カミキヒカルアナザールート   作:だめねこ

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注意:カミキの額とんとんは龍が如くの真島の兄さんであって、ファブルの佐藤兄さんの変顔とんとんではありません。


第76話

「ねぇ~ヒカルくーん競馬場に行こーよー。お金稼ごうよー」

 

 俺の腕をグイグイ引っ張りながらアイは猫なで声でそう言うけれど……

 いや、正直な事を言えば……現在俺の中のバランスは奇しくも整っているから当てる事に関しては問題無いけれど……正直今から行っても最終レース位しか間に合わないし、ラーメンが間もなく到着するし……はてさてどうしたものか?

 

 そんな事を考えて居る時だった。

 家のインターホンが鳴り響いた。

 

「……どうやら出前が到着したようなのでアイさんはここで大人しく待っててくださいね」

「え~どうしようかな~? ヒカル君が競馬場に行くって約束してくれたら言う事聞くけど?」

 

 アイはそう俺にニヤニヤ提案して来たけれど、どんだけ競馬に嵌ってるんだよ!

 

「……一緒の部屋に年頃の男女が居て、何も起きない訳が無いと世間は思うだろうし、そうなればアクアとルビーも大変になるかもね」

「……分かりました。一緒に競馬場に行きます。……けどそれは明日でお願いします」

「本当は今日が良かったけど……ま、良いよ今週は私休みだしね!」

 

 テヘって擬音が出るような表情をして誰もが魅了されるその目が……正直イラっと来るけど、ここはグッと我慢だ。

 アイじゃ無ければ、ベットに連れ込んで足腰立たなくなるまで分からせてやれるのに……流石に元カノ……元カノ? あれ? 俺……アイと付き合ってたっけ? 何回かやってはいたけれど付き合っては居なかった気がするし……うーん、まーあの書面は手元にあるから問題無いし……あまり気にしない方が良いよな!

 

 とりあえず俺は考える事を放棄して、外で待っているであろう出前の人の対応に向かう。

 玄関を開けると若い青年がおり、おかもちから熱々のラーメンを取り出してくれたが……俺はそれを見て絶句した。

 

「お待たせしましたラーメン次郎家です! こちらがご注文の夏の次郎家スペシャルです! 金額が1.980円になりまーす」

 

 画像は見て無かったから物は分からなかったが……俺の想像を遥かに超える量だった。

 もやしとキャベツで既に山が出来ており、どんぶりも大分大きいので……これは中々食べ応えがありそうだな。

 

「……はい、じゃあ2.000円からお願いします」

「畏まりました! 20円のお返しになります。食べ終わりましたら器は外に置いて貰えれば大丈夫です」

「分かりました」

「では失礼します」

 

 青年はぺこりと頭を下げると階段の方にダッシュで走り去っていた。

 

「……ヒカル君もう大丈夫?」

 

 アイがひょっこり顔を出して聞いて来た。

 玄関のドアはもう閉めてるから問題は無いな

 

「ええ……じゃあ、私はお昼頂きますから、アイさんもそろそろ自分の部屋に戻ったらどうです?」

「いやいや……ヒカル君そのラーメン凄い量だけど一人で食べられるの? 私も手伝ってあげようか?」

 

 アイはそう言うと食べたそうにこちらを見ていた。

 時刻はお昼を回っており、丁度アイのお腹からぐぅぅぅっとアイドルとは思えないお腹の音が鳴った。

 

「お腹減ってるんですか?」

「……流石に500万のショックが大きくて昨日は食欲が無かったけど……今なら何でも食べられるよ!」

 

 そらぁ~500万失えばショックで食欲なんて消えるわなぁ~

 ま、流石の俺もこの量を食べきれるかは何とも言えないし……アイにも多少は手伝って貰うとするか!

 

「分かりました。じゃあ……一緒に食べます?」

「食べる!」

 

 その後……小皿と蓮華を2つ用意して、俺とアイで特盛ラーメンを見事食べきった。

 アイも結構頑張って食べて居たけれど……多分1/3も食えて無かった。

 まー普通のラーメン屋の大盛レベルではあるんだけど……久しぶりにいっぱい食ったが、しばらくラーメンは見たく無いなぁ~

 

「ヒカル君……ごちそう……様でし……た」

 

 お腹を抑えてはいるものの結構な量ではあったので若干アイは苦しそうにしていたが……

 

「アイさん……食べ過ぎるのも体に毒ですから気を付けてくださいね」

「私……より……食べて…………たのに……なんでそんなに……平気なの?」

 

 アイは苦しそうにそう聞いて来たけど……まぁー男なんて皆そんなもんだよ。

 

「……それはお腹減ってましたしね」

「うぅ……納得いかな……い」

 

 恨めしそうにこっちを見ているアイだったけど……よろよろと歩きながら出て行った。

 この様子なら明日の競馬は無理なんじゃないかなと個人的には思っていたが……

 

 次の日

 

 そこには元気な姿を見せるアイと済まなそうな顔をしてるゴローさんが居た。

 

「アイさんもう大丈夫なんですか?」

「勿論だよ! 今私は気が道々ているからね♪」

「ヒカル君……うちのアイが迷惑をかけてしまい本当に済まない」

「いえいえ……私もアイさんに競馬の事を言ってしまったのでお互いさまです」

 

 ゴローさんは本当に申し訳なさそうに謝ってくれたけど……まぁー責任の一端は俺にもあるし……今回は仕方ないけど、稼ぎに行くとしよう。

 

「じゃあ……アイさん行きますよ」

「うん♪」

 

 ゴローさんは夜勤明けなので、一緒に来ることは出来ないから……アイと一緒に競馬場に向かう事になったけど……

 

「じゃあ、今開けるので車に乗ってくださいね」

「わぁ~私ヒカル君の車に乗ったの初めてだよ~」

 

 そりゃそうだろ……だって俺の車に乗る用がアイには無いんだからな!

 

 俺は当然運転するので運転席に座ったが……有ろこうとかアイは助手席には座り始めた。

 いや、文〇砲が炸裂しても知らないからな!

 

 俺の内心とは裏腹にアイのテンションは大分高くなっておりパタパタと落ち着きなくキョロキョロしていたかと思っていたら急に歌い出した。

 

「今日何賭けた? 好きな馬は? 遊びに行くならどこ行くの? 何も賭けて無い? それは内緒 何を聞かれてものらりくらり♪」

 

 なんかどこかで聞いた事があるフレーズの歌だけど……まぁ上機嫌に歌ってる所に水を差すのもどうかと思って聞き流す事にした。

 

 

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