カミキヒカルアナザールート   作:だめねこ

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第90話

 レトルトのチキンバターカレーは思った以上に美味しかった。

 

「じゃあ、片づけは私がやっておくからアクアもかなちゃんもあんまり遅くまで起きてたらだめだよー」

「わかったー」

「じゃあカナン私も寝るねー」

 

 僕もそうだけど……有馬も眠たそうにしており、のそのそと自分の部屋に戻って行った。

 世の中の小学生や中学生が何時に寝ているのかわからないけれど……22時にはまだ起きている時間帯なのだろうけど……仕事の所為もあり、今日は特に眠いが、まだ宿題をやって居なかった事を思い出してしまいすぐさま宿題に取り掛かった。

 

 宿題自体はそんなに難しい内容じゃ無いので、20分程で終わったが……今頃ルビーは宿題をやっているのだろうか?

 アイドルになる事を免罪符にしているルビーの事だから、宿題なんか恐らくやっていないだろうし……そうなれば先生から注意を受ける事になる。

 僕は言われるのは嫌いだし、周りにバカにされるのは腹が立つからちゃんとこなすけど……ルビーはそう言った事を一切気にしてないのだ。

 良く言えば自分を曲げない強い意志を持っている事になるけれど……たかが宿題をやるのに意志やらを持ちだすルビーはバカ何だろうと思ってしまう。

 

 そう言えばまだお風呂に入って無かったし、お風呂に入ってから眠るとしよう。

 

 僕はパジャマを持ち浴室に向かう。

 

 

 パパの家はニノさんカナンさん有馬と3人の女性が住んでいる訳だから、当然お風呂に入る時は気を遣わないといけない。

 何故なら僕より先に入っている場合があるからだ。

 浴室に居るのならばまだセーフではあるが……洗面所で着替えて居る場面ならアウトだ。

 ニノさんとカナンさんならそこまで気にしないかもだけど……有馬は絶対に怒るだろうし、僕自信も流石に配慮が出来ない人間と思われたくないのだ。

 今まで父さんはどう過ごしているのか気になるけれど……僕がここに住むようになって一つルールを設けており、お風呂を使用中の場合はドアノブに使用中の札を掛けるようにしている。

 僕が来るまでそんなルールが無かった事が気になるけれど……

 

 そんな訳で僕が父さんの家に住むようになってからラッキースケベの様な事は起きておらず……

 

「あーっさっぱりした」

 

 湯上りのパプリカと遭遇した。

 顔もほんのりと赤みを帯びている事からちゃんと煮られたようだけど……

 

「……パプリカの出汁が入ったお湯抜いちゃ駄目かな?」

「アクアなんてこと言うのよ! こんな美少女からしか取れない栄養素が今お風呂のお湯に溶けている訳だし、私のファンなら涙を流して一気飲みするわよ」

「……僕は別に有馬のファンじゃないし……」

「ぐぬぬ……ふん、言っておくけど……水道代だってただじゃないんだからね!」

「うぐ! それぐらい分かってるよ!」

 

 パプリカと言い争いをしているときだった。

 

「ただいま帰りました」

「疲れました~」

 

 父さんとニノさんが帰って来た!

 

「父さんお帰りなさい」

「カミキちょっと聞いてよ! アクアが私が浸かった後のお風呂のお湯が汚いって言って来るの」

「……いや、でも水道代位なら僕だって」

 

 僕が言った瞬間だった。

 

「……一応先月の水道代ですが、14546円ですね」

「「え!?」」

「……アクアが毎日湯を入れ替えると為れば、恐らく16250円になりますね」

 

 ああ~、金額はそんなものか……だけどちょっと高くないかな? ぼったくりなんじゃ……と思って父さんを見て見ると首を振って答えた。

 

「水道の料金は使った分に比例して料金が高くなり、一定の水準を事に金額を設けておりますのでそれを超えると料金も大分変わってきます。そして、我が家ではひと月大体50㎥の水を使っており、水準はギリギリ超えない程度に抑えておりました。……ちなみに1㎥の水の量はどれくらいか皆さんご存じですか?」

 

 1㎥の水の量? ちょっと分からないな

 横目で有馬とニノさんを見て見るもあんまり分かっていないようだ。

 

「おおよそではありますが、浴槽の水が8杯分でおおよそ1㎥です。なので、現在50㎥で有るならば、その内の4㎥は浴槽の水になります。そして、浴槽の水を1日2回溜めるのであれば、4㎥プラスと考えて単純に水道代のお金は51㎥から1㎥213円ですから4×213で852ですが……水道の請求は2か月に一回なので金額的には1704円がプラスになりますね」

 

 父さんの目から光が失われている。

 

「それでストレスなく生活できるのであれば、私は構いませんけれど……皆さんはどう思いますか?」

 

 基本的に生活費は全部父さんが負担しており、食材費に関してはニノさんが出してるようだけど……

 

「私は1円も出して無いからそもそも文句は無いわね」

 

 うぐぅ……このパプリカめぇ~

 

「まーあんまり節約節約って言うのはどうかと思うけれど……少しぐらいは協力しないといけないと思うよ」

 

 ニノさんは勿論父さん寄りの意見だし……

 

「アクアも将来一人暮らしする時が来ると思いますが……電気・ガス・水道代は気を付けないといけません。まー無ければ無いで生活は出来ますが、結構不便ですしね」

 

 何だろう……父さんの言った言葉はかなり実感がこもっていたけれどもしかして?

 

「……父さんもしかしてライフライン止まった事あるの?」

 

 僕は興味本位で聞いてしまった。

 

「ああ、そう言えば言って無かったですね。私は……長い間ライフライン無しで生活してましたよ」

 

 父さんはあっけらかんと答えたけれど……

 

「カミキさんの前の家は電気ガス水道は動いてたけど……?」

 

 ニノさんがこの中で父さんと一番古い付き合いだけど……それでも首を傾げていた。

 

「……ニノと会う1年程前ですね。ま、昔の話です」

 

 この現代社会でライフラインが止まっても人って生きていけるのがそもそも驚きではあるけれど……

 

「あっカミキ相談があるんだけど?」

「何でしょう?」

 

 カナンさんがリビングから出て来たが……何やら嫌な予感がする。

 

「最近ゲームの実況をして欲しいってコメントが来るからゲーミングPC買っても良い? 60万位するやつなんだけど……」

 

 ちょっとタイミング考えてくださいよカナンさん!

 

「それは構いませんけれど……経費じゃ落ちなかった感じですよね?」

「うん……代表やフーミンが色々頑張ってはいるみたいだけどねぇ~」

 

 カナンさんは「はぁ~」っと色っぽいため息を吐いており、思わずどぎまぎしてしまったが……60万って金額はかなり高い!

 僕自身父さんが月に幾ら稼いでいるのか分からないが……首を縦に振るう事はしないと思っていたが……

 

「……分かりました。私の方で購入しておきます」

「カミキありがとう♡」

「「ええ!」」

 

 僕と有馬は一緒に驚いてしまったが……ニノさんだけはやっぱりみたいな顔をしていたのが気になった。

 

「あんなに水道代を事細かに説明して節約を説いていたのに……」

「60万のゲーミングPCは有りなんだ……」

 

 一体どこがラインなのか全然分からないよ父さん! 

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