳で姫野には貸しはあっても借りは無いので、こういったお願い事は遠慮なく出来るのだ。

 まーやる事はちゃんとやったけど……それは伝える必要は無い情報だな!

 

「彼女とは大学が一緒だったんでその縁ですね」

「……そう言えばお前東大卒だったな」

 

 別段俺も姫野も東大卒で有る事を隠している訳では無いけれど、世間にはあまり浸透されていないのが現状だ。

 

「それでは私の事はくれぐれも他言無用でお願いします」

「ああ、ちなみに姫野千佳にお礼を言いたい言い出したらどうする?」

「それでしたら、手紙で書いて貰えれば私経由で姫野さんに渡しますよ」

「そうか……わかった。何かあれば連絡する」

「わかりました。それでは……チケット4枚手配して貰って良いですか?」

「それは構わんが……どうせ確保しなくても余るぞ?」

 

 それはそうなんだよなぁ~

 現状ルビー達の『B小町』は登録者5000人程ではあるが……実際にライブまで足を運ぶファンはおおよそ3%もいれば良い方だ。

 ……とは言え5000人に対しての3%なので150人程度なので、俺が抑えた箱は小さい箱で万が一を考えて180人入るところにしている。

 後気になるのはルビー達の視聴者の年齢層だ。

 これが、大人が多いのであればチケット代程度の金額は問題無いが……同じ年齢の中学生が多かった場合チケット代は意外と厳しい物がある。

 

 アイ達が率いた『B小町』のファンがそのまま流れてルビー達の『B小町』にファンなっている訳では無いのは数字を見れば一目瞭然

 しかし、このライブにはかつての『B小町』のファンが少なからず来るのは確実。

 ここでその古参ファンを取り込む事が出来るかどうかでルビー達の今後のアイドル人生が決まる。

 

 我ながらチャンスを与えると言いながらも意地悪をしている気分になるのは気のせいだろうか?

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