例えどんなに疲れていても男には引けない……いや、引き下がってはいけない場面がある。
明日も朝早くから仕事だからってのは理由にならない!
「カミキお願い来て♡」
目を潤ませてカナンはキスをせがむ……
「カナン……可愛いですよ」
カナンをベットに押し倒して俺は……カナンと一線超えてしまった。
キャバクラ嬢であった事は知っているが……カナンはアフターなどは一切しておらず、体は清いままで、俺が純潔を奪う形になってしまった。
今までヤッた事がある人は大体年上である事から年下とやるのはカナンが初めてであったし何より、ヤッてる最中のカナンの反応が良かった所為か……俺も乗りに乗ってしまい気が付けば日は既に上っており、ドラマの撮影までおよそ2時間しかない状況だった。
時たま歯止めが利かなくなることがあるのだが……流石にオールはちょっと厳しいけど、だからと言ってサボる事なんて無責任な事は出来無いし、今後は気を付けないければ……
そんな事もあり、カナンとの一線を超えてからと言うもの元々の才能も有ったのだろうけど、益々それは磨かれたようで、今じゃあネットアイドルと言えばカナンを指す言葉になっていた。
しかし、依然としてアイドルは群雄闊歩時代なので、B小町だけではなく他にも有名なアイドルグループは多く存在するのだ。
そんな中でメディアへの露出は無いものの……カナンはユーチューバーとしては既に成功しているみたいで収入に関してはそこそこ実入りが入っているようで、カナン関連のグッズなども欲しいと意見があるみたいで麗民さんなんかピヨピヨ~って嬉しそうにしていたし……朝風・雷門の筋肉ペアの案件だけでも事務所は大分潤っているし、元関暴連とは言え、財務部門トップであった黒須さんの手腕も凄く瞬く間に黒字を叩きだしてるようだ。
そんな訳で俺は……やっぱり忙しくとてもじゃないが引っ越しするにあたっての物件を探してる暇が無いから上原パイセンに頼む事にした。
「カミキ良い物件見つかったぞ! ちょっと間取りを見てくれ」
「あっ! パイセンありがとうございます」
早速パイセンから貰った物件の間取りを見せて貰ったんだが……
何故かどの部屋も4LDKでお高い金額なのだ。
いや、勿論お金は貯えてるから問題無いけど……3LDKで良いじゃん! 一部屋余計なんだよ。
「あのパイセン……何故4LDK何ですか?」
俺がそう尋ねると上原パイセンはきょとんとした顔をしながら答えた。
「カミキ……俺はお前の事を良く分かってるつもりだ。そんな俺だから断言できる! 寧ろ足りないぐらいだ!」
そんな訳ないじゃないですか! と強く否定したい部分ではあったものの……現実問題同居人カナンと同居予定のニノが居る以上否定なんて出来るはずが無く……
「……少しばかり自重します」
「……まー程々にな」
「じゃあ……パイセンが持って来てくれたこのマンションにします」
ちょっとセキュリティは甘いかも知れないが、そこそこ階もあるし、何より近くにスーパーがあるのが気に入ったが……3年後に俺はこの時の判断を間違えたと後悔する羽目になったが、今の俺は知る由も無く……このマンションに決めてしまった。
「分かった。じゃあ……荷物とかはどうする? 手伝ってやろうか?」
「そうですね。引っ越しの日付をカナンとニノにも相談しないといけないので決まりましたら上原パイセンに連絡します」
「分かった。じゃあ……飯でも食いに行こうぜ! 最近歌舞伎町で良い店を見つけたんだ」
歌舞伎町? 良い店? 何だろうデジャヴを感じる。
「……それってどんなお店何ですか?」
「ああ、確か『食事処やりたい放題』って店でな! 日中は普通なんだけど……夜になると時折もっこり男のもっこりショーが見れるんだ。俺も一回見たんだけど……あのもっこり男の肉体は極上だったぜ」
新宿……歌舞伎町……もっこり男……もしや冴〇獠か!?
「……そうなんですね」
「ああ、俺も色々な奴と喧嘩して来たけど……久々に”こいつには勝てない”って思ったぜ」
そりゃ裏の世界№1の殺し屋だからな……逆に何でやろうと思ったのか気になるが……パイセンにもそう言った危機感知能力がある事に今更ながらほっとした。
しかし、もっこり男のもっこりショーはかなり気になるけど……
「……パイセンちなみにそれって日中はやって無いですよね?」
「ああ、夜だけだな」
流石に未成年である以上は見る事は出来ないよなぁ~
内心でため息を吐きながらも、とりあえず食事処やりたい放題に足を運ぶのだった。
店名は如何なものかと思いつつも料理だけはガチで美味い食事処やりたい放題を後にして、今後の事を考える。
果たして俺は何時まで芸能界で働いて居られるのだろうか?
ここ最近ふとそんな事を考えるようになった。
なまじ定時制の高校に通っている所為か自分よりも年上の人達と関わるからか思考が引っ張られるのだろう。
今の所は四条社長のおかげで、モデルは問題無く出来てるし……役者の仕事も相変わらず性別関係なく仕事は舞い込んで来る。
今現在は高校生というブランドもあるから仕事にあぶれる事は無いだろう。
しかし、高校を卒業した後はどうだろうか……
大学に行かなければそれは大人の扱いと同じ……いや、金銭のやり取りがある以上大人も子供も関係無いか……
じゃあ……俺は一体何を甘えているのだろうか?
そんな事を考えて居る時だった。
スマホから着信が流れて来たからポケットから取り出して見て見ると……有馬の名前が表示されていた。
「もしもし、有馬さんどうしました?」
どこもかしこもどの局では引っ張りだこで俺以上に忙しい有馬からこんな真昼間から電話が来るなんてなんかあったのか?
なんて思っていたが……有馬の声を聴いた瞬間だった。
『かみきぃー……パパとママがぁ……喧嘩しちゃって……私どうすれば良い……』
有馬は涙声でそう告げるも、俺には喧嘩の理由はすぐさま見当が着いた。
……有馬の父親が会社務めで年収500~600万ぐらいだとすれば 有馬は単純にそれの何倍も稼げてしまうだろう。
そして、子が親より稼げる状態っていうのは決して良い事では無いのだ。
金は人を魔物に変える。
一般の人が普通に働くよりも、芸能界での稼ぎの方がとんでもない金額になる。
自制心が有るか無いか……いや、もっと言えば良い人悪い人が問題では無く、明確に格差を感じてしまうのが原因なので有馬の家庭はなるべくしてなったのだろう。