「じゃあ僕はこれから仕事に行くからヒカル君任せたよー」
吾郎さんのその言葉にハッと意識を戻したが……気が付いた時には俺が呼び止める間もなくエレベーターホールにダッシュで向かわれてしまった。
「ほらゴローさんもそう言ってるしぃ~」
アイはそう言うと口をタコのように伸ばして俺の方に迫って来たが……
「はい、アイさん止まってくださいね~」
「ん!?んーーー」
アイの肩を掴み行動を阻止する。
流石に決心したばかりと言う事もあり、俺も自重しなければと言う思いと上手い事逃げやがったな!……と吾郎さんに心の中で毒づきつつも、吾郎さんの考えがさっぱりわからない。
アイはアイドルだったし、吾郎さんはファンであった以上……アイドルに男が居ればファンは発狂するほどキレるのは理解が出来る。
公表した訳ではないがBSS(僕が先に好きだったのに……)を全国のアイのファンにやったのは事実ではあるのだからな。
それなのに吾郎さんはキレるどころか喜んでいた。
もしや吾郎さんにはNTR属性が……いや、そういう訳では無いだろう。
それなら、一体何故?
「あん♡……ヒカル君……んっ……私は……どうすれば……良いの♡」
何故かアイの口からは熱い吐息まじりにそんな言葉が出て来た。
こいつ肩に触れただけでも発情するのか?
確かに柔らかくて何時までも触っていたい気分になるけれど……これは絶対におかしい!
視線をアイに向けると……俺の手はアイの肩を掴んでいた訳ではなく、アイの胸をこれでもかと揉みしだいていた。
そして、ゆらが居るであろう方向から寒気を感じるのは決して気の所為では無い事は確かだった。
「とりあえず、何時までもここに居ても仕方が無いので部屋に入りましょう」
「……っ! 続きはベットって事だね♡私は勿論かまわないよ!」
「うぅ……わ……私だってまだ出来るもん」
物分かりの良い彼女と許される環境で有る事に罪悪感を感じたのは初めてだった。
部屋に戻り、それでは早速だが……
「……ゆらさんは少し待っててくださいね。5分で終わらせるので」
「5分!?」
「さ……流石にそんな短い時間じゃ私満足出来ないよヒカル君」
驚いてるゆらを他所にアイはそんな事を言い始めたが……お前何ぞ5分もかからんわこのポンコツたわけめ!
無言でアイの手を掴み部屋に連れ込み……アイをベットに押し倒した。
「あ……あのヒカル君?」
どこか不安そうな目を向けて俺の事を見ているが……まぁ、アイだし良いだろう!
俺はアイを抱き締めつつ……アイの耳に舌をねじ込み、反対の耳には指を入れた。
「~~~~っ♡!」
アイは声にならない叫び声を上げてると同時に瞬時に果てたようだが……復活も早いので、俺はそのまま刺激を与えたのだった。
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ま、まさか……乱交上等のヒカルさんに彼女である私が後回しにされた!?
驚愕の笑みを浮かべつつ、ヒカルさんの背中を見ている事しか出来なかった私の事をアイさんはヒカルさんにバレないようにニマニマ笑いながら見て来た。
ハッキリ言ってかなりムカついたし、なんで公式彼女である私がお預けされなきゃいけないのだろうか?
いや、これがニノさんだったら理解出来るし、カナンさんだったら納得してあげるし?かなちゃんは……ギリ許そう!
うん……この3人に関しては特殊な立ち位置だから、公式彼女である私はお釈迦様の様に広い心で受け入れてあげるべきだろう。
そもそも女たらしのヒカルさんと付き合うには、こ……この程度の事で動揺しちゃだめだもん!
て……天下の大女優になる片寄ゆらは……う、うろたえないのだ!
……と、どんなに心の中で鼓舞してもバタンと閉じられたドアを見るとまるでヒカルさんに拒絶されたようで悲しくなっちゃう
……だって彼女なんだもん。
そんな事を考えて居た時だった。
「~~~~っ♡!」
アイさん声に為らない叫び声が聞こえて来た。
時計を見るとまだ閉じられて1分も経っていないのだ。
その事に私は疑問を感じてしまう。
いや、ヒカルさんならすぐさま臨戦態勢になれるだろうけど……それにしても声の感じからしてアイさん盛大にイッてるハズだから、それなりに物音とかしてもおかしく無いのに私が想像している事は起こってないのかな?
そんな事を考えて居るとドアが開き、ヒカルさんが出て来た。
「お待たせしました」
出て来たヒカルさんは先ほどと変わらず、服は少しばかり皺が出来ていたけれど……一体中で何が起こったのだろうか?
「あの……ヒカルさん?」
「どうしました?」
私がそう尋ねると可愛らしく聞き返して来たので、意を決して聞いて見た。
「……アイさんはどうなったんですか?」
「寝かせました」
寝かせた? この短時間で? いや、確かに徹夜明けで眠くなるのは分かるけど……事が始まれば眠気が飛ぶほど夢中になるのは私も体験済みだし、さっきのアイさんの声はまごう事無きイッた時の声だったんだけど……?
……でもヒカルさんはこういうことで嘘を吐く人間じゃないし?
「ほ……本当に寝てるんですか?」
私がドアを開けようとするとヒカルさんが私の手を優しく掴み阻止した。
「ゆらさん?……アイさんは今気持ち良く寝ているのでそっとしてあげてくださいね」
一体ヒカルさんはアイさんにどんなプレイをしたのか気になってしまったのはここだけの話だ。