ドラマ『特殊捜査員:神裂光のオカルト事件簿』のシーズン2の第1話の撮影は特にトラブルも無く無事に撮り終えて放送された。
しかし、その反響は俺の想定外の凄まじいものがあり、SNSなどで物凄い量の感想で溢れ返っていた。
まー主な内容は光×紗希のカップル推しなのだが、ゆらやフリルの登場により三つの派閥が生まれてしまったのだ。
それと言うのもゆらの役は神裂光の大学生の時の後輩と言う設定なので先輩に甘える後輩と言う分かりやすいシチュエーションにゆらの役が小悪魔っぽい性格なのもあり、ウケが良いのだ。
そして、フリルはと言うと霊能力を持つ中学生という設定な事もあり、1話目の事件現場で出会う少女なのだが……フリル特有のミステリアスな雰囲気と相まって驚く程の嵌り役だったのだ。
まー危険な事から体を張って彼女を守った事もあり、見事に恋に落ちてしまうのはベタな展開なのだが……視聴者には分からないかもしれないが、俺にはフリルの演技は演技に見えなくて本気で落ちている様に思えた。
あと余談ではあるが物凄い少数ではあるもののカミキ×上原の腐女子大喜びのカップリングもあるみたいだが……これは有名税と思い割り切る事にした。
そしてこのドラマの反響に対して物凄い喜んでいる人物がいる。
その人物は……アイだ。
「やっぱり世間は私とヒカル君のカップルを望んでるみたいだねぇ~? ヒカル君ここは世間の為にもゆらちゃんと別れて私と付き合おうよ! ……後私にも朝ごはん頂戴?」
「アイさん? 何朝っぱらから寝ぼけた事言ってるんですか? 寝言は寝て言ってください!」
アイの言葉にゆらが切れるも、アイはそんな事柳に風と言わんばかりに今度はかなの方に向き直る。
「……う~ん、あ、そうだ! かなちゃんはどう思う? これでも私母親としての経験があるからゆらちゃんよりちゃんと出来ると思うよ」
「……星野家の内情を知ってる私に良く言えますね? まーアクアが家を出た理由はアイさんだけが悪い訳じゃ無いけれど……」
「そうなの!? じゃあそれさえ解決すればアクアは私の元に帰って来るのかな?」
「その問題は中々解決しずらいと思いますけど、まー彼女でも出来れば……」
「あ……アクアに彼女なんて早いよ! だってアクアは14歳だよ?」
子供の彼氏・彼女問題にアイは驚きながらも否定し始めたが……15歳で妊娠して16歳で出産したアイにそれを否定する権利はあるのだろうか?
まー少なくとも女たらしの俺にはアクアにどうこう言う事はしないけど……
「とりあえず、お茶漬けで良ければすぐ出しますけど?」
「えー! 私もみんなと同じ物食べたーい!」
「……後はカナンの分なのでダメです」
「ぅぅ……ヒカル君の意地悪!」
アイがそう言った瞬間アイのお腹からアイドルとは思えない位大きなぐぅぅぅーという音が聞こえて来た。
ゆらもかなもアイを見て驚いてしまい、アイはそれを見て照れたように笑っていていた。
内心思う事しか無いが……流石にお腹の音を聞いてしまった以上は無視することはできないので、俺はキッチンに向かいアイのお椀にご飯をよそい、それと空のお皿をアイの前に置いて俺のおかずを分ける事にした。
「うんうん、やっぱりヒカル君はなんだかんだ言いつつ私の事好きだよねぇ~」
アイはそう言うと美味しそうにパクパクとご飯を食べ始めたが……
「アイさん後で食費代貰いますからね?」
「タダじゃ無いの!」
「月に20日以上食べに来ているのであれば文句は言えませんよね?」
「うぅぅ……わかったよ~」
アイはそう言うと悲しそうに再度ご飯を食べ始めたが……食べるスピードは変わらず、何ならすぐさま笑顔になっていたが……納得してくれたのだろうか?
「ヒカル君のタコさんウィンナー美味しい~♡」
アイは恍惚な笑みを浮かべてそう言った瞬間だった。
「私もヒカルさんのタコさんウィンナー食べても良いですよね!」
「ずるい私も食べる……ってもう無いじゃない! うぅ……じゃあ私目玉焼き貰うわ!」
ゆらはそう言うと俺のお皿からタコさんウィンナーを全部強奪し、かなは何をとち狂ったのか俺の目玉焼きを奪っていき……気が付いた時には俺のおかずは綺麗さっぱりなくなっており、残っていたのはご飯だけだった。
「……お茶漬け取ってきます」
せめて一口くらいは食べたかったなぁ~
しかし、そんな事を口に出す事は出来ない為、俺は冷蔵庫からお茶漬けの元を取り出し一人寂しく食べるのだった。
9月から北海道に転勤になりましたのでしばらく更新が遅くなります。