カミキヒカルアナザールート   作:だめねこ

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第27話

 ニノが再度シャワーを浴びてる間にアクアを寝かしつけるとすぐさまスヤスヤと眠ってしまった。

 しばらくすると、顔を赤く染めたニノが出て来たけど、アクアが気持ちよさそうに寝ているから静かにして欲しいものだけど……

 

「ふーふー♡もぅ駄目♡ヒカルさん♡」

「ほらニノ静かにしないと……また、アクアに裸見られちゃいますよ?」

「うぅ……ヒカルさんの意地悪ぅ♡」

 

 男女が同じベットで寝るので居れば……結局の所やる事は一つなのだ!

 

 

 

 翌朝アクアが起きる前に換気とシャワーを浴びて証拠を消したのは言うまでも無い事だった。

 

 

 ニノが作ったのかはたまた買って来たのか分からないが、用意された朝ごはんは大変美味しくてアクアもガツガツ食べているけど……

 

「アクアそんなに慌てて食べると……」

 

 のどっぱみしますよって注意しようとした瞬間……

 

「うぐぅぅ!」

「はいはい、慌てずに水を飲みましょうね~」

 

 アクアに水の入ったコップを渡すと凄い勢いで飲み始めた。

 

「……くるしかった」

「慌てて食べるからですよアクア君!」

 

 ニノはめっ!って感じでアクアに注意すると、アクアは俯いてしまったが……小さい声で「ごめんなさい」っと謝っていた。

 うむ、間違えたら謝る! コレ大事ね!

 

 

 朝ごはんも終えて今日は特に仕事が有る訳じゃ無いけれど……ニノを連れてララライに行くことになった訳だし……そうなれば当然お留守番なんて1歳のアクアに出来る訳も無いので全員での行動となった。

 

 

 

 ララライの稽古場に着くと既にかなりの人達が舞台の稽古をしており、年齢は俺よりも二回りも上の人が居るけど……劇団歴だけならもはや10年近く経っている俺のが先輩なので必然的に……

 

「カミキさんおはようございます!」

「おはようございます」

「おはよう~」

 

 大体の人が年上なんだけど……率先して挨拶される立場になってしまった。

 

「皆さんおはようございます。ところで上原パイセン知りませんか?」

「上原さんは見て無いですね」

「私も見てないよ~」

 

 ……野暮用かな?

 

「そうですか……ちなみに愛梨パイセンは?」

「愛梨さんなら……あっちで大輝君と一緒に劇の稽古してますよ」

 

 もしや大輝君子役デビューでもするのか?

 まー大輝君4歳だし……ものは試しって事かな?

 

「アクアちょっとあっちに行って大輝君と遊んでてくださいね」

「わかったー」

 

 アクアはそういうととてとてと大輝君のところに歩いていった。

 

 さて、アクアはこれで大丈夫としてニノを見て見ると、ニノは周りをキョロキョロ見て落ち着かない様子だった。

 

「どうかしましたか?」

「……いえ、皆さん凄い集中してて、なんか私場違いじゃないですか?」

 

 あー知らない環境に飛び込むのって物怖じしちゃうし、稽古中って事もあるから、空気が多少ピりついてるけど……

 

「まーお金を貰ってる以上はプロなんで、ちゃんとやって貰わないと困りますからね」

 

 俺がそう言った瞬間だった。

 

「……まったくカミキの言う通りだが、誰も彼もカミキ程のプロ意識を持っている奴は居ないのが悲しい現状だ」

 

 俺の後ろからため息を吐きながら金田一さんが近づいて来た。

 

「金田一さんおはようございます」

「……ああ、おはよう。ところ何で部外者がここに居るんだ?」

「ええ、その件で金田一さんに相談がありまして……今お時間大丈夫ですか?」

 

 俺がそう言うと金田一さんは実に嫌そうな顔し始めた。

 

「……出来れば聞きたくねぇ~なぁ~」

「以前ワークショップやったじゃないですか? その時にB小町のアイが来たの覚えてますよね?」

「……ああ、あの子かぁ~俺も長い事この業界に居るけど、あんな才能の塊のような子は見た事が無いな。まるでアイドルになる為に生まれて来たような子だった」

「……ですね。だから周りの人は皆彼女に夢中になってしまうんですけど……まー得難い才能ですよねっと話が逸れました。まっ端的に言うとアイを超える物を自分達で作ってみませんか?」

 

 俺がそう言った瞬間ニノは物凄くてんぱって……動揺して……オタクみたいに早口でまくし立てて来た。

 

「ちょ……ちょっと待ってヒカルさん! アイを超える? 私が!? そんなの出来る訳無いよ! ……だってアイは完璧で究極のアイドルだもん!?」

「その完璧で究極のアイドルを超えるんですよ。これほど面白くてやりがいのある事なんて中々ないですよニノ?」

 

 俺はニノを真っ直ぐ見て伝える。

 

「私から言わせて貰えば才能なんてものはあやふやなものです。確かに無いよりはある方が良いに決まっておりますが……結局はその程度のものでしかありません。泣いて喚いて叫んでも……現状が良くなることなんて有りはしません。今ある武器で勝負して勝つ!ただそれだけですよ」

「そんな生き方してるのはカミキだけだがな……」

 

 ……金田一さん? 

 

「今ある武器で……勝負して勝つ? じゃあ私の武器ってなんですか?」

 

 ニノがまるで懇願するように俺の肩を掴み始めたけど……揺らすのは辞めてね?

 

「アイドルって言うと……大体の人が可愛い女の子がステージで歌って踊るのをイメージするとおもうんですけど……別段歌って踊るだけがアイドルな訳無いですよね?」

 

 俺がそう尋ねるとニノは困惑して金田一は眉間に皺を寄せ集めた。

 

「例えば……相撲界のアイドルって言えば?」

「え!? 相撲のアイドル?」

 

 ニノはピンとこなかったけど……金田一さんは流石の年齢って事ですぐさまピンと来たようだ。

 

「……貴〇花親方か!」

「そうです……私が言いたいのはただ漠然としたアイドルのくくりってだけではアイに勝てる人はいませんが、アイドルのジャンルを限定すればアイに勝てる人なんてごまんと居るんですよ」

 

 歌が上手いアイドルが居ればダンスが上手いアイドルも居るし、それよりもトークが上手くて下手なお笑い芸人よりも上の子だっていれば、頭脳明晰なアイドルだっている訳だし、何ならゲームが得意なアイドルだって良い訳だ。

 

「私は一回だけB小町のライブを見に行きましたが……さしずめアイさんは目立つのが得意なアイドルであって、それ以外は別段普通だと思いますよ。あえて言うなら絶えず努力はしているので平均以上は有るかと思いますが、全てを凌駕している訳ではありません」

 

 しかし、その努力の量は凄まじいだろうけど……

 

「じゃあ……ヒカルさんが思う私のアイドル像ってなんですか?」

 

 ああ~今思ったのは……

 

「ニノはとにかく料理が美味いのでそっち方面で活躍すれば……」

「「役者関係無いじゃない(か)!」」

 

 二人からのダブルツッコミで耳がキーンとなったが……いや、俺は結構ガチ目な回答してるからね!

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