それは今から二年前。
アビドス自治区に一人の天才がいた。
枯れ果て死を待つだけの地に生まれた不世出の傑物は他自治区どころか三大校であるゲヘナにすらたった一個人が脅威と見做された。
彼女の名は───
「ちょっと……遅くなっちゃったね」
閃光の余韻すら許さぬと言わんばかりに盾を払って排熱する姿はまるで血振りが如く。
対策委員会に背を向けていた少女は、アヤネに呼びかけられてからゆっくりと振り返った。
「……雨雲号まで使ったんだ?無理させてごめんね」
宝具の余波で消し飛んだ爆炎。
けれど熾火のように未だ名残りを秘めて火花を散らしている、
それを前にしてポツリと漏らした小さな一言にアヤネは被りを振って答える。
決して貴女の所為ではないのだと。
「っ!それは私が「ううん、でも」……」
アヤネの生真面目な声に、少女ははにかむ。
「よく頑張ったね、流石だよアヤネちゃん」
「……ぁ」
そっと空いた手で後輩の黒髪を撫でるのは心からの感謝。
この瞬間まで戦い抜き、持ち得る全ての手札を使い尽くしてアビドスを守り抜いた少女達にせめて応えられるようにと。
そして安堵。
生きていてくれた、それだけが嬉しかったから。
少女には話したい事がある。
伝えたい事もある。
本当なら今すぐこの場にいる全員を抱きしめたい衝動にも駆られる。
いいや、この子達だけではない。
自分の留守を守ってくれた全ての生徒と、その派遣を決めてくれた彼女達にも。
「───参ったナ」
感謝をと思っても、横槍は入れられる。
「日に
瓏々と溜め息混じりの声がシロコ達の前方から。
「吾に任された仕事とはいえお前と
───強欲のアーチャー、未だ健在。
怪我の
健脚振りに衰えもなし。
「だがお前もその様子だ、余力もなかろう」
「ッ!先輩ッ!前ッ!」
疾駆。
微風が吹く事すら許さずにアーチャーは50mはあるであろう間合いを対策委員会の面々が知覚した瞬間には詰め切り。
「悪いが───此処で枯れていけ」
大振りの薙ぎ払い。
振り回す事で角運動量を増す長柄武器の特性を存分に活かした一撃は柳の如きしなやかさと巨石の如き
「ッ!しつこい女は流行らねぇ……ってのにナァッ!」
鈍い音に続いてアーチャーの悪態が漏れる。
大楯がアーチャーの一撃を防いだのだ。
「第一どうやってここまで来れた?吾が
苛立ちすらない混ぜにしてアーチャーは連撃を繰り出す。
流星墜つる輝きと見間違えんばかりに魔力を迸らせる矛先は突きと払いを繰り返しては火花を散らす。
「お前であれば潜り抜けられても、独力で今この場所に間に合うわけが……ッ!」
だが防ぎ切る。
何一つ返答はないどころか、呼吸音すら聞こえぬ程に淡々と少女は身の丈近い盾を見事に操ってはアーチャーの攻撃を捌いていく。
連れないナと男は愚痴を漏らすように息を吐きつつ、眉根を寄せた。
「……なるほど。あの娘が助力したか。いや、あの娘だけじゃないナ?大方、輸送に長けた生徒の力も借りたか……くくッ、良い後輩を持ったじゃないか」
アーチャーからすれば少女が此処にいるのは少しばかり都合が悪く、幸いな事にも予想はしていた事であった。
だからこそ対策委員会との戦いを早くに終わらせておきたかったという本音を隠しつつ、最後の疑問を投げかける。
「しかし解せんという話サ。いいのか?小鳥遊ホシノ。確かに此処も大事だろうが今頃「お前さ」……ッ!?」
だが、そんな話は少女からすれば邪魔でしかなく。
故に。
「べらべら五月蝿い」
「今、うちの子達と喋ってるんだから黙っててよ」
一瞬の事であった。
淡々と防ぎ凌ぐだけであった単調な動きに変化が生まれる。
「……ッが……ァッ!?」
咆哮搏撃。
悠長な語らいを優先してしまった男の腹部へと叩き込まれるは
左から迫った薙ぎ払いを前進しながら盾でかち上げて隙を作り、ガラ空きとなった胴体を殴りつけたのだ。
「黙らないなら」
そしてかち上げだとなれば必然、盾も上段に構えられている。
ならば、すべき事は一つだろう。
「ッ!……やるナ……ッ!」
「とっとと斃れろ」
真っ向斬り。
否、真っ向打ち。
正面のアーチャー目掛けて振り下ろされた一撃は、後方へ難を逃れた標的によって空振りとなったが。
