この間のドラマの撮影が終わって半年が経過してようやく、テレビでの放送となった。
今我が家ではテレビの前に噛り付いて離れないニノがおり、大はしゃぎしながら見ていた。
「ハァハァ……ヒカルさんのJK姿が見れるなんて……こんなの……えっちすぎるよー」
恍惚な表情を浮かべて、荒い息遣いのニノだけど……そんなにエッチすぎるかと言われれば首を傾げてしまうが……うーん、性的なシーンは何一つ無いハズだし、寧ろ出演時間で言えば10分位しか無いハズなんだけど……一体ニノは何を見て興奮しているのか理解に苦しむな
「私の女装よりも……個人的にはニノの学生服の方が需要があるはずですけど?」
俺がそう言った瞬間だった。
ニノの首がグリンと回転して見えた。
いや、実際はあまりにも早い回転だったので、単なる見間違いの筈なんだが……
「そんな事ない! ヒカルさんの普段見える事が無いこの美味しそうな太ももに、私の体全部で包み込んであげたいと思わせる小柄で華奢な体躯に……極めつけはこの視線を釘付けにして離す事なんて出来ないうなじに……私は顔を埋めて嘗め回したいもん」
理性が半ば消し飛んでいるニノはそう言うと俺との距離をじりじりと詰めて来た。
まーそもそも俺は短パンなんて穿かないから、太ももを見られる事が無いし身長が低い事から庇護欲を注ぎやすく……うなじに関してはしたきゃすれば良いさ
「じゃあ……ニノこっちにおいで」
ニノを受け入れる為に両手を広げるとニノは……
「ヒカルさん♡」
甘ったるい声を出しながらガバっとニノに抱きしめられて、宣言通りにうなじを好き放題されている訳だけど……それは俺も同じ事でニノの体を思う存分堪能した。
背中からお尻に掛けて撫でまわすとニノは面白い位に反応したので……俺もおさまりが付かなくなり、今日も一緒に楽しむ事にした。
そんな爛れた生活を送ってはいるものの、ニノもB小町が忙しくなってきているみたいなので、実際に会えるのは一週間に一度くらいだからリフレッシュも兼ねて楽しんではいるし、俺もドラマの撮影が終わったから、仕事も少なめにして週に1回は完全に休みの日を設けるようにしていた。
そんなある日
「ねぇーカミキ明日遊びに行こーよー」
何時ものごとくアヤセに誘われるが……大体魔の悪い事に誘われる前に約束が入ってしまい、遊べずじまいだったが……
明日は……完全OFFのお休みの日だった。
「ええ、明日なら空いてますので良いですよ」
「うぅーまたダメかぁーって……え!? 嘘明日空いてるの!?」
毎度のごとく断っていたのでアヤセも流されてテンプレの様に落ち込んでいたが……明日は休みにしている日だから空いてるのだ。
「ほ……本当に空いてるのね? 嘘じゃ無いわよね? 嘘だったら許さないわよ!」
いや、俺嘘つかないし……
「……いえいえ、明日は本当に空いてますし、先約も無いですから大丈夫ですよ」
急遽仕事が降って来るなんて事はないし、明日はアヤセと遊びに行くことが出来る。
学生らしく健全に遊ぶなんて事も全然有りだし……肉体関係の無い友達なんてのも良いものだろう……とは思っているのだが、アヤセは確実に成人済みなので果たしてそれは楽しめるのだろうか? と言う疑問はあった。
定番と言えば映画やゲームセンターにカラオケやボウリングなんかも良いし、お高い所での食事も楽しそうではあるものの、それは飽きてる可能性があるから難しいものだが……いやーこういうの考えると楽しくなってくるなぁー
「じゃあ……明日新宿の伊勢丹 新宿店のカフェで10時に待ち合わせね?」
「分かりました」
新宿でデートかぁー
まぁーデートスポットなんて新宿なら幾らでもあるし……問題無いだろう?
そして次の日
アヤセに指定されたカフェに約束の時間の40分位前に到着したので、中で待ってようと入るとそこには件の人物であるアヤセが既に居た。
白いブラウスとブラウンのパンツと落ち着いた格好のアヤセがおり、店内は空調が効いてるので、椅子にトレンチコートが掛けてあった。
大して俺は宮崎に行った時と同じく白いロングTシャツに黒いミリタリージャケットとジーンズだ。
「お待たせしましたアヤセさん」
「……入学してからずっと待ってたんだから、これぐらい大した事ないわよ?」
返しが重くないっすかね?
「……これは手厳しいですね」
「うーそ。そんなに真に受けないでよね? 外寒かったでしょう? ホットコーヒーでも飲む?」
「あっ……では頂きます」
さて、ホットコーヒーをアヤセから貰って一息つく
「アヤセさんはこの後何処に行くか決めてますか?」
「うーん……そうねぇ~」
口に指をあてて上を見ながらアヤセは考える仕草をするが……
「カミキがまさかこんなに早く来るとは思わなかったし……それなら映画でも見に行く?」
映画か……まぁー何かしらやっているしそこそこ楽しめそうだな
「分かりました。じゃあ早速行きましょう」
俺が伝票に手を伸ばすとアヤセはサッと奪いすぐさまレジに向かって行った。
この時の俺はアヤセに申し訳ないと思ってしまい気が付かなかったが……どことなく違和感を覚え始めた瞬間であった。
映画館に着くと何を見るかで話し合うのが定番だが……カップルであれば恋愛物でもみるのが妥当なのだが……アヤセが選んだのはB級映画のパロディもので、中々面白く笑いを堪えるのが大変だった。
「やっぱりこういうのはタイトルからしてセンスを感じるよね」
「ええ”ほぼ300”とか……このくだらなさが良いですね」
絶叫シリーズも下ネタは多いけど……個人的にはこっちの方が好きではある。
「じゃあ良い感じにお昼になったし、私のお勧めのお店に紹介するね♡」
「ええ、ではお願いします」
俺はアヤセに連れられるまま……新宿歌舞伎町に足を踏み入れ、ズズいっと奥まで行った時に違和感は形を表せた。
「ここのご飯がすっごく美味しくてね! 今日は何と月一の特別ゲストが来るんだって……」
アヤセは嬉しそうに行ってるけど……お店の名前が『食事処~やりたい放題~』って一体どういうことなんだ?
俺は寧ろ入っても大丈夫なのだろうか?
そこはかとない疑問が出て来た。