「……さん……アイさん起きて下さい! 家に着きましたよ!」
「はっ! あ~もう着いたんだぁ~。ミヤコさんの運転は安全だからよく眠れたよ~」
「ハイハイ分かりましたから今日はもうゆっくり休んでくださいね」
「勿論明日も頑張らないと行けないからね♪」
ミヤコさんの車から降りて私はマンションに入りエレベーターホールに着くと丁度エレベーターが降りて来たけど……
其処には見慣れない黒髪ロングの女性と褐色肌の人当たり良さそうな青年が出て来た。
私もそこそこ長くこのマンションに住んでいるけど……はて? こんな美男美女のカップルなんていたっけ?
ま、私も住人全員を把握してる訳じゃ無いから、最近引っ越して来たカップルで間違いないよね?
軽く会釈だけしてすれ違った時だった……とても小さい声だったけれど、確かに私には聞こえた。
「(へぇー……これが星野アイか……凄いアイドルって聞いたけど実際は大した事無いピヨ)」
「フーミン? どうかしたか?」
「……何でもないピヨ。さて、明日の企画の準備を頑張るピヨ」
「そうだな……場所もそうだけどやるべきことはいっぱいあるしな」
二人の会話の内容は分からないけれど……あの女性は確かに私の苗字を当てた。
私の苗字を知ってる人なんて極々僅かな人間位しかいないはずなのに何で知ってるんだろう
そんな疑問が頭に浮かんだけれど……初対面の人間にそんな事聞ける訳無いし、今日はもう疲れたからアクアとルビーを抱っこしてそのまま眠りたいって事もあり、その時の私は気にも止めなかった。
そのままさっきエレベーターホールで会った事なんてすぐさま脳内から消して私は部屋に向かうと丁度ヒカル君の住んでる部屋からアクアとルビーが出て来た。
「あっ! ママお帰り!」
ルビーは満面の笑顔を浮かべて私に抱き着いて来た。
あ~ルビーは可愛いなぁ~ルビーが居るだけで私の疲れ何て吹っ飛んじゃうし……これからもう一仕事出来ちゃうね!
「マ……お姉ちゃんおかえりー」
反対にアクアは眠たそうな顔をしているけれど……最近は子役の仕事も順調だからちょっと疲れてるみたいだった。
あと、今もしかしてママって呼びそうになったのかな?
もう~アクアのお姉ちゃん呼びも良いけれど……やっぱり一番はママ呼びだよね! ……パパもママもヒカル君に呼びかた取られちゃってるけど……私は決して諦めない! アクアが大きくなったらそれこそママ呼びなんてされなくなるだろうし……お母さんならまだ良いけれど……アイ先輩って呼ばれる可能性もあるんだよねぇ~
そればっかりは仕方のない事だし、世間に公表しようものなら炎上待った無しだから……諦める……訳ないよ! 星野アイは欲張りなアイドルだから絶対にアクアにママって呼んで貰うもん!
ヒカル君には絶対に負けないんだからね!
「じゃあ……外にいるのも何だし中に入ろうねー」
「うん」「はーい」
ルビーとアクアを連れて私は部屋に戻った。
「……ところでアクアとルビーはもうお風呂に入った? まだだったら今日は3人で仲良く入らない?」
「ママとお風呂!? 私一緒に入る!」
ルビーはピョンピョン飛び跳ねてる事から賛成の様だけど……
「僕は一人で入るから大丈夫だよ?」
何時からだろう……アクアと一緒にお風呂に入らなくなったのは?
それとも世の中の家庭は小学生の子供とは一緒にお風呂に入らないものなのかな?
ま、私には関係ないんだけどね♪
「だーめ。アクアも一緒に入るんだよ。私がちゃーんと洗ってあげるからねー」
「あっなら私がママの背中流してあげる!」
「ルビーは良い子だなぁ~うりうり~」
ルビーの頭を撫でてあげるとルビーもキャッキャッと喜んでいた。
「えへへ~ママと一緒にお風呂♪ お風呂♪」
うーんやっぱり私のあふれ出る母性は隠しきれるものでないかぁ~いやぁ~困った困った!
さて、逃げ出そうとしている下手人を後ろからがっちり捕まえて~
「……お姉ちゃん離してぇ~当たってるからぁ~」
口ではそんな事を言うアクアだけど……抵抗なんてしたことも無くぎゅっと抱きしめると途端に体から力が抜けちゃうようで最後は私にされるがままなんだよねぇ~
う~んこれが”嫌よ嫌よも好きの内”って恐らくこういうことを言うんだろうなぁ~
「まぁ~まぁ~アクア私達は親子なんだから気にしない気にしない♪」
更に抱きしめるとアクアは耳まで真っ赤にして恥ずかしいそうにしているけれど……もぅ~可愛すぎるよぅ~なんだってうちの子はこんなにも天使なんだろう? 天使だからかな? そうに違いない!
こうして私はアクアとルビーと共にお風呂に入ったけれど……いざお風呂に入るとアクアは私の裸をじっと見ているけれど……うーん、年頃なのかな?
それにしてもそんなにジッとみられると流石の私も恥ずかしいけど……男の子ってそういうものだしこればかりは仕方が無いかも……
そう心で思いつつもお風呂を堪能して今日は三人で川の字になって寝た。
ルビーは一緒に寝ると抱き着く癖があるのか、いつも私の胸に顔を埋めて寝ているから寝返りをする時注意しないといけないし、反対にアクアはくっ付いて寝ると借りて来た猫みたいになるか双子でも性格は全然似て居なかったりする。
うん、私はまだ頑張れる!
今月こそヒカル君の養育費の金額を超えてやるんだ。
そんな事を考えながらも私は布団で寝始めた。
数日後
ようやく待ちに待った給料日!
今月は特に頑張ったし……給料も期待できる!
実際問題アイドルを卒業するまでにある程度の金額を溜める事さえ出来れば例え仕事が無くなっても生活は出来る訳だし、問題は無いけれど……やっぱりは世の中お金なので今が頑張りどころだ!
通帳と自分の給料明細を確認して……私は膝から崩れてしまった。
「……ヒカル君からの養育費の金額が……あ、上がってるぅ!」
いや……だって……絶対におかしいよ! こんなのありえない!
「アイどうしたんだ?」
「ご、ゴローさん……ヒカル君から今月分の養育費なんだけど……更に金額が上がってるの!」
「マジかよ! ちょっと見せてくれ!」
ゴローさんに通帳を見せるとゴローさんも驚きの余り声に為らない悲鳴をあげていた。
一体ヒカル君はどんな手段をもちいているんだろう?
私気になります!