マンションの通路でギャーギャーしているのは問題なので一旦我が家にて話合いをすることになったんだけど……
「な……なんでここにアイが!? カミキどういうことなの!」
慌てふためくカナンを抱きしめて落ち着かせる。
「カナン……それなんですが、隣に引っ越して来たようですね。私もびっくりしました」
俺がそういうもカナンの中ではまだアイに対しての感情に決着がついていないようで、どうすれば良いのか持て余してるようだけど……
まぁー俺に出来るのはこうして後ろから抱きしめて頭を撫でて落ち着かせる位しか出来そうにないな
「うぅ~こんな偶然があるなんて……」
そうだな……こんな偶然があるなんて思わないよな。
もしも知って居たら……パイセンには悪いけど俺はこの物件を選ばなかった訳だし……
そんな事を考えて居る時だった。
「あ~最近人気のネットアイドルのカナンだよね? いや~一度会って見たかったんだよね~」
アイはカナンの地雷を意図も容易く踏み抜いたった。
「カミキ……ワタシ……アイ……ナグル……イイ?」
カナンがガチでヤバい位キレてしまった。
一応ギリギリで理性はあるようだけど、喋り方がインディアンみたいになっている。
カナンの声はくっ付いてる俺にしか聞こえない程小さかったから……アイには聞こえてはおらず、今もアイドル顔でいる訳だけに度し難い部分があるし……俺も相手がアイじゃ無ければちょっと分からせてやろうかなって思ってしまう位カナンには同情してしまうので、気持ちは分かる……分かるけど……それは許可出来ないな
「カナン……私を見なさい」
憎悪に目を燃やしてるカナンだけに早急に対応しないと取り返しのつかない事になりそうなので、小柄のカナンを無理やり反転させて、カナンの顔を両手で固定してキスする。
「んー!? んぅー! ん……♡ ちゅ♡……れろ♡……ぷはぁー」
突然の事に目を白黒させて少しばかり抵抗していたけれど……次第にそれも弱くなり最後にはカナンからしがみついて来た。
力技ではあったものの、何とかカナンの爆発は避けられたが……雨宮さんとアイは俺とカナンのキスを見て驚きの余り固まってしまった。
とりあえず、カナンの視界にアイを入れない様に無理やり俺の胸元に顔を押し付ける。
これで大丈夫だろうと思ったら……
「マ……パパー! 僕も抱っこ!」
今度はアクアが突撃して来たが……
「アンタさっきからカミキの事ママって呼びかけてるけど……カミキは男よ?」
有馬がアクアにとって言ってはならない真実を告げてしまった。
「違うもん! パパはママだもん! 変な事言わないで!」
しかし、アクアにとってそれはとても信じる事が出来ずに大きな声で反論するが……
「何も違くないわよ! アンタと同じでカミキは男よ! カミキもちゃんと言ってやりなさい」
これでもアクアには何度か伝えてるんだけどなぁ~
「……パパは本当にママじゃないの?」
アクアはこの世の終わりみたいな顔をしてるけど……そんなに重大な事なのだろうか?
確かにアイがママってのは見た目的には文句は無いけれど……性格がアッパッパー過ぎるし、行き当たりばったりだからちょっと、いや、かなりキツイから厄介限界オタクのゴローさんかルビーみたいにアイの事を第一に考えてなおかつアイの事を愛してると胸を張って叫べるレベルじゃないと一緒に暮らすのは厳しいよな。
まぁーだからと言って実の子が母親をお姉ちゃん呼びするのはどうかと思っていたし……これはいい機会かもしれないな。
目に涙を溜めていつ決壊してもおかしくないアクアに俺も覚悟を決める時が来た。
「……私はアクアのママじゃなくてパパですね! 前にも言いましたがママはアイさんです」
俺がそう言った瞬間アイは今がチャンスと思ったのか、とびっきりの笑顔でアクアの前で膝立ちになり両手を広げてアクアを受け止める準備をするも……
「私がママだってヒカル君も言ってるし、アクアも諦めて私の事ママって呼んじゃおうよ」
「うっうっ……うわぁぁぁん……パパがママじゃないなんてそんなのやだよぉぉぉ」
余計な一言を言ってしまいアイの目論見破断してしまい、アクアはその場で大泣きしてしまった。
「……なんで……なんでアクアは頑なに私のママ呼びを拒むのかな……?」
行き場を失った両手をどうすれば良いのか困惑しているけれど、流石のアイも傷ついたようでショック受けてしまったようだけど、そこは何も言わずにそっと抱きしめてあげれば良かったのに……欲望駄々洩れだったのが敗因だ。
「ママ! 抱っこして!」
「ルビー! ぎゅうぅぅ」
「ママぁ~!」
今まで雨宮さんの背中にへばりついて黙っていたルビーだけどいいタイミングでアイを慰めに行ったけど……ルビーがアイの事が大好きだからこそってのもあるし、今回みたいな事は俺が知らないだけどアイの事をルビーが慰めて居たんだろう。
ちょっとルビーの表情が邪な気がするけど……まぁ親子なので良いとしよう!
