カミキヒカルアナザールート   作:だめねこ

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第84話

「カミキさん……昨日はお姉ちゃんが無理言ってごめんなさい」

 

 ゆらはそう言うと勢いよく頭を下げたが……まぁ、アヤセから頼まれて内容は大した事じゃあなかったし? それは問題じゃ無かったけれど……せめて夕飯時じゃ無ければなー

 あの後ニノとかなをなだめて急いでアヤセの所に行くことなり……家に帰ったのが23時を回りニノとかなが作ってくれた夕飯を食べたのが深夜だった。

 

 この時かなが居なければ……ニノをベットに連れ込んで慰める事が出来たけれど、かなが居る手前そんな手段を取る訳にもいかないし……ナチュラルにかなをのけ者にしてる自分の思考のクズっぷりに罪悪感を覚えてしまった。

 

「……いえ、そんな大した内容じゃないですし、ゆらが気にする事じゃないですよ?」

「……出来ればちょっとくらいは気にして欲しいですけどね」

 

 ゆらは小さい声でボソっと言ったけれど……耳が良いからしっかり聞こえてるんだ。

 ちなみにアヤセから言われた内容は……どこの馬の骨とも知らない奴に可愛い妹を傷物にされるのは嫌だからカミキとくっ付くように言われてしまったのだ。

 

 いや……『恋愛リアリティショー』なのに『ショー』の外側の駆け引きが多くなってるんだけど?

 

 アイは子供が居る関係上くっ付かせる訳にもいかないが……さりとてショーの中での好感度も無視する事は出来ない以上最後は空気を読まざるを得ない状況になればマズイし……

 

 ゆらはに関してはアヤセからお願いされたのもあるが……ゆらの所属事務所には困った事にYURIKAが居るし、YURIKAはゆらを可愛がってるようなのだ。

 アヤセとYURIKAは顔を合わせれば喧嘩をする中だけどベットでは二人とも仲良く楽しめる関係なのだが……まぁそれは俺の所為ではある。

 

「とりあえず……ゆらは気に入った人は居ますか?」

「カミキさんでその枠は昔から埋まってますね」

 

 ゆらは可愛らしく笑いながら答えてくれたけど……

 

「ちなみにアクアはどうですか?」

「アクア君はまだ小学生ですよね? ちょっと年齢的に無いかなぁ~」

 

 どうやらゆらにおねショタは気はないようだけど……年齢的に言うたらアクアが今年10歳だっけな? いや……かなが10歳だったから……1個下の9歳か……で、ゆらが高校1年生だから16歳だっけ? 確かに年齢的には7歳アクアと離れているけど、俺は24歳だから8歳離れてるんだよな。

 

「私は24歳なんですけど?」

 

 ゆらは俺の年齢を知ってる筈だけど……一応誤解が内容に改めて伝えるが……

 

「大人の男性って憧れますよね? カミキさんなら猶更です」

 

 ……そんなに目をキラキラさせて言われるとね。

 

「(カミキ? 何を躊躇ってる? 保健室なら廊下を出て右だぞ?)」

「(ちゃんとピルやゴムも用意してるし抜かりは無いわ!)」

「「(だから行くんだカミキ(ヒカル)行ってゆらを女にして来い(きなさい))」」

 

 パイセン達が熱い眼差しで俺の事を見るのよ……いや、どうせ……ヤッて来いって事なんだろうけど……それやったら大人の恋愛リアリティショーになってしまうし、地上波に流せなくなるからな?

 

「大丈夫です……番組内では過激な事はしませんけど……これぐらいは許してくださいね」

「何を……」

 

 俺が尋ねるよりも早く俺は……壁側に居た事もあり、ゆらに壁ドンされてしまい至近距離にはゆらの顔があった。

 それは……ほんの数センチぐらいしか離れておらず、お互いの息が相手に届いている状態だったが……

 

「おっはよ~皆もう居る~?」

 

 アイがあくびをしながら教室に入って来た。

 

「あっ」

 

「「あっ!」」

 

 初めに声を出したのは……俺かゆらかもしくはアイかは分からないが……さっきまでの甘酸っぱい空気は無くなり、アイからの視線の圧が一気に来た。

 

「あれれ~カミキ君に片寄さん二人っきりでどうしたの~」

「まだ皆来てなかったので、2人でちょっとお話していただけですよ」

「本当かな~カミキ君?」

「本当ですよ~」

「片寄さんには聞いて無いよ~」

「私親切だからちゃんと教えてあげてるんですよ」

「あはは」

「うふふ」

 

 これ俺喋っちゃいけない空気だな

 

「まさか……アイちゃんがこんなに早く来るとはな」

「……ワークショップの時なんかは何時も時間ギリギリだったのに人って変わるものね」

 

 確かにあの時のアイって仕事はこなすが……不真面目気味ではあったなぁ~

 ジーンズにパーカーにキャップ帽を被ってるオシャレとは無縁の少女だったのに……今じゃあトップアイドルなんだよな。

 

 性格はあれだけど……

 

「やっほーいや~役者仕事で大変だぜ」

 

 そんな事を考えて居たら鴨志田が教室に入って来た。

 恋愛リアリティショーをやりつつもちゃんと仕事を熟してるのはすごい事ではあるけれど……上には上がいるし……このメンツで売れてるアピールはアピールにはならないんだよな。

 

 その5分後には不知火ころもと同じタイミングで船戸竜馬も来た。

 

「おいっすー」

「……うっす」

 

 意外にもこの組み合わせは……アリかも知れないな

 

「よし、じゃあお前等席付け」

 

 上原パイセンの声に従い全員席に着く

 

「じゃあ……学生らしく恋愛をするにあたってこのメンバーのまとめ役を決めようと思うが……」

「はい! 俺がやりますよ」

「鴨志田は却下だな……」

「何で!?」

「鴨志田以外でやりたい人~」

 

 上原パイセンがそう言うと案の定誰も手を上げなかった。

 そりゃ……皆がどう思っているかは分からないが、まとめ役なんて言ってしまえば貧乏くじみたいなもんだし、カップルを作るにあたって有利になる事なんて無いだろうからアイもゆらもころもも動こうとすらしないし、鴨志田は除外された以上は……

 

「はぁ~じゃあしょうがない! 俺の独断と偏見と好みのタイプで決めるぞ」

 

 パイセン? 独断と偏見は分かるけど……好みのタイプを言う必要はあったのだろうか?

 

「じゃあ……まとめ役はカミキだ。何か文句はあるか? あるなら遠慮せずかかって来い」

「……分かりました謹んで引き受けます」

 

 俺がそう言った瞬間

 

「え~カミキ君がまとめ役なの!?」

「ちょっと上原先生横暴です!」

「なんだ? だったらアイとゆらどっちがやるよ? おれはどっちでも構わないが……」

 

 上原パイセンは不思議そうに首を捻って聞いたが……

 

「私は忙しいし……」

「おなじく……」

 

 二人とも仕事が忙しい様で……

 

「仕事が忙しいのは良いことだ! じゃあカミキで決定だ。じゃあさっそくカミキ悪いがこの後お願いがあるから着いて来てくれ」

「分かりました。ところで愛梨先生は?」

「ああ……愛梨先生少しお願いしますね」

 

 俺と上原パイセンが教室を出た所で愛梨パイセンに任せた。

 

「分かったわ! さて……鬼のいぬ間にゲームでもしましょうか?」

「流石愛梨先生! 愛してるぜ!」

「張ったおすわよ!」

「ひでぇ~」

 

 教室内は中々賑わっていたけれど……あれまとめ役って一体何をするんだ?

 首を傾げながらも俺は上原パイセンについて行った。

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