カミキヒカルアナザールート   作:だめねこ

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第19話

 アクアを引き取って2日目……

 俺は今……岐路に立っている。

 

 このままアクアの面倒を見るのなら保育園に入れるか……はたまた……中学校に連れて行って面倒を見るか……

 

 経った2日しかアクアと過ごしていないが……アイや雨宮さんが言っていた夜泣きに関しては俺が想像していた物よりも遥かに下で、何にも無かった。

 寧ろ朝まで普通に眠れたし……目覚まし時計の音にびっくりして大泣きしたことぐらいで……それだけだった。

 

 これは俺の前だからそうなのだろうか? それとも元々の性質なのだろうか?

 ちょっとばかし気にはなるけど……流石に試すのは可哀そうだし辞めておこう!

 

 とりあえず……アイと雨宮さんの二人と話あって今後の事を決めるべきだよな?

 

 

 

 アクアを抱っこすると赤ちゃんとは思えない力で思いっきりしがみついて来たけど……いや、絶対に落とさないからリラックスして欲しいものだ。

 

「アクア……そんなに力を入れなくても大丈夫ですよ?」

「あう!」

 

 話しかけると反応はあるようだし、まだまだ喋れないけど意志表示は出来るようだ。

 まーアクアがそれで良いなら良いけど……

 

 

 

 アイの家に着くと……昨日とは打って変わりちゃんと寝れたようで元気いっぱいなアイが出迎えてくれた。

 

「アクアお帰りぃ~寂しく無かった? ママはちゃんと寝れたから元気だよ! だからこっちにおいで?」

 

 アイはそう言うとアクアを抱き締めようとしたが……

 

「あぁぁぁー」

 

 アクアが物凄い力で俺からしがみついて離れなかった

 

「……嘘……ヒカル君に……アクア……盗られた……」

 

 アイはその事実に打ちのめされたが……いや、無理やりはいかんでしょう

 

「あの……アイさん? アクアは赤ちゃんではあるもののちゃんと意志が有る訳だし……力任せに引っ張れば嫌がるものですよ」

「私そんなに力込めて無いもん!」

 

 いや、それはアイが言う事じゃ無くて……優先順位は引っ張られたアクアだからね?

 

「……まーそれは一旦置いといて……アクアをどうしようか話に来たんですけど……この様子だと離れる事は難しいので、アクアがある程度大きくなるまでは私の方で面倒みますけど……それで良いですか?」

「……全然良く無いけど……アクアが……望むんなら私我慢するよ……」

 

 アイは不満たらたらの様だけど……まぁーこればっかりはアクアの気持ちが大事だから仕方ないね。

 

「それにしも……雨宮さんの姿が見れませんがどうしたんですか?」

「ああ……ゴローさんならね……」

 

 俺がそう尋ねるとアイはリビングの扉を開けた。

 そこにはルビーを膝の上に乗せてと一緒にB小町のライブを見ている雨宮さんの姿があった。

 いや、それは問題無いんだけど……両手に赤いサイリウムを持ってテレビからおよそ3、40センチぐらいの距離で見ているのだ。

 雨宮さんの目が悪いのってこれが原因なんじゃないだろうか?

 

「いやー私のファンってだけあって……朝はルビーと一緒に私のライブを見る事がルーティーンみたいなの」

 

 そう言うとアイは照れてるようだけど……俺から言う事は唯一つ……雨宮お前は寝ろよ! 

 

「アクアにも私の良さを教えようと頑張っていたけれど……ちょっとアクアには難しかったかもね~」

 

 いや、俺もアイの良さは良く分からないけど?

 

「そうですか……とりあえず私は帰りますね?」

「わかった! じゃあヒカル君……アクアの事よろしくね」

 

 時間にしてそんなに滞在してはいなかったけど……何となくではあるし、もしかしたら違うのかも知れないけど……雨宮さんの所為でアクアはアイの事嫌いになったんじゃないのか?

 

 とりあえず、アクアの頭を撫でながら今後の事について考えなければいけないな

 

 しかし、保育園なら0歳からの入園も可能と調べたら書いてあったけど……入園条件はどうなのだろうか?

 スマホで調べて見たら……大体が既に締め切りが終わっている状態だった。

 

 これは……もう、中学に連れて行って面倒を見るしかないのか?

 

「アクア……私と一緒に居たいですか?」

 

 言葉の意味を理解しているか分からないけど……アクアは俺にがっちりしがみついて離れようとはしなかった。

 

 2日程度で何が分かる訳でも無いけど……アクアは見た限りかなり大人しいから、校長とかを説得した方が早いかも知れないな。

 ま、最悪は保健室登校でも良いし……何とかなるだろう

 

 

 

 

 

 

 次の日学校に登校していると周りからの視線が凄い事になって居た。

 

 通学路なので当然同じ制服を着ている学生が居る訳だが……アクアを連れている俺をガン見しているのだ。

 その視線から逃れるようにアクアは俺の胸元にしがみついている訳で正直ベビーキャリア……赤ちゃん紐を装着しているから問題は無いけど、俺は俺で荷物があるから通学するのも一苦労だ。

 

 教室に入るとクラスの奴らが一斉にこっちを見始めた。

 

「カミキ君の赤ちゃん……凄い可愛い!」

「カミキ君そっくりだよね? 金髪だし目の色もそっくりだし……」

「ちょっと……後で抱っこさせてくれないかなー?」 

 

 クラスの女子達は概ね高評価であるものの……

 

「おいおい学校に赤ちゃんなんて連れて来るなよな! 授業中に泣いたらうるせーし」

「……そうだよな~俺達これから受験で大変なんだし、迷惑を考えて欲しいものだぜ」

「ま、芸能人様には常識が無いのかなー?」

 

 やたらと絡んでくるのは男子共だけど……

 

「はぁーそうですね。私が言えた義理はありませんけど……今から勉強を頑張ったところでなる様にしかなりませんし、そもそも成績が下から数えた方が早いあなた達にどうこう言われる筋合いはありませんよ。そう言うのを言って良いのは……学年1位の人だけですね」

 

 ちなみに学年1位俺だけどな!

 

「ああ!? 俺は陸上で1位だぞ!」

「では0点チャンピオンでも歌って居れば良いじゃないですか? 私だったら……スポーツだけしか取り柄が無いなんて死んでも言われたくありませんけどね」

「ぐぬぬ」

「権利を主張したいならば義務を果たせよ。それが出来なきゃ黙ってろ!」

 

 学生の本分は勉強だからな……スポーツ大会で結果をどんなに出そうが、それで勉強をしなくても良い理由には決してならない

 

 全く中学卒業までもう後僅かなんだから静かに過ごしたいものだ。

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