それは兎も角アイはもうちょっと人の心に寄り添わないと、アイが欲しいモノは手に入らないと思うけど……まぁー今の様子を見るに中々難しそうだな。
「……アクア一つ聞きたいのですけど、どうして私がママじゃないと嫌なんですか?」
「だって……パパってママなんだから女性なんだよね?」
「いえ……さっき有馬さんが言った通り私は男なのでパパですよ」
「髪の毛長いのに?」
「長くてもです」
「スカート履いてるのに?」
アクアの発言にぎょっとした顔をするゴローとルビーだけど……
「あれは仕事ですね」
「……アイお姉ちゃんよりも良い匂いがするのに?」
なんだそれ? 俺香水なんて使って無いしシャンプーも石鹸だって市販のものなんだが……と思いつつ今胸に抱えてるカナンを見ると深呼吸してるように見受けられるが……どうなんだ?
「それでも男ですね」
ちゃんと一物着いてるし……そこだけはちゃんと主張しないとな!
「……わかった。パパはパパなんだね」
そうだねパパはパパであってママでは無いからね。
これでようやくアクアも落ち着くだろうと思った時だった。
「だけど今は私のパパよ!」
背中に軽い衝撃を受けたと思ったら有馬の顔がすぐ近くにあり……
「ぎゅー」
有馬は力強くアクアに見せつけるように抱き着いて来た。
「むぅぅパパは僕のパパだもん!」
アクアがここまで感情を出したのを初めて見た。
人としては喜んじゃいけないかもしれないが……親としては子のこう言った感情を嬉しくおもってしまう。
「あーもう長くいるし……これ以上は迷惑だからそろそろ帰るぞ」
区切りとしては良いかも知れないし、確かにこれ以上爆発するのは勘弁して欲しいから雨宮さんの提案は嬉しい限りだ。
「そ……そうだね。じゃあルビーとアクア帰るよ」
「うん♪」
「……うん」
ルビーはアイに抱きかかえられてて、一人だけ良い空気吸ってそうだけど、転生者なんだからそれぐらいの特典が合っても良いと思うけど……ほんの少しぐらいはアクアにも目を掛けてくれないかな?
ちょっと寂しそうにしてるアクアをさり気なく雨宮さんが手を繋いでフォローしてる所に星野家もどうやら家族になりつつあるようで、嬉しいような悲しいような気分になった。
「そう言えば……ニノ帰って来るの遅くない?」
有馬からそう聞かれて時刻を見ると21時を過ぎようとしていた。
年齢的には我が家でダントツ一位なので当然……
「……ドラマの撮影で今日は深夜までかかるそうです」
「……今月ドーム公演もあるのによくやるわね」
「……でも深夜って事は電車無いけど、ニノはどうやって帰って来る気なんだろう?」
有馬とカナンの疑問は口にするけど、それは……
「私が迎えに行くことになってます」
「「え!? カミキが……?」」
明日も早くから大学あるから、あんまり遅くならないで欲しいけど……撮影は一人で行うものじゃなくてみんなでやるものだし、良い画を取る為には時には何度もリテイクが必要だし……果たして何時に終わるのだろうか?
とりあえずエナジードリンクキメて連絡が来るまで課題でもやるか……