カミキヒカルアナザールート   作:だめねこ

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第5話

『あっ! もしもしヒカル君? 今時間大丈夫?』

 

 時刻は23時を回った所で、もうボチボチ寝ようとしていたが……ま、良いとしよう!

 今時の中学生ならこの時間帯はまだゴールデンタイムなのだろうけど、モデル仕事に勉強もやっている俺にとっては寝れるんだったら早く寝たいところだ。

 

「……大丈夫ですけど、何か用事ですか?」

 

 そんな事を言いながらも今ふと思った事がある。

 アイってそう言えば俺の一個上だからまだ中学生だよな?

 宮崎の病院に出産するためにアイドルを休止して入院している訳だけど……学校には連絡しているのだろうか?

 『妊娠したので、子供を出産する為学校休むねー』ってバカ正直に言うとは思えないけれど……同じクラスの女子達なら体育の授業とかで着替える傍らに裸を見る機会位は有るだろうから……妊娠したとは思わなくてもお腹が大きくなっている事には勘ずくと思うし、ましてや双子ならそれ相応に大きくなるはずだから、アイがどんなに食いしん坊キャラで誤魔化しても誤魔化し切れる訳が無いと思う。

 つーか、学校ちゃんと行ってるよな?

 

『あーヒカル君にはちゃんと言っとかないとって思ってね~』

「それで要件は?」

『ほら、私妊娠したって言ったじゃん? で、その時子供は無理かな~って言ったけどやっぱり産むことにしたの』

「……そうですか、それで私に何をしてもらいたいですか?」

『う~ん特には無いけれど……赤ちゃん見たくない?』

「そうですね。出来る事なら見て触れ合いたいですけど……良いんですか?」

『何で? ヒカル君とは別れたけど……君の子でもあるんだから別に会っても問題無いでしょ?』

 

 随分とあっけらかんと答えているけど……多分原作で死んだ理由が”人の気持ち”を考えて無いからだと思う。

 いや、決してアイに死んでほしい訳じゃ無いし、よりを戻すとかそんな気持ちは一欠けらも無いけれど……

 

「……分かりました。それでは出産日を教えてくれませんか?」

『来月の10日辺りだよ』

 

 スケジュール帳を取り出して予定を確認する。

 とりあえず今現在は予定は入って無いから…… 4泊5日位するとしよう。

 

「分かりました。ではその日に合わせて病院に伺いますが、どこの病院ですか?」

『えーっとちょっと待ってて……確か宮崎の高千穂ってところにある山の上の病院だよ』

「……宮崎ですか」

 

 やっぱり宮崎か……原作ではリョースケとカミキヒカルが行ったって書いてあったような無かったような気がするけれど……

 グーグルマップで調べて見たら、電車で行ったなら片道5万近く掛かり6.5時間と中々な時間だし、車だったら高速を使っても17時間以上と一日を無駄にするレベルである。

 実際に仲の良い友達同士で行くにしても6.5時間と言うえげつない時間を過ごさないと行けないし……ましてや車で17時間だから往復でほぼ2日間なんて罰ゲーム以外の何物でも無い!

 

 原作のカミキヒカルだって中学生の時期はお金はなさそうだし、リョースケは……果たしてお金が有ったのだろうか? 電車で行くなら往復10万飛ぶし、その後レンタカーも借りないと行けない訳だから……普通にバイトをしてるだけじゃそんな大金は用意出来ない筈だけど……消費者金融にでも駆け込んだのかな? もし、そこまでぶっこんでるんなら殺意増し増しだよな。

 車だとしても、途中休憩入れないと寝不足で事故る可能性が高いから……無理せずに行くとしても片道2日……往復で4日は見ないとだめだし、その間に普通なら冷静になる筈なんだよな……

 

 ……ファンの執念って怖いな

 

『じゃあヒカル君当日待ってるからね』

「わかりました。それでは……」

 

 アイとの通話を切って考える。

 

 うん、こんなやべー奴を暗い山の夜道で相手なんかしたら、普通に殺されそうだなぁ~

 嫌だなぁ~行きたくないなぁ~

 でも、子供を見捨てる訳には行かないし……しょうがない。

 出来れば巻き込みたく無かったけど……正直俺には手が余る問題であるし……上原パイセンに着いてきてもらおう。

 もう時間が遅いから……明日お願いしよう

 

 

 学校では文化祭の準備を始めるとか言ってたけど……芸能人って事でお仕事があるので~って言うことで免除してもらえたから、早速ララライの稽古場に行くとそこには頼れる上原パイセンが居た。

  

「上原パイセンお願いがあります!」

「おう。分かった俺に任せろ!」

 

 上原パイセンは笑顔で承諾してくれたけどまだ何も言ってないから!

 

「……お願いの内容なんですけど、来月の8日から12日まで俺と一緒に宮崎の高千穂って所に着いて来てほしいです」

「任せろ! いやーカミキと旅行なんて楽しみで仕方がないな!」

 

 上原パイセンはそう言うと物凄く楽しそうにしていけれど……

 

「……ヒカル? ワタシモイッショニリョコウイキタイ!」

 

 カタコトな喋り方で目から光が無くなった愛梨パイセンがこっちを仲間になりたそうな目で見ていた……出来る事なら俺だって愛梨パイセンと海とか行きたいけど、今回は理由が理由だし諦めてください

 

「お兄ちゃん……旅行いいなぁ~僕も行きたいなぁ~」

 

 自己主張をあまりしない大輝君がおねだりするとは……この願い叶えてあげたいけど、ちょ~っと危ない橋を渡るから今回は我慢して欲しいものだ。

 

「大輝君は今度別の所に一緒に行きましょうね? 具体的には私が車の免許取りましたら北は北海道……南は沖縄までどこでも連れていってあげますよ」

「お兄ちゃん良いの?」

「ええ、勿論です。なので今回は上原パイセンと下見がてら行ってきます」

 

 車の免許を取る理由が出来たが……免許は持ってて損は無いし、16歳になったらバイクの免許取って大輝君と二人で旅行も悪く無いな!

 

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