「……これだから吾は嫌だって言ったのサ」
地中に叩き込まれると共に柱のように砂を巻き上げては深い傷痕を地面に刻む。
アーチャーの頬に雫が流れる。
冷や汗、などではない。
「チッ……ミレニアムからの帰り道といい今といい……」
舌打ちをしつつ唸り声をあげる少女の右手に握られた愛銃、その銃口から漂うのは硝煙。
左手で銃を振り下ろし、それを避けられたと判断した瞬間に引鉄を弾いた事によって回避の為に後ろへと下がったアーチャーの頬を
げに恐ろしきは動体視力と反射神経。
読者諸君らも体を動かしてみてほしい。
たとえば左手に持った竹刀を全力で振った次の瞬間には
竹刀を振る勢いが増せば増すほど次の動作に移行するのは難しいだろう。
ましてや盾の一打ちで抉るどころか砂地に亀裂を走らせるほどの勢い。
膂力は勿論のこと、少女が軽々と撃ち放った二連撃が如何に高等な身体制御、動体視力、そして反射神経が必要か語るまでもないのだ。
「(堪らんな……これだからこの娘とは吾が受け持つ他なかったというのに……)」
今まさに脅威的な技量をまざまざと見せつけられたアーチャーは乾いた唇を舌で濡らす。
「まーた逃げるんだ……めんどくさいなぁ、もう」
対して少女は苛立たしげに盾を地面へと突き立てながら悠然とリロードをしては背後にいる少女達の方へ目を向けている。
「うへー……セリカちゃんもすっごく頑張ってくれたんだね」
言葉こそ労りに満ちて、けれど肩口を赤く染める後輩の姿に痛みを堪えるように左目を細めて少女は言う。
それにセリカは万感堪えきれぬと言わんばかりに強く返した。
「……あったりまえでしょ!ほんとっ!ほんと遅いんだから!」
「えへへー、ごめんねぇセリカちゃん。おじさんも頑張ったんだけどさぁ……でもセリカちゃん駄目だよぉ?」
銃声。
まるで母鳥が一際高く威嚇するように強く短い警告の調べ。
「敵から目を離しちゃ」
呆気に取られるセリカを置いたまま、なんの重さも感じさせず一見して視線すら外して少女は引鉄を弾いていた。
「同感だ、黒見セリカ。お前はちょいと周囲を冷静にな「黙ってろ」……おっと」
有無を言わせぬ二発目。
それにアーチャーもまたニヤリと笑みを返して、目線を向けていないはずの少女は一層腹立たしげに舌打ちする。
「いやぁ、困っちゃうよねぇ。今みたいにさ、そこの間男が何度も何度もセリカちゃんと私との間を引き裂いてさぁ」
「もうっ!そんな話今してないでしょっ!」
「いやいやほんとなんだってばー!なんだったら……」
今度こそはっきりと鋭い目線をアーチャーへ送る。
「私を相手したくなくて
少女が毎回と言うのも仕方ない事だった。
何せ聖杯戦争が始まって以来、少女は既に三度通常霊基以上のサーヴァントと正面からぶつかっていずれも痛み分けという結果になっているのだから。
「おかげでこんなに遅くなっちゃったしさぁ……本当に参っちゃう」
「うふふ☆ヒーローは遅れて登場!ですねー!」
「仕方ない。間に合ったし、間に合わせられたんだから文句は言えない」
「シロコちゃん、ノノミちゃん……」
少女の隣にシロコとノノミの二人が立つ。
両翼、アーチャーはその姿を目にして思わずそんな言葉が脳裏に過ぎる。
「ん、これで五人揃った。ならもう」
シロコとノノミは透明なほど薄く微笑う。
軽やかでいて、けれど揺るぎない自信と戦意に満ちた笑みは伝播するように後輩達にも伝わる。
「私達が負けるだなんて万に一つだってないわ!」
「そうですよね?ホシノ先輩……!」
少女は、小鳥遊ホシノは。
後輩達からの厚き信頼に、眩しそうにしながら微笑んだ。
「……うへ、当たり前だよ」
剣光帽影、横並びに五人。
五人とも血を流し、傷ついている。
「もう逃さない、ここで仕留める。だから皆……行くよ」
だが、今彼女達を見て誰がベストコンディションじゃないと思うだろうか。
傷の有無なぞ関係ない。
五人揃った事こそが肝要なのだ。
「ったりまえよ!のし付けて御礼参りしてやるわ!」
セリカが拳を掌に叩きつける。
必ず逆転してやるぞと。
「あはは、やり過ぎ……ちゃってもいいもんね。アビドスを傷つけた分、きっちり百倍にして返してやりましょう!」
