「失礼します」
「どうぞ」
俺は……校長室にアクアを連れてやって来た。
中に入ると校長先生と教頭先生と学年主任の先生と後は担任の先生が居た。
「あーカミキ君……その子の件に関してだろう? 君の家庭環境も考慮して……結論から言うと許可するが……今は高校受験を間近に控えていることから、カミキ君にも配慮をして貰う必要がある。」
「……配慮と申しますと?」
俺が聞き返すと校長先生は申し訳なさそうに告げた。
「申し訳ないが……保健室登校になってしまうのは理解して欲しい」
いやいや、そんなの大した事無いし! 改めて言う程の事じゃない
しかし、それは俺個人の考えで有って校長先生としては……出来れば普通に通わせてあげたいと思っているのだろう。
その証拠に本当に申し訳なさそうにしているし……
「いえ……寛大な対応ありがとうございます」
俺も頭を下げて返答をする。
その後は進路の事を聞かれた位で定時制の所を受験しようと考えていると言ったら……私の方で何とか打診してみるから……是非ここを受けて欲しいと言われたのが総武高校だった。
……というか総武高校ってどこだ?
総武高校の事を考えて居たら……気が付いた時には既に放課後になって居た。
スマホで調べて見たら……総武高校って千葉じゃん!?
東京から通うって結構辛いし……通うのなら引っ越した方が楽ではあるけど……
千葉って確か……ヤバい族がうようよしている筈だよな?
斬人しかり……狂乱鬼しかり……爆羅漢しかり……後は関暴連も来るかもしれない人外魔境のハズだけど……そんなところに俺はアクアと一緒に行っても大丈夫なのだろうか? ……大丈夫な訳が無い!
とりあえず、劇団ララライにでも行って舞台稽古のがてら、パイセン達にも一応伝えておくか……
「おっ! カミキー元気か?」
稽古場に着くと上原パイセンがレベルアップしており片手で逆立ちしながら腕立て伏せをしていた。
いや……本当にパイセンは一体どこを目指しているのだろうか?
「……上原パイセン? 筋肉番付にでも出れば良いんじゃないんですか? パイセンなら良いとこまで行けるんじゃないんですかね?」
「いやいや、俺のは唯の趣味みたいなもんだから……俺みたいな奴があー言うガチのに出るのは駄目だろう」
一体何が駄目なのか分からんが……? まーパイセンがそう言うのならとやかく言うものじゃないしな……
そうだ。
「あっパイセン紹介します……俺の子供のアクアです。アクア自己紹介出来るかな~」
「あう!」
うん……それは返事なのかな?
俺がそう思っているとアクアは上原パイセンを下から上見て……
「あうあ!」
この子……意外と頭良いかもしれん?
「おっ! おおう……カミキの子かぁ……つまり……大輝の弟って事だよな?」
「……そうですけど……まぁー……ハイ……」
まぁー異母兄弟なので有っては居るだけに……なんかなぁ~
そんな事を考えて居た時だった。
「つまり……大まかに言うと私の子って事よね!?」
愛梨パイセンが大輝君をと共にドアをバァン!って開けて話は聞かせて貰ったとでも言うのかのように入って来たけど……
「私とアイさんの子ですので……愛梨パイセンは違いますね」
……うん、腹を痛めて産んだ子が知らない人の子供になっていたら、流石のアイも切れるんじゃないかな?
「……それにしてもアイちゃんは中々ぶっ飛んでるわね。あんなに若いのに子供を産むなんて……」
多分アイも愛梨パイセンだけにはぶっ飛んでるなんて言われたく無いだろうな……っていけない重要な話をするのを忘れていた。
「あっそうそうパイセン達俺しばらくアクアの面倒を見るのと進学先を千葉の高校を進められたんですけど……千葉ってどうなんですかね?」
「え!?」「千葉かぁ~……!?」
愛梨パイセンは目を大きく見開いて、上原パイセンは……あんまり驚いていなかったが……
「お、お兄ちゃん……いなくなっちゃうの!?」
大輝君は物凄くショックを受けていたけど……いや、まだどうしようか決めた訳じゃ無いけど……そんなびっくりするほどのもんじゃないよ?
「ちょっと千葉の高校を進められただけですよ大輝君……だから、まだ行くかどうかは決めかねてますね」
「……お兄ちゃんと離れるのやだ!」
大輝君はそう言うと目をウルウルさせてるけど……大輝君の中ではまるで俺が死地に行くような感じになっているけど……千葉ってそんなに危ない訳じゃ無いよな? いや、関わるとマズイ人達はいっぱい居るわけだけど……
「……そうだな。カミキがどうのって訳じゃ無いけど……今族同士の抗争が多発してるから、辞めた方が良いかも知れないな。変に巻き込まれてた場合下手したら死人が出るレベルだし……」
死人が出るレベルってどういうことだ!?……もしや狂命戦争でも起きてるのか?
そんなん聞いたらますます行きたくないわ!
「……やっぱり東京の高校にしますね」
千葉は魔境過ぎるし……セキュリティーの上原パイセンがそう言うなら、辞めておこう。
君子危うきに近寄らずだ!
そんな話をパイセン達として……俺は後日校長先生達に千葉の総武高校は辞めて定時制の高校に行くことにした。
アクアがある程度大きくなったら、保育園とかに預けて仕事を再開すれば良いし問題は無いだろう……
そんな訳で俺は保健室登校を行う事になったのだが……
「はいアクア君あーん♡」
「あー」
俺が保健室登校にするようになってから休み時間になるとクラスの女子達が殺到するようになってしまい……おまけにアクアの面倒を見てくれて……もとい餌付けしていた。
……アクアは俺に似てるから、将来は女泣かせにならないかちょっと不安になってしまう。……俺が言えた義理じゃ無いけどね。
しかも、俺と違ってちゃんとご飯も食べている訳だから体も大きくなるだろうし……俺の身長なんてすぐに超えるだろう。
「ねぇーカミキ君……ここの問題教えて♡」
それとは別に現在進行形で俺の周りにも女子が居る訳で、テスト勉強を一緒にやっていた。
「良いですよ……ここは……こうして……こうすれば……」
「ん~出来たぁ~ありがとうカミキ君♡ お礼におっぱい触る?」
全く最近の子は……発育も言い訳で……たまんねぇな?
「良い訳無いでしょう! ここは神聖な学び舎ですし、そう言った事は愛し合ってる人同士でやりなさい!」
保健室なので当然保険の先生はいる訳で、この手の発言をすれば当然雷が落ちるのは当然であった。
「あの先生? 彼女も本気で行った訳じゃありませんから、そこまで目くじら立てなくても大丈夫ですよ? ねっ?」
「そうですよ~こんなの唯の冗談ですよ~ ……邪魔するなし」
とは言いつつも彼女もまんざらでは無かったようだから、見えない位置から手を握って上げてフォローもこなす。
「そ……そうよね。冗談よね~まっわかってたわよ。勿論……」
こっちもこっちで後でフォローしてあげないといけないな
残り日数もそんなに多く無いし、受験位軽くこなして卒業までゆっくりしたいものだ。