『短い期間ではあったが6人の男女の恋愛がようやく成就する。果たして成立するのだろうか……今夜それが決まる。『恋愛学生最終回』スタート』
ナレーションがそう告げると場面は教室に切り替わり、6人の男女が映っていた。
画面の中でパパは何時もと同じニコニコした表情しており、ゆらお姉ちゃんとママはそんなパパをジッと見て、鴨志田って人は何処か覚悟を決めた表情しているけれど……多分縁が無い事だけは見て取れてた。
そして、船戸って人ところもってアイドルは付かず離れずの距離でこちらは良い意味でドキドキさせられたが……
「ムスゥ~」
「ママ大丈夫だよ! そもそもママにカミキは勿体ないし、なんて言ったってママにはゴロー先生が居るじゃん!」
ゆらお姉ちゃんにパパを盗られたのが悔しかったようでママは帰って来るなりほっぺを膨らませて不機嫌ですって小学生みたいな表現をしているけど……今時そんな小学生は居ないからね。
「そもそもママはパパと別れた訳だし、今更だと思うけど?」
「そうだけどぉ~やっぱりこういうのは理屈じゃないからさぁ~アクアも大きくなったらいずれ分かるよ」
ママは何て言うか、パパに対しての未練が物凄いあるみたいだけど……
「パパはその辺りどう思ってる訳なの? あとゆらお姉ちゃんとつ……付き合うの?」
正直パパと一緒に生活出来るのであればママと寄りを戻して貰うのは僕としては有り寄りの有りだし……そうなれば僕もチャンスがあるかもしれないから、寧ろママとくっ付いてくれると助かるけど……パパはかなりシビアでロマンチストだから縁を大切にするけれど、縁が切れたら最後な気がする。
「……そうですね。なぁなぁにするのは良くありませんから、はっきり言いますけど……アイさんとはもう別れてますし、何なら念書もありますからね。後ゆらとは付き合う予定です」
何と言うかパパはゆらお姉ちゃんと付き合う気満々だけど……年の差バレたらまずくないかな? パパ確か24歳だし……
「でもさ……あの時私も16歳だったし? 判断を間違えることぐらいあるよね?」
「それを私に言いますか? まー未練が有るか無いかで言えば勿論ありますけれど……それはアイさんに対しての未練では無く、あくまでアクアに対しての感情です」
「そんなぁ~」
ママは悔しそうにしているけれど……果たしてパパと結婚していたら一体どうなっていたのだろうか?
確かにパパは面倒見が良いし、家族第一みたいだけど……一番の問題が女好きだし、ママはその辺り納得できるのかな?
「それと仮にですよ……私とアイさんが寄りを戻したらゴローさんはどうする気なんですか? アイさんの為に色々と頑張って来たのに別れるなんて事になったら恨まれても文句は言えないのでは?」
パパの言うことは至極もっともだけど……ニノさんやカナンさん以外にも多くの女性に手を出してる人が言うセリフじゃないのは確かだと僕は思う。
しかし……困った事にパパはそう言った女関係でトラブルが起きた話は聞いたことが無いのだ。
僕だって、芸能界で子役として長い事働いて来たからこそ、パパの噂は知っている。
何せ劇団ララライの『女たらしのカミキヒカル』は有名なのだけど……不思議な事に悪い噂は聞かないし、逆に口説かれた事を嬉しそうに言う人が多い位だ。
アヤセお姉さんとゆらお姉ちゃんに関してはちょっと思うところがあるけれど……パパの流儀で言うならば、行動しなかった僕が悪いのだろうけど……当時の僕は1~2歳だったしそもそも子供が年上のお姉さんを口説くなんて出来るはずが無いと思うけど……
パパを見てると不思議と小さい頃からそう言った事をやってるイメージしかない
「勿論ゴローさんと別れるなんて事は無いよ! 何て言ったってゴローさんは私にとって2人目の愛したいと思える人物だもん。ちなみにヒカル君は一人目だよ♪」
「……そ、そうですか」
流石のパパもママに臆面も無くそう言われれば黙り込む事しか出来ないけれど……ゴローさんは果たしてどうなのだろうか?
メガネを光らせて黙ってパパとママのやり取りを見続けているけれど……正直言うと物凄くお腹が痛くなって来るからそんな空気を醸し出さないで欲しい
そんな事を考えて居たらゴローさんがとうとう口を開いた。
「カミキ君……俺の事は気にしなくて良い。ファンは見返りを求めたらファンじゃなくなるからな!」
「流石ゴロー先生! ママの無限恒久永遠推しは伊達じゃないね!」
「勿論だルビー! 俺は世界を敵に回してもアイのファンで居続けるからな!」
……うん、はっきり言って気持ちが悪いけど……何て言うか……ママのファンってやっぱり気持ち悪い。
そう言えばルビーもママの収入が少なかった時期に『ファンの皆がアイの為に持ち回りで臓器を売れば良いのに』って言ってたし……正直僕にはママの何が良いのか理解が出来ないのだ。
「ゴローさん……ルビー……私頑張るから! 世界中の全員を私のファンにして見せるよ」
感極まってる所申し訳ないけれど……高峯さんや渡辺さんがそろそろ年齢的にキツイからアイドル辞めるってこの前言ってたからママの野望は現実的に無理だと思うし、そもそも僕とパパはファンじゃ無いし……
「あの……そろそろ時間も遅いから帰らせてもらいますね」
「ええ~!」
「パパ……今日は泊まっても良い?」
「アクアまで!?」
「それは構いませんけど……アイさん良いですか?」
「う~良くない……良くないけど……良いよ。その代わり……」
「競馬は禁止ですよ?」
「まだ何も言って無いよ!……じゃあ競馬以外の儲け方教えて!」
それは僕もちょっと気になるけれど……
「……額に汗水流して働くのが一番なんですけど?」
「ダンスにボイトレに筋トレもしてるから汗は流してるよ?」
ママは天然みたいな返しをしてパパを困らせているけれど……多分パパが言いたいのは地道でたゆまぬ努力が重要って言いたいんじゃないかな?
まーママは努力家ではあるけれど……才能10割みたいな部分がある天才だから理解出来無いかもだけど……
「お金は大切だけど……もっと大切な物があるんじゃない?」
「はぅ!」
ママに致命的な一撃与えてしまったけれど……偶には良いかな?