「朝ごはん食べたら今日は恋人らしくデートしようよヒカルさん」
屈託の無い笑顔でゆらはそう言うが……昨日の夜はゆらを抱いて寝ていた為、お互い素っ裸なので俺の視線はゆらの顔よりも下の方に惹かれてしまう。
ゆらは布団を体に巻いて隠すようにしているが、それでも万乳引力の法則で俺の視線は引き寄せられて……ってこれはただ単に俺がスケベなだけの話だな。
「……そうですね。幸い今日はお仕事はありませんし、二人っきりでデートでもしましょう」
「うん♪」
俺がそう答えるとゆらは満足そうに頷いてくれたが、その拍子に布団がずれてしまいゆらの胸があらわになった。
「……ヒカルさんのえっち」
顔を赤く染めてゆらは上目遣いでそう言ったが……ふと時間を見ると普段よりも30分早く起きていた。
昨日は散々出したと言うのに一眠りしたからか、息子は元気になっているし……偶には朝活も悪くないよな?
「ゆらさんは私とのえっちは嫌いですか?」
ゆらを抱き寄せて耳元で囁くとゆらは恥ずかしいのかフルフルと首を振って否定してくれた。
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「今日の朝ごはんは豪華だねーニノお代わり!」
カナンはそう言うとどんぶりのお椀をニノに差し出し、ニノはそれを困った顔しながらもお椀を受け取りご飯をよそっていた。
豪勢なのはゆらとのデートが楽しみ過ぎて今日の朝ごはんは何時も以上に張り切って作り過ぎたのが原因だが……まぁ、偶にはこんな日が有っても良いだろう。
「はぁ~カナンだけでもう3合も食べてる~」
「私はどっかの誰かさんと違ってちゃんと食費はみんなの4倍も払ってるし買い出しも手伝ってるわよ?」
「……本当にどっかの誰かさんには見習って欲しいわね」
「えー一体誰の事だろう?」
アイはとぼけた表情でアッパッパーな事を……ってこれは普段から変わらないな
「「アイのことだよ!!」」
ニノとカナンのダブルツッコミにより流石のアイもしょんぼりしてしまい、箸を咥えながら弁解し始めた。
「……だって一人で食べるご飯よりもみんなで食べる方が美味しいじゃん!」
「ルビーやゴローさんが居るでしょう?」
「ルビーは今日PVの撮影で朝から仕事でバタバタしててご飯も食べずに行っちゃったし、ゴローさんは夜勤明けで今寝てるし……」
ゴローさんは兎も角、苺プロはスケジュールがカツカツなようでアイとルビーの時間が合わない事が多いようだ。
「その点アクアはスケジュール管理が物凄く上手いんだけど……ヒカル君に似た所為か手 帳に記入してるんだよねぇ~」
「私の真似をして結果が良くなっているのなら嬉しいものですね」
うんうん、アクアの成長は親として嬉しい限りだな!
そんな事を考えて居たらカナンが3度目のお代りをそっと出しており、ニノは苦笑いしながらご飯をよそっていたが……
「……カナンは本当によく食べるわねぇ~その栄養は体の一体どこに行くのかしら?」
かなはそういうと不思議そうにカナンの体を見ていた。
これが巨乳とかそういう話であるならばかなの嫉妬で終わる話で、そのあとは俺がフォローすれば問題無いのだが……
カナンは特段大きい訳では無く、むしろBカップなのでかなの方が大きいくらいなのだ。
そんな訳で我が家では一番小さいカナンにそんな事を言えば怒るかと言えば、そんな事はなく……
「いやいや、私達の仕事って体が資本だからご飯はちゃんと食べないといけないじゃん?」
「……言ってる事は間違って無いけれど、カナンのはアスリート超えの運動量だから一緒にして欲しく無いなぁ~」
「今日だって朝からフルマラソンして来たんでしょ?」
「……ランナーズ・ハイって癖になるんだよね」
どうやらカナンは麻薬中毒ならぬランニング中毒になってしまったようだ。
カナンの発言にみんなドン引きしているとその視線に気が付いたカナンは慌てて言い訳をし始めた。
「……で、でも一番気持ちが良いのはヒカルとのセックスだよね?」
「う……うん。確かに……」
「ヒカルさん本当に上手いからね」
「一度でもアレを体験したら他じゃあ満足出来ないし……ほんとうにヒカル君は劇薬だよねー」
「アイにはゴローさんが居るでしょう!」
「も……もちろんゴローさんとは今でもちゃんとヤってるけど……ほら、デザートは別腹って言うか……そういうものじゃない?」
俺はアイの言いたい事は理解出来るが……ニノ、カナン、かな、ゆらにとって男は俺だけなので同意を得られる訳が無いんだよなぁ~
ま、愛梨パイセン四条社長ならアイの言い分に対してちゃんと理解を示してうんうん頷いてくれるだろうけど……
「御馳走様でしたぁ~」
そんな事を考えて居たらゆらは朝ごはんを食べ終えていた。
「お粗末様でした」
「じゃあ、ヒカルさんとのデートだから着替えて来るね♡」
ゆらはルンルンとした足取りで自分の部屋に戻って行ったが……
「ひ……ヒカル君デートって何!? 私聞いて無いんだけど!!!」
アイだけがズイっと顔を寄せて俺の事を問い詰めてきた。
ニノとカナンはそもそも立ち位置が違うし、かなに至っては義理の娘なので表立ってデートは難しいのだが……それを言ったらアイなんか特にアカン筈なのにまるで本妻のような迫力を醸し出している。
どちらかと言えば間男は俺の筈なのに……
「男女で買い物に行ったり、外で遊ぶ事を一般的にデートと言うんですけど……アイさんは知らないんですか?」
「違うの! ”デート”そのもの事じゃなくてヒカル君とゆらちゃんが今日デートする事なんか聞いて無いよ!」
「それは今日決めた事ですからね。アイさんが知らないのも無理は無いかと……」
「私もデートしたい!」
案の定アイは我儘を言い始めた。
「それならゴローさんとデートしてあげれば良いじゃないですか?」
「ゴローさんは一般人だから私と出歩いただけで炎上しちゃうよ?」
そう言えばそうだった。
確かにアイの言う通りそのままデートすれば炎上する可能性はかなり高いし、ドラマの視聴率にも影響が出る可能性はある。
「つまり私がデート出来るのはヒカル君だけってこと♡」
アイは勝ち誇った笑顔で俺の事を見ている。
夜勤明けで寝ているであろうゴローさんには申し訳ないけれど……アイの面倒をちゃんと見て欲しいとこの時ばかりは切実に思ってしまった。