カミキヒカルアナザールート   作:だめねこ

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第94話

 スーパーに行き必要な物を頭の中に思い浮かべつつ、カートに買い物かごを乗っけて、まずは野菜コーナーから周るか……

 

「ねぇパパ?」

「どうしましたアクア?」

「オムライスを作るんだよね? カレーを作る訳じゃないよね?」

「勿論オムライスを作りますけど……?」

 

 玉ねぎと人参とピーマンを見つつアクアに答えるけど、どうもアクアの中では材料とオムライスが一致してないようだ。

 いや、ご飯と卵だけでも美味しく作れるけれど……それだと栄養バランスが悪いし、野菜もバランス良く取らないと俺みたいに身長が伸びなくなるからな。

 

「アクア……野菜も食べないと私みたいに身長が伸びなくなりますよ?」

「野菜だけの問題じゃないと思うけど?」

 

 まー確かに食事のバランスも悪かったけれど、一番は性的に乱れていたのが原因だしね。

 

「人数も多いですし、卵も2パック位買わないと……あっアクア牛乳持って来て貰って良いですか? あとアクアの好きなお菓子も選んで大丈夫です」

「わかった。じゃあ牛乳取って来るね」

 

 アクアに牛乳をお願いするとすぐさま行動してくれた。

 いやーアクア本当に良い子に育ったよな。

 そんな事を考えて居るとアイが服の裾をクイクイ引っ張るから視線を向けると、両手で可愛らしくハーゲンダッツのボックス仕様を口元まで持ち上げて上目遣いで聞いて来たけど……

 何それ?見た事無いんだけど……

 

「ヒカル君……このハーゲンダッツ買って良いかな?」

 

 アイは可愛らしく聞いて来たけれど、ゴローさんやファンの人なら二つ返事で了承するだろうけど……

 

「自分のお金で買ってくださいね?」

「え~! アクアには買ってあげるのに!?」

「アクアは可愛い子供ですからね」

「私だって可愛いでしょ!?」

 

 アイはそう言うと自身が思う可愛いポーズを取り始めたけど……

 いや、別段アイが可愛いのは否定しないけど……それと俺が買ってあげるのは違くない?

 

「……可愛いですけど、アイさんだってハーゲンダッツ位買えますよね?」

「買えるけど……ヒカル君に買って欲しいんだよね」

 

 うん……可愛らしく言ってくれるけど……そのボックスの金額がね……¥11004って結構な金額なのだ。

 

「アイさん……戻してくださいね」

「そんなぁ~」

 

 アイはそう言うとトボトボと元の場所に戻しに行った。

 

「あれ……アイはどうしたの?」

「アイさんも色々あるんです」

 

 アクアはそう言うと牛乳とすしのことピザポテトをかごに入れたけど……かなの影響の所為か最近アクアもすしのことピザポテトを食べるようになったが……

 

「うん? アクアもかなと同じ食べ方をするんですか?」

「……この前かなが食べていたのを貰ったらかなり美味しかったから、パパは食べたことある?」

「私は無いですね」

「じゃあさ、今日一緒に食べない?」

「ええ、じゃあ夕飯が終わったら食べましょうか?」

「何々~なんの話?」

 

 いつの間にか戻って来ていたアイだけど……その手にはビニール袋を持っていた事からハーゲンダッツを葛藤の末購入したようだった。

 

「ええ、アクアが美味しいお菓子の食べ方を教えてくれるので夕飯の後に一緒に食べる予定です」

「良いなぁ~アクア私も一緒に食べて良いよね?」

「別に良いけど……」

 

 アクアとアイの仲はあんまり縮まっていないようだった。

 

「じゃあ後はパセリとチーズとデミグラスソースと粉チーズは……有ったかな? 後バターも一応買っておこう」

 

 材料自体は決めていたから物を選んですぐにレジに向かった。

 幸い夕方になりかけていた事もあり、混雑しておらずすぐさまお会計を終える事が出来た。

 

「パパ僕も持つよ」

「じゃあ、アクアは卵お願いしますね」

「うん」

 

 アクアには卵2パック持ってもらい……

 

「ヒカル君?」

「何でしょう?」

「私も手伝うよ」

「あーじゃあこっちの荷物お願いしますね」

「うん♡」

 

 アイは何処か満足してる表情を浮かべていたが……恐らく、こうした日常を子供と送れてる事が嬉しいのだろう。

 母親としてはまだまだ残念ではあるものの、年齢的に言えば28歳だし少しづつ良くなってくれれば良いけれど……多分アイの成長の機会を奪っているのは俺の所為でもあるだろう。

 しかし、離れるには遅すぎているし、近すぎればやっぱり残念のままだし難しい問題だ。

 

 そんな事を考えて居たら、家に着いてしまった。

 

「じゃあ、私もハーゲンダッツしまったらそっちに行くね」

「わかりました。ドアは開けておきますので、そのまま入ってくださいね」

「うん♪」

 

 アイにそう伝えて部屋の鍵を開けて中に入る。

 玄関の靴を見た限りだと、家にはまだ誰も居ないようだ。

 

「アクアは良かったら一緒に作りますか?」

「良いの?」

「ええコレも経験ですからね」

 

 アクアにエプロンを渡して今日は一緒に作る事にした。

 

 

 そうこうしていたらガチャっとドアが開く音が聞こえたのでどうやらアイが入って来たのだろう。

 

「ヒカル君来たよ♪」

「お邪魔しまーす」

「カミキ君お邪魔するよ」

「ええ、アイさんにルビーにゴローさんいらっしゃい。すぐ作りますからリビングで待っててくださいね」

「あっそうだ私も手伝うよ。これでも料理してるしね」

 

 アイはそう言うと髪の毛を邪魔にならないように後ろでまとめていたが……

 

「いえ、すぐに終わるので大丈夫です」

「そんなぁ~」

 

 アイは残念そうにそう言ったけれど……オムライス位ちゃちゃっと出来るし、そもそもそんなに台所は広く無いからね。

 

「じゃあフライパンを温めてる間に玉ねぎ、人参、ピーマンをみじん切りにしましょう」

「うん」

「アクアは包丁を握った事ありますか?」

「学校の授業で習ったよ」

「では指を切らなように猫の手でお願いします」

 

 アクアが野菜を切っている間に冷凍ご飯とお皿を用意して……飲み物は麦茶で良いだろう。

 後は卵も出してと……

 

「パパ切り終わったよ」

「ありがとう」

 

 アクアも丁度切り終わったようだし、フライパンも温まったからバターを投入して……フライパンに満遍なくいきわたったら冷凍ご飯とみじん切りしたものを半分だけ投入して頃合いを見てケチャップも入れる。

 今いる五人分ならお米は足りるけれど、ニノ達の分を考えると足りないな。

 

「アクアはお米の炊き方分かりますか?」

「分かるよ」

「じゃあ、五合お願いします」

「うん」

 

 アクアにご飯をお願いすると軽量カップで図ってボウルに零さないように慎重に入れ始めた。

 動作自体は拙いかもだけど……こんなのはやって居ればその内出来るようになるものだ。

 

 そうこうしているとライスは完成したので、お皿に盛りつけて次は卵を作る。

 

 再度フライパンにバターを入れて蕩けるチーズを弱火で温める

 卵を一度別の容器に入れて牛乳を入れて混ぜ終わったらフライパンに入れて、チーズが全体に混ぜるようにゆっくり混ぜる。

 牛乳を入れた事で作りやすくなり、形を整えてご飯盛りつける。

 

「ハイアクア一皿出来ましたので持って行ってくださいね」

「うん」

 

 さて後4皿分だな……フライパンをもう一つ取り出して、ささっと作るとしよう

 

「デミグラスソースとケチャップも向こうにお願いしますね」

 

 

 

 それから10分後にようやくオムライスも作り終えた。

 

「「「「頂きます」」」」

「はいどうぞ」

 

 少しばかり待たせてしまい熱々では無いけれど、うむ中々美味く出来たものだ。

 

「美味しいよヒカル君」

 

 目を爛々と輝かせてアイは歓喜声を上げる。

 

「カミキ君本当に美味しいぞこれ」

「ありがとうございます」

 

 ゴローさんも大好評みたいで良かった。

 

「……凄く美味しいです」

 

 ルビーも納得してるようで、スプーンを握る手が加速している。

 

「パパどうかな?」

「ええ、アクアが作ってくれたこのオムライスは美味しいですよ」

「えへへ」

 

 アクアはそう言うと嬉しそうにしていた。

 

 まー俺のだけはアクアに作って貰った奴だが……上出来の部類で全然イケる。

 ちょっと黒くなっているけれど……ま、慣れれば大丈夫だ。

 

 

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