カミキヒカルアナザールート   作:だめねこ

86 / 206
第86話

 屋台もやった花火もやった……ついでにプールも楽しんで恋愛リアリティショーも佳境に乗り上げた所で……嫌なニュースが出て来た。

 

 男女の奢り・奢られ問題

 

 いや……確かに恋愛に置いてこの手の話題は切っても切れないものだけど……正直これに感しては万人が望む答えなんて有りはしないのだが……

 

「いや~皆はこういうのどう思う? 役者の俺は正直ちょっと厳しいけれど男が奢るの当然って考えなんだよね~。ま、モデル業は俺らと違って顔で仕事が出来て羨ましいけどな!」

 

 鴨志田は事あるごとに俺に突っかかって来るようになった。

 ま~今現状焦っているからこそだとは思うけど……お前のギャラが少ないのはお前の仕事がその程度ってだけの話だけだから、文句があるならギャラの交渉でもすれば良いのさ

 

「そうだね~。アイドルも正直中抜きがえぐいからね~収入が低かった時は奢って貰えると助かるけど、やっぱり変な人に当たると怖いかなぁ?……ころもちゃんはどうなの?」

「私は大手で収入も結構あるから別に奢られ無くても良いけど~プライベートの時間があんまりないっすから今は自由な時間が欲しいっすね~」

 

 アイはなんやかんやで奢って貰う人をちゃんと選んでいる辺り危機察知能力はあるのかもしれないし、ころもはころもで自身で結構な金額を稼いでいるからこその考えのようだ。

 

「……色々な人が居るから、奢って貰って当然って考えは怖いから私は自分の分は自分で払うよ」

 

 ゆらはアヤセを見て育ってる訳だから当然男の怖さも知っている。

 まーアヤセは新宿NO1のキャバ嬢だし、男を引っ掛ける商売だからそう言った駆け引きは分かっているのだろう。

 

「……個人的には奢るのは構わないが、俺はまだ売れてる訳じゃ無いからそう言った事は出来ないな」

 

 船戸はその見た目とは裏腹に意外と女好きなのかもしれないな。

 

「モデルのカミキはどうなん? 結構稼げてるんだろ? 俺もあやかりたいもんだぜ」

 

 まー別に奢るのは構わないけど……

 

「正直な話……奢って貰って当然って態度の女性に奢りたいとは思いませんね」

「へぇーカミキは意外とケチなんだな」

 

 ケチかどうかは置いといて……

 

「じゃあどういう人なら奢りたいと思えるの?」

 

 アイはズイっと顔を近寄らせて来たけど……そんなに圧をかけなくてもちゃんと答えるし……

 

「……どんなに言葉を言い繕っても男は全員スケベなんで、奢ったんだったら見返りを求めたいと思ってしまうバカな生き物です」

「うわー」

「さいってー」

 

 女性陣からはジト目で見られたけれど……ここで話を終えて俺の評価を下げたままでも良いが、それだけだと結局は意味がない。

 

「……しかし男のスケベ心を刺激して奢らせるなんてことをすればいずれ、恨みを買ってしまい悲惨な目にあう女性も増えるでしょうね」

 

 俺がそう言うと今度は鴨志田に女性達の視線が集中し始めた。

 

「い……いや、俺はそんな事は決してしないし! カミキお前なんてこと言うんだ!」

 

 鴨志田は慌ててそう言うが……俺と同じタイプの人間だから、考える事は手に取る様に分かる。

 それと変に反論する方が疚しいのだから、こういう時は素直に認めるのが真のチャラ男だ。

 

「鴨志田さんがするかしないかは知りませんが、大なり小なりそういうものです。……なので私が奢る条件は唯一つ……私に金を払わせて欲しいと思える人だけです」

 

 まぁー実際問題取っ掛かりとして奢らない事にはナンパは成功しないから奢るのは大前提ではあるものの、その人の時間を奪っている事もあるので、失敗したとしてもそれはそれで受け入れるしかないのだ。

 

「なので、奢る奢らない論争はどうでも良い内容ですけれど……女性の方は相手が例え気弱で内気で女性慣れしてなさそうな男だったとしても、それでもやっぱり相手は男なんで痛い目に合わないように注意しないといけません」

 

 恋愛リアリティショーで時事ネタも取り扱い注意喚起をしてるの何て聞いた事も無いけれど……恋愛程トラブルになりやすいものは無いのだ。

 

 と言うか……ど素人がキャバクラの真似事しているのだからトラブルが起きたら解決出来る訳が無いし、なんの為にキャバクラがあるのかを知らないのだろうか?