アヤネが微笑みかけながらその手のタブレットを再起動させる。
策は破られたが心は決して折れていないのだと。
「覚悟してくださいねぇ……私達、見かけによらずとぉっても強いんですから!」
ノノミが胸を張っては揺らす。
大好きな仲間がいれば負けることなんてないと心から信じている。
「宝具も魔力も大体分かった。ここからはリベンジさせてもらうね」
シロコが牙を剥く。
己が愛銃を構えては必ずその喉笛に噛みちぎってやると静かな闘志を燃やしている。
準備は、此処に整った。
遂に、正しくアビドス自治区が誇る最高にして最大戦力たるアビドス廃校対策委員会が揃い踏みしたのだから。
満を持してのアーチャーとの戦闘。
「それじゃ、はじめよっか」
───臨戦、小鳥遊ホシノ。
暁を冠する鷹はその名に違わず戦場を飛ぶように駆ける。
「まずはお前というわけか」
対峙するアーチャーの言葉とは裏腹にその表情に危険な喜色を浮かべる。
獰猛なまでに唇を吊り上げるのは己が好敵手と見定める脅威が迫ってきた事に対する戦士の昂り。
「私も嫌々だよ……お前の面なんて拝みたくないからね」
突く、刺す、貫く。
槍は止まらずホシノの早贄にしてしまわんと空気の壁すら貫き通して放たれる。
「そうは言うがナ、吾とてお前のような貧相な娘に言われても如何とも「あ゛?」……おっと、こいつは不味かったナ」
兵戈槍攘。
恐るべき点からの線を描く連撃は掠めるだけで乙女の柔肌を抉り取る魔の指。
そして指を彩るは紫電を迸らせる青黒い魔力。
「ぶちのめしてやる……ッ」
だがホシノも止まらずまさかの
理由は二つ。
一つはホシノの左腕に備えられた相棒。
銘を───Iron Horus。
厚さにして5cm近い幅の大型強化防護盾は長年ホシノを支え続けた戦友が唸り、アーチャーが放つ槍も光弾も魔力ごと防ぎ切る。
「ハハッ!良いサッ!やって魅せろッ!無論……」
魔術を、そしてサーヴァントという存在を知る物が見たならばさぞ摩訶不思議な光景だろう。
如何見ても神秘と相容れない科学技術の産物であるライオットシールドが、高濃度の魔力を纏った攻撃を完全に遮断しているのだから。
だが、然もありなん。
何故ならその盾はホシノが真に信頼を置く戦友。
如何なる時も隣にあり続けた最後の
そんな盾が主人の命を奪わんとする悪党の攻撃を防げず役目を果たさないなぞ、有り得んのだ。
「出来るものならなァッ!」
アーチャーは嗤う。
あまりに荒唐無稽。
あまりに奇想天外。
だが、だがなのだ。
「出来る、出来ないじゃない」
だが、真理。
これこそがキヴォトス。
これこそが楽園が選んだ最新の霊長。
青春を謳歌する学園都市の生徒の姿。
若く短い青い春を全力で駆け抜けている彼女達に不可能なぞ。
「やるって決めてるんだよ、こっちは」
有りはしない。
「逃がさない……ッ!」
跳ねる、爆ぜる。
互いが駆ける度に局所的に大気の壁を破るほどの衝撃を生み出しながら火花を散らしていく。
男から見ればホシノは小兵。
体躯の差は大きいというのに、恐ろしいまでの膂力と身体能力で大身槍が繰り出す殺意を叩き落としていく。
「しかし
喉輪を穿ってそのままへし折らんと放たれた盾の一撃を避けながらアーチャーは唸る。
思い出すのはアビドス攻めの前。
単身でミレニアムからアビドスに向かって駆けるホシノを足止め、あわよくば仕留めんと行った戦闘。
「うへー、なんか文句ある感じ?」
短時間では勝負がつかず結局アーチャーは宝具を放ってから死体どころかその後を確認せぬままシャドウサーヴァントの部隊を置いて先にアビドスへと向かったのだ。
「まさか!吾の至らぬさを恥じるッ……ばかりサッ!」
つまり、目の前で今もアーチャーの腕を叩き折らんと隙とも呼べぬ連撃の合間に己の攻撃を通して続けるホシノは。
「恥ずかしいならおじさんが掘ってあげるよー……墓穴をさァッ!」
今宵二度もアーチャーの宝具を防いで見せたということ。
宝具とは英雄の象徴。
それを防いでみせたという事実は大きく、重く、何よりホシノの凄まじさを表す。
だからこそ、アーチャーも全力で殺しにいくのだ。
純然たる脅威を此処で詰むべきだという判断と───。
「コイツはどうだ……ッ!」
円盾をフリスビーのようにして放り投げる。
縁の鋭さと質量も相まって旋盤は触れれば腕も首も容易く両断する攻撃。
死を齎す強襲はホシノが避けるより速く到達せんとする。
「悪いけど」
ホシノは
理由なぞ明白だ。
「───
忘れてはいけない。
今この戦場には。
「火力支援!開始ッ!」
対策委員会五名が揃っているのだ。
「通じないよ」
飛翔する円盾を叩き落とすように上空から放たれた小型ドローン二機によるミサイル攻撃。
ホシノは自身へと指を伸ばした窮地を後輩二人のアシストで潜り抜けながら更に男へと迫る。
「承知の上ってナァッ!」
突く、払う、薙ぐ───。
───弾く、叩く、撃つ。
双方譲らず。
大盾が槍を弾けば空になった左手から魔力の閃光がが迸り、閃光が懐に届かんとすれば男の目掛けて散弾が飛ぶ。
衝突の度に周囲の大気と砂を爆発させるように衝撃派を生み出しながら全力を賭して相手の息の根を止めんとする。
「(恐ろしいのは……)」
強欲のアーチャーは二度の戦いで既に気づいてる。
小鳥遊ホシノの危険性。
天才と呼ばれるまでに至ったその真骨頂。
「(こいつの面倒なところは……)」
小鳥遊ホシノは二度の戦いで既に見当をつけた。
強欲のアーチャーの実力。
嘗て果てにまで至らんと旅を続けた英雄の真価を。
「「(突破力か───ッ!)」」
それは奇しくも同じ───
並外れた戦術眼と桁違いの実践経験。
双方共に時代も生き方も違いながら、敵に対して最も有効な手段で確実に有利な戦闘運びをする卓越した戦術視点の持ち主。
身体能力の高さだけでない。
勝つ為に布石を打ち続ける盤面を戦いの中で百も千も描きながら思考し続ける。
相手の牙城を打ち砕いて
「突き破る───ッ!」
だからこそ、一進一退。
進めば弾かれ、退けば追われる攻防。
「出来るなら───ねッ!」
だが、条件は違った。
片やミレニアムからアビドスまで駆け抜けただけでなく此処に来るまでアーチャーとの戦闘、シャドウサーヴァントの軍勢の撃退を二度。
幾ら
対してアーチャーは供給の途絶える事のない魔力によって徐々に回復が損耗に追いついてくる。
千載一遇、致命的な隙。
見逃す筈もなく。
「こういう手は……どうだッ!」
視認すら許さぬ三連撃はブラフ。
捌き威力を殺さんとホシノが大地を蹴りつつ盾を動かす刹那。
アーチャーの手に握るは
「サーヴァントの血肉も武具も」
刺突の踏み込み勢いそのままに転がるようにホシノの死角へと飛び込むアーチャー。
「ッ……」
脇構え。
放たんとするは左一文字。
文字通り放たれれば必殺垂らしめる一撃。
「魔力で出来てるんで……ナ」
アーチャーの黄金の瞳が怪しげに揺れてホシノを捉える。
間合い、地面から足を離し盾を動さんとしてしまったホシノに躱すことは不可能。
最早、両断までに猶予はない中。
ホシノは───。
「あり?もしかして聞こえなかった?言ったよね」
破顔った。
「ノノミぃ、いッきまー……すッ!」
上空より飛来するは二名の若武者。
雨雲号の残骸から引っ張り出した
「狙いは正確……逃がさないッ!」
そしてその動きをアシストするは中距離戦の名手、砂狼シロコ。
「───
必殺の構え。
宝具でもそうだが全霊を放つ際にサーヴァントであれ人間であれ、渾身の力を溜め込むとなれば必然的に
つまりは隙を作るということ。
一対一であればそれを考慮した上で、確実に撃ち込む事で隙を消すが何度でも言おう。
「おいおい……冗談だろう!?」
今この戦場には
「うへー、ナイスだよぉ!ノノミちゃん!シロコちゃん!」
恐るべき膂力によって空中から肩口へと振り下ろされた
豪打。
生身の人間、それも外の人類であれば骨折どころの騒ぎではない一撃を咄嗟に剣を翳してアーチャーは凌ぐ。
鍔迫り合い。
一対一ならまだしも一対多では、ましてや
「今度はこっちの番ッ……」
当然その隙を見逃す筈もなし。
「隙だらけ───よッ!」
セリカの真骨頂は白兵戦ではない。
激情を力と
隙を縫う過集中から放たれる精密狙撃は獲物を逃す事はない。
「ぐッ……ぬぅッ……やるじゃな「ん、忘れてる?」……ッ!」
貫通こそせずとも突き刺さる鉛玉。
蹌踉めく前兆を察知するアーチャーはそれより早く回転翼を弾き飛ばして下がるが。
「私がいるって」
続くシロコの銃撃に襲われる。
「砂狼ィッ!シロコォォッ!」
一年生時点で小鳥遊ホシノをして本気を出さなくては危ういと判断され、長ずれば己を超えると太鼓判を押された若き天才は澱みなく拳打と弾丸をない混ぜに放つ。
この戦闘でシロコは既に自身の中で対サーヴァント用の白兵戦術を確立するにまで至っているのだ。
それでも拳と鉛玉、そして槍と剣との応酬ではアーチャーに軍配が上がる。
シロコの強襲を捌き切り、反撃を繰り出さんとする。
「疾 ───ッ!」
そんな事はさせまいと放たれるのは蹴撃。
日頃から趣味のライディングで鍛えられた瑞々しい下半身のバネを活かす蹴り技。
下段、足払い。
中段、横蹴り。
柔らかな股関節で阻むものなく繰り出される蹴技の数々は絶品。
いずれも当たればただでは済まない。
だが、男からすれば。
「(そいつは悪手ってやつだろうが……ッ!)」
あまりにも論外。
平地どころか砂地である以上、いくら砂漠慣れしていても設置した状態で蹴り技に重点を置いて戦闘を組み立てるのは危険。
連続蹴りはリーチもあって強力だが体重を片足で支える以上、一度体勢を崩されればどうなるかなど明白。
それを仕掛ける若人の甘さに苦虫を噛み潰した顔をしたアーチャーは、上段へと振り切られた右前蹴りを避けて反撃せんとして。
───軽い音が鳴った。
「……なッ!?」
シロコの右前蹴りはアーチャーの予想を外れ
何故なら役割はブラフ。
代わりにシロコとアーチャーの間に放られた
「(見誤った……ッ!?)」
此処にきてアーチャーは失策を悟る。
シロコが放とうとしたのは前蹴りではない。
強いて言うなら蹴り上げるように前に出して勢いをつけた、ただの
「自転車乗りの必需品……だよッ!」
ライディング用グレネード。
シロコが愛用する軽量ながら極めて高い威力の名品が起爆。
だがシロコは被弾しない。
何故なら、思い切り地面へと踏み込んだ右足を使って
「じゃあ次はぁ……☆」
そして次なる刺客は無論のこと。
ホシノが守りを固める間にシロコとセリカが追撃を敢行したからこそ。
「いきますよ〜」
手に持つは雨雲号の回転翼。
何をするのか、言うまでもない。
男は急ぎ手元に盾を、そして槍を呼び戻して守りを固める。
だが最早抵抗にならぬ。
剣術どころか棒術でもない、もっとシンプルで血なぞ流れぬ健全な技術。
「え〜、
後に肉を叩き潰し鋼を打ち砕く重低音。
結果は当然、安打以外になし。
大の大人が全長8mの金属板の質量と運動エネルギーに殴りつけられて吹き飛ぶ。
荒唐無稽としか言いようのない光景がノノミの一撃によって現実の物となる。
「……ナイスショット、で良かったですかね〜♣︎」
然もありなん。
ネフティスのご令嬢?
良いところのお嬢様?
片腹痛い。
十六夜ノノミはアビドスの女。
この荒れ地で歯を食いしばって生きる娘が、ただの手弱女の筈もなし。
「うーん☆ホームランでしょうか?」
手で庇を作っては眺めるノノミに、シロコは肩をすくめる。
「ん、ファーストゴロ」
「それはざんねん……私はショッキングです」
わざとらしく肩を落とすノノミにシロコもホシノも苦笑する。
四人で戦っていた時の張り詰めた緊張感はない。
ただ
「ふぅ……すぅぅ……あ、あのぉ……の、ノノミぃ先輩ぃ……!」
「あ☆アヤネちゃん!
「ど……はぁ……ふぅ……いたしまして……」
一人で戦っているのではない。
先ほどのように欠けた四人で奮戦しているのでもない。
「はいはい、楽しいお喋りはまた後でね。んじゃ……後ろ頼むね、ノノミちゃん、アヤネちゃん」
「お任せあれ☆」
「いつでもどうぞ!」
五人が、心から信頼できるチームが揃っている。
だから、誰もが恐れることもなく前に出られる。
負けまいと気負うのではなく、負けないと信じて戦える。
「じゃあ……飛ばしていこうかッ!」
ホシノは確かに強いだろう。
たった一人で通常霊基どころか上位とされるサーヴァントともこのキヴォトスであれば肉弾戦なら正面から渡り合ってみせるだろう。
「嗚呼、よくやるもんだ、お前達は……本当に。だが、だからこそッ!
だが、違うのだ。
「
だが、それだけではないのだ。
それだけでは戦場はひっくり返らない。
「セリカッ!」
「了解!シロコ先輩ッ!」
ようやく
ホシノという
「でりゃぁぁぁあッ!」
「ん───蹴り砕くッ!」
一撃離脱の格闘を見舞っていく。
ホシノの攻めを通し、逆に
「ならばァッ……ッ!」
蜂のように重たい襲撃を刺しては離れる二人に焦れたように男は光球を生み出す。
その数、実に二十。
撃てば即補充を繰り返す様は鶴瓶撃ち。
剣も槍も盾も手放して手掌で操っては夜の砂漠に青い魔力で彩りながら、隙を見てその拳より魔力の砲撃を放つ。
遂には雫のような魔力が降り注いだ大地は、時間を置いて起爆する。
「アトラスの光を───ッ!」
流星か落雷か。
幻想的な光景はその実、当たれば骨まで焼き尽くす莫大な
銃弾と違うのは直線運動ではない事。
アーチャーが直接操作する光球は檻のようにホシノ達前衛へと襲い掛かる。
時に蛇行し、時に死角から潜り込み、時に包囲する。
正面だけ向いていたらなんて容易い事は決して言わせない、ステップを強要する死の舞踏。
「シロコ先輩ッ!ノノミ先輩ッ!」
だが、青黒い魔力の光を朱色の焔が断つ。
爆炎放つのは二機のドローンとノノミの愛銃。
後衛二人と中衛による妨害はアーチャーの光球にも砲撃にも常にミサイルと銃弾で応戦し、ホシノ達の攻撃を通していく。
「私は皆さんのようには戦えません。だけど……いいえ、だからこそッ!」
戦いとは即ち
如何にして自身の優位を叩き付けて相手に勝つか。
強い方が勝つのではない。
環境もコンディションも手札も全部使い切って、その上で自分の
ならば。
「私は私のやり方で!この対策委員会の一員としてのやり方で!」
アビドス廃校対策委員会、奥空アヤネ。
手に持つタブレットを通しての指示出しとドローン操作を両立させる才女はその頭角を此処に示す。
「貴方に、
状況を常に冷静に把握し分析する戦術眼と広い視野。
「……あゝ、応ともサ。知っていた、とも」
平時は元より戦時において輝く才覚は今まさに発揮される。
「分かっていたとも……ならばッ!だからこそッ!」
対策委員会の澱みない攻勢。
アーチャーは痺れを切らしたように賭けに出る。
だが決して分は悪くない。
何故ならあの時とは状況が違う。
一箇所に固まってはいない、だがその分
ましてや距離の離れた
「旧き彼方の光を……見せようぞッ!」
胸を一つ叩く。
高まるは魔力の奔流。
鈍く光る魔力の瞬きは少女達に死を想起させるには十分過ぎるほど。
言わずもがな、宝具発動の前兆。
「仰っていたから分かっておられますよね?今この瞬間、戦況は」
しかしホシノ達の動きに変化はない。
恐怖も怯えも、ましてや焦りもない。
何故なら、答えは一つ。
「
既に対策済みだからだ。
「
謳いあげられるは虚構の祝詞、即ち真名。
だがそれを全て言い切る事は決してない。
「───そんな真似はさせません!」
僅か一秒の差。
アーチャーが言い切るより早く、後方から宝具発動を察知し切っていたアヤネの采配で二機のドローンと。
「(……見事だ)」
吶喊の直前に雨雲号から降ろされ、密かに簡易遠隔操作砲塔として砂漠に設置した対空機関砲が宝具発動を妨害した。
総力戦であった。
幾十、幾百か、幾千、幾万か。
槍が、剣が、銃弾が、盾が。
火花を幾億も散らしては砂漠に星空を描く。
「……一刻に届かず、か」
槍使いと対策委員会の戦闘は激化の一途を辿っていた。
誰かがアーチャーの片腕を吹き飛ばせば、誰かが槍を突き刺される。
誰かがアーチャーに打突を撃ち込めば、誰かが骨を砕かれる。
誰かがアーチャーに銃弾を叩き込めば、誰かが深手を負う。
「このままいけば共倒れ、となるナ」
両雄、満身創痍。
既にアーチャーも修復に魔力が追いつかず、右手は千切れかけ、左手の指は欠損し、胴体や四肢からは泡混じりの
「───潮時だ」
ホシノ達もまた同じ。
欠損こそないものの、立っているだけでも限界に近い。
「どうだ?ここまでやり合った誼だ……最後ぐらい気持ち良く力比べといくってのは?」
互いが睨み合う中、唐突にアーチャーが口にしたのは乾いた提案であった。
いっそ脱力してしまうぐらい軽やかに、困った顔をしてそう笑いかけられて、ホシノ達までつられそうになるほど。
「何考えて……っはぁ……そんな話が誰が信用するか……ッ!」
反応を最初にしたのはやはりホシノだった。
息も整わず制服の至る箇所を赤く染めながら、けれど両足に力を入れてギロリと睨んで見せる姿はまだまだ気力も体力も十分と見て取れる。
それに男は疲れ切った老人のような深々としたため息を吐いた。
「阿呆。お互い此処らが引き際だ。吾もこのままなら恐らく持たんだろうが……だが、仕留め損なえば何度でも吾はお前達に牙を剥くぞ。この先もお前達が抗うというのなら……」
男は、槍を手折る。
盾を棄てる。
剣を放る。
外套すら引き剥がすように荒々しく脱ぎ捨て、己が身一つで立つ。
「此処でお前達は
余力も策も何もかも投げ捨てて、次の一撃で決着を求めんとする。
「もっとも返事を待つつもりはないがナ!」
ニヤリと悪童のような笑みをしてから男は、今宵三度目となる仕草を。
「勝負は単純サ!吾がこの
その千切れ掛けの右手を無理やり左手で掴んでは気合いと共に胸を叩く。
「そいつを防げば自ずと吾の霊基は保たずお前達は勝ち、防ぎきれなきゃアビドス諸共焼き尽くすッ!」
空っぽの鼓動が、鳴り渡った。
「吾の宝具は二つ。一つは『
少女達はアーチャーの言葉に耳を貸さず、ただ察する。
これから来るのは先ほどの比ではなく、文字通り全霊を賭する一撃なのだと。
「この霊基では
アーチャーの胸より伸びるのは硝子質の結晶。
男の全身を侵すようにして生え伸びていくソレは、四肢へと絡みつき始め、根を生やす。
まるで男を決して逃さぬと言わんばかりに。
「みんな、私の後ろに」
それを見て、静かにホシノは覚悟を決めた。
全身全霊、全力の一撃を放つという。
「ッ!ホシノ先「大丈夫だよ、ノノミちゃん」……ッ」
付き合う義理はない。
だが、先ほどまでの宝具の様子からいって同じように熱線を放たれる事を考えれば、下手に避けては更に危険な目に遭うだろう。
ならばやるべき事はいつも通り。
「私が必ず───みんなを護るから」
その背にあるものを、守り抜く為に。
「良い女だ……悔いはあるが、お前が今生最後の相手で良かった」
ホシノの姿を見たのか、最早顔すら結晶に埋め尽くされた状態で男は溢すように感謝を告げる。
「そりゃどうも。良かったと思うなら黙って負けてくれてもいいんだよ?
「……嗚呼、本当にお前達は堪らんよ」
他意はなく。
ただ本当にホシノが嫌そうに答えてやれば、虚をつかれたようにしてから男は破顔した。
楽しそうに、愉快そうに、涙まで溢すのではと思わせるぐらいの大笑いをしてから。
「あゝ、しかし……礼を、と言ったな?」
結晶の樹木と化した男は、嗤った。
「ならちょうど良いッ!その身に刻んでいけ、お前達がこれから挑まんとする聖杯戦争をッ!」
男が吼える。
結晶の塊はまるで初めからそうであったように各部を動かして姿を変じる。
「聞け!この地に住まう遥か古き神々!新たな秩序にあって霊長に選ばれた人類よ!吾に課された銘は強欲!吾は強欲のアーチャーッ!」
砲塔を作り出し、熱量収束用レンズを編み出し、より深くと砲台を地面に突き刺す。
「我が主人との盟約に従い、このアビドスを蹂躙し尽くす古代の王であるッ!汝ら皆諸共にそれを望まぬとッ!許さぬと吼えるのならばァッ!」
最早人の形を留める事もない男は、それでもなお最後の意思をもって。
「このプト⬛︎⬛︎イ⬛︎スに勝利して魅せろ───ッ!」
吼える。
「灯台と言えど、未来を照らす事は叶わず。学堂と言えど、我が子を旅させる事は叶わず。故に、灯台は絶望の影を落とすのみ!故に、学堂は死を浮かび上がらせるのみッ!」
対して対策委員会も砲撃に備える。
ホシノの背を支えるように集まった四人。
ノノミ、セリカ、アヤネは銃を手放した両手でホシノの背中を押さえ、シロコもまたホシノの隣に立って盾を持つ。
「我が夢は虚構に満ち、我が旅は空虚な夢の如し。されどこの夢と旅の全てを焚べてッ!今こそ託されし
そして、光は満ちて、満ちて、満ちて。
今、溢れた。
男が持つ
自身の霊基と第二宝具を燃料にして第一宝具より過剰出力の砲撃を行う
「(嗚呼……これ、ダメなやつだ)」
絶大なる一撃。
星の数ほどある宝具の中でも単純な出力で言えば並び立つ物なぞそうはないだろう。
神代以降のサーヴァントが持つ宝具としては間違いなく破格の威力。
それを前にして、受け止めて。
数秒後にホシノは後悔した。
「(……はは、ちょっと聞いてないやこんなの)」
夜が明けたと見間違うばかりの激しい光芒による砲撃。
対史宝具、つまり人類史その物に対して行使されると区分される究極の一撃は天壌を焦がす勢いでたった四人へと向けられる。
熱量は夥しく灼熱なぞの単純な言葉では形容しきれない。
アビドス砂漠の砂を硝子にしてしまうほどの熱量。
まともに呼吸することすら少女達には許されない。
「(息が出来ない、立っているかどうかも分からない)」
これが強欲のアーチャー。
是こそが聖杯のサーヴァント。
本来であれば砕けた霊基を延々と修復し続ける形で再利用を図り、円滑に聖杯戦争を運営する為に用意された固定砲台たるアーチャーの真価。
生徒達は成す術もなく焼き払われ殺されるのみ。
「(守るって、言ったのに……なさけ、ないや……)」
当たり前なのだ。
こんな物を正面から受け止めるという事が間違っている。
勘違いしてはいけない。
そもそも宝具とは人類史においてただの一個人が名を残すというあり得ざる偉業を成した英雄の象徴その物。
「(本当にかっこわるいな……私……)」
それら全てが絶大な神秘と信仰で成立した
攻撃性で言えばいずれも必殺。
只人が正面から受け止めるなぞ傲慢以外の何物でもない。
「こん、なにッ!頼れるッ!後輩達がッ!」
だが、傲慢で何が悪いというのだ。
「私のッ背中をォッ!支えてくれてるのにさァッ!」
アーチャーという完成された伝説に今挑まんと盾を持って受け止めているのは十代の少女達。
「泣き言ォッ!……なんてェッ!」
傲慢で可憐でどこまでもどこまでも、自分たちこそ主役なんだと青春を謳歌するぐらいでいなくて、どうするというのだ。
「言えるか───ァァッ!!」
ホシノは吼える。
その手に持った盾を必死に前に突き出して。
それでもジリジリと盾が勢いに飲まれそうになるのをシロコが、ノノミが、セリカが、アヤネが。
対策委員会が一丸となって防いで。
「総員ッ!砲撃用ォォォ意ッ!」
そして今、ホシノの選択が正しかった事が証明された。
「撃て───ェェッッッ!」
対策委員会が第三宝具を正面から受け止める。
その選択をしたからこそ、そして今もまだ歯を食いしばって宝具を受け止めているからこそ。
被害は決してホシノが持つ盾の後ろには及ばないからこそ。
「ここが勝負所だ!気合い入れるよ!みんなッ!」
「ストックなんざ構うもんかッ!残りの全弾叩き込め……ッ!」
「CCCから全生徒に通達ッ!シャーレが弾薬費受け持ってくれるから好きにしちゃってッ!」
「こんなふとっぱら、なかなかないよー」
「お覚悟なさいませェェッ!」
「砲兵じゃない子はそのまま熱線に撃ち込んでやれ!少しでもいい!少しでもいいから邪魔するんだッ!」
「私達の敵をぶっ飛ばせェェッ───!」
「コハルちゃぁぁぁぁあんッ!」
「山なりに撃ってッ!オーバーフローしてる熱線の上から相手にぶつけるのッ!」
「必ず勝って……勝ってみんなで帰るんだァッ!」
シャドウサーヴァントの軍勢を凌ぎ切り、どうにか部隊を建て直したアビドス派遣部隊が応援に駆けつけられたのだから。
「(はは……すごいや……こんなに……こんなにッ)」
黒、白、灰、そしてアビドスの紺色。
合わせて四色。
部活も学園も違う生徒達の制服が血と汗で汚しながら、誰もが同じ方向を見て戦っている。
枯れた土地、もう再興なんて夢物語かもしれないと常に現実が耳元で囁き続ける自治区。
「(たくさんの人が私達のッ……アビドスをッ)」
そんなアビドスを、自分達の故郷。
誰かが愛していた忘れ形見を共に守ろうと力を貸してくれている。
その事実に、顔を見合わせる事なく、ホシノ達は頷いてから。
「お、おぉ……ッ!」
一歩前へ進んだ。
溢れる熱線がまるで乱反射するように盾に弾かれ光の柱を描く。
「負け、るッ……もんッ……かァッ!」
更にもう一歩。
また一歩。
ホシノを戦闘に、光の奔流を裂くようにして対策委員会は前進する。
その背中に力強い仲間達から応援を受けながら、前へ、また前へと進んでいく。
「お前ッ、なんかにぃッ!お前らなんか……にぃッ!」
けれどその足取りがどうしても止まる。
多くの生徒達の助けがあって、その心がどれだけ強くても。
現実の問題として今こうして拮抗しているだけでも十分に凄まじい事なのだ。
ましてや光の中を突破しようなぞ、本来は不可能を通り越している話。
「(っ……ここまで、来た、のに……ッ!)」
だけど、残り一歩。
あと一歩分だけ歩いて、耐えきれば良い時間が。
どうしても、本当にどうしても足りなくて。
その手の盾が押し込まれそうになるほど、相