恋愛リアリティショーも回が続くごとにそれぞれのキャラが確立されて始めたが……
「いやーこうやって外で食べる焼きそばって何で美味しいんだろうね?」
「うーん中々の美味ですね!」
「アイとゆらの3人で一緒に食べてるから普段以上に美味く感じるぜ」
アイとゆらは隣同士に座って焼きそばを美味しそうに食べて絶賛していた。
そして、鴨志田がその向かいの席に座って食べている。
ま……美味いと言ってくれる分には作った甲斐があったもんだ。
「竜馬っちは楽しんでるー?」
「ああ……勿論楽しんでるぞ」
船戸ところもが一緒になっているのは鴨志田がやたらと軽いノリで話しかけて関係を築けなかった事により、相対的に船戸の評価が上がったからってのがある。
じゃあ俺はと言えば……
頭にタオルを巻いて、汗を掻きつつも焼きそばとお好み焼きを作っているのだが……あまりにも暑すぎるから上半身裸でせっせと作っている。
「……汗を流しながら料理してるヒカル君……さいっこうに良い♡」
「分かる~……なんて言うか、みんなの為に一歩引いて接してる姿が本当に大人なんですよね」
「やきそばとお好み焼きなんて誰が作っても同じだし俺だって出来るぜ」
対抗心を燃やしてる鴨志田は置いといて……アイとゆらは大絶賛しているけれど、そりゃ24歳だもん。子供に混じって遊ぶだけ遊ぶんじゃなくて、楽しみつつも全体を見るのが大人だと俺は考えてる。
……それが例え高校生役としてはみ出ていたとしても……ね。
「まだ食べたい人居ますか?」
「「「「「は~い」」」」」
全員が手を挙げた事でしばらくは屋台から離れる事は出来そうに無いけれど……まあ、これも一種のショーだからな
「ぷはぁー暑い日のクリームメロンソーダは格別だぜ!」
「そうね! わざわざガムを噛んで口の中の水分を無くしてるから余計に美味しくかんじるわ」
パイセン達も一仕事終えたようで今日は楽しんでるが……二人が使っているストローがハートの形をしており、とても美味そうだ。
まー実際の所番組自体が低予算なので、こんなセットを本来は用意出来るはずないのだけれど……
俺がまとめ役と言う事で立ち位置が運営側にもなった関係で予算を渋っていたスポンサーも、ある程度出資してくれたのもあるし……屋台に関して言えば、上原パイセンが知り合いから借りて来てくれたのだが、屋台を借りて来るって貸す方もそうだけどよく借りれたものだと思ってしまう。
そんな訳で、取れ高は十分にあるし、実際の思惑はどうであれ船戸×ころもというのも見ている分には有りだよなぁ……
気まぐれなころもに寡黙な船戸は番組としては良い組み合わせではある。
まー番組内だけどの付き合いになるか、終了後も続くかは当人同士が決めれば良いものだ。
「「「「「御馳走さまでした~」」」」」
「はいお粗末様でした」
高校生組はみんな満足したようだけれど……まだ材料は大量に残っているし、撮影陣用にも作って置くか……
「おう、カミキこれ飲むか?」
上原パイセンは先ほど愛梨パイセンと飲んでいたカップルジュースを差し出した。
他はどうだが知らんが、今更間接キスや回し飲み位別段気にする訳も無く……当然飲むに決まってる!
「……では頂きます」
「おう!」
そんな訳で俺は髪の毛が邪魔にならないようにしつつ上原パイセンとカップルジュースを飲んでいるとカメラがそれを捉えていた。
「いや~喉からからだったので物凄く美味しく感じました」
「……そ、そうか? 所でカミキ……トイレに行かないか?」
いや、なんでそんなに上原パイセンは興奮しているんだ?……と思っていたら上原パイセンの肩をグワシと愛梨パイセンが掴んだ。
「清十郎……そんなに溜まってるんだったら私が相手するわよ?」
「いや、俺はカミキと……熱い一夜を……」
「教師が生徒に手を出すのは不味いでしょうが!」
カメラは寄ってはいるものの、声までは届いておらず……上原パイセンは愛梨パイセンに引き連られて行った。
「あれー上原先生と愛梨先生どこ行くのかなー?」
ころもが疑問に思いつつも声を出した事によりみんなが疑問に思っているが……トイレでセックスですねとは言えるはずも無いし……それこそバレたら18禁どころか地上波に放送出来なくなる訳だ。
「……今後の事で打ち合わせでもするんじゃないですか?」
「へー」
俺の言い訳に皆納得したのか分からないが特に見に行く事はしなかった。
まー広義の意味で打ち合わせは間違い無いだろうし……俺も嘘は言っていない。
あえて言うなら、俺が思う打ち合わせとみんなが思う打ち合わせは違うと言う事だけだ。
人を騙すのに嘘はいらぬ! 言葉を変えて伝えるだけで後は相手が勝手に解釈するのだから……
「いやー今日は色々と楽しかったねー」
「うんうん、カミキさんが作った焼きそばやお好み焼きが食べれるなんて役得にも程があるよー」
今日の番組が終わった後アイとゆらは物凄く満足していたが……
「……うーん。船戸×ころもも悪くは無いのに今日はカミキ君と上原先生のカップルジュースに最後全部持ってかれたのが悔しいねぇ~」
「……強烈なインパクトだったしな」
まー俺も何時までも空気でいる訳には行かないし、ある程度は番組に貢献しないといけない訳だけど……働きすぎなんだよなぁ~
自分の事だけを考えるならまだしも……誰にでもチャンスを与えるようにライトを向けろって指示があるから、結構大変だし……鴨志田を推してる層も意外と多いから、無碍にも出来ないが、肝心かなめの鴨志田が誰狙いで行くかイマイチ分かりづらいし、そもそもフォローもしづらい立ち位置なので本当にどうしたものか困ってしまう。
アイは明確に拒否する訳じゃ無いけれど……のらりくらりと躱しており、ゆらは俺をピンポイントでターゲットにしているからそれとなく拒否しているのが現状だ。
最終回までまだ時間があるとはいえ、アイが鴨志田に告られても振れる程度には視聴者に分かりやすく好感度を稼がないと俺はいけない。
何故ならタイプじゃ無いとかはショーとしては成立しないし、その過程をぶった切れば視聴者が納得しないのだ。
何故なら人は誰しも見たい物を見て、信じたい物を信じるそう言った生物なのだから……解釈が不一致になれば不満が爆発して、批判が殺到する事になってしまう。
別に鴨志田がどうなろうと知った事では無いが……流石にピエロ過ぎるし、ここに来て追加で女子高生を入れたとして、その子が鴨志田と両想いなろうとも時期が悪いし尚且つエピソードが無いとヤラセが疑われてしまいそれはそれで炎上してしまうのだ。