 まー知らないからこそ、そんな怖い事が出来るのだし危ない橋を渡ってしまうのだろう……

 そして、この回が放送されたが……その日の書き込みは凄まじく賛否両論あった。

 

 

 

 

「物凄い叩かれてますけど……ヒカルさん大丈夫ですか?」

 

 家に帰ると心配そうにニノが聞いて来たけれど……

 

「そうなんですか? 別段叩かれたところでどうもありませんけれど?」

「いや……これ見てくださいよ」 

 

 ニノは自身のスマホを差し出して俺に見せて来たが……

 

『奢られて当然って態度の女性には奢らない! これって凄い意見だな……』

『こいつ可愛い顔して凄い事言うなぁ~』

『しかも自分もちゃんとバカでスケベな枠に入れてるのが凄いよな』

『ほんとそれなんよ! 普通はそんな事言えばすぐさま叩かれるのに……』

『しっかり叩かれてるけれど?』

『なんなら炎上してるけど?』

『本人は全く気にして無いのかなぁ~?』

 

 ……とここまでは良いとして

 

『はぁ? 男が女に奢るのは当然じゃん!』

『芸能人なのにお金出さないとかケチじゃん!』

『私この人のファン辞めます!』

『私この人と食事行ったことあるけど全然奢って貰えなかったし……』

 

 最後の書き込みの人は一体だれキヒカルさんと行ったのか気になるけれど……

 

「こんなところに文句を書いてる人は直接文句を言う事も出来ない可哀そうな人達なのでほっといても問題ありませんね」

「メンタル強すぎじゃないですか!?」

 

 ニノは大層驚いてるようだけど、そもそも俺のグッズって販売して無いし……モデル業って雑誌の売り上げは勿論だけどモデルが着た服が売れてるかが重要なので……別段俺が何を言ったところで公序良俗に問われる事は何一つ言って無いから問題ないのだ。

 

「カミキいる?」

 

 ドアを開ける音が聞こえたので振り向くとそこにはカナンと東阿さんがおり……

 

「カミキさん……大変な事になってますけどどうしますか? 関暴連ならすぐさま調べて対応出来ますけど?」

「いえ、ほっといて良いですよ」

「良いんですか?」

「どうせこんなの何時までも続く訳ありませんしね」

 

 まー関暴連なら調べて書き込みした奴等全員とっちめる事も出来なくは無いだろうし、それをネタにして金に換える事も出来るだろうが……それを依頼すれば俺と関暴連に繋がりが出来てしまうので、それだけは避けたいのだ。

 向こうが勝手にやる分には知らぬ存ぜぬを通せるからそれが一番良いのだが……

 

 そんな事を考えて居る時だった。

 

「カミキさん……これとんでも無い事になってるんですけど?」

 

 ニノがスマホを見して来たから受け取って見て見ると……

 

『いつ食事に行ったの?』

『去年ぐらいかな?』

『なんていう店?』

『えーっと渋谷にあるイタリアンのお店だったかも?』

『何食べたの?』

『覚えてないよそんな事!』

『じゃあ嘘じゃん!』

『嘘じゃ無いもん!』

『じゃあソース出せよ』

『出せなきゃ嘘って事で……』

『覚えて無いって言ってるでしょ!馬鹿なの!?』

『嘘つき』

『嘘つき』

『嘘つき』

『嘘つき』

『嘘つき』

『通報しました』

『特定班はよ!』

『特定しますた』

 

 まー当然の末路だよね。

 

「……嘘は良くないですよね」

「ちなみに去年渋谷のイタリアンのお店に行ったことはありますか?」

「そもそも渋谷で誰かとご飯を食べた事が無いですね」

 

 ……同じ芸能界の人を誘った事は何度もあるけれど……今の所素人をナンパした事は無いし、こんな事を書けば注目するのは当たり前なので、すぐさま調べる奴が出て来るので俺が何かしなくても収束するのだが、こんな事で炎上するなんて、ネットの民度はやっぱり低いな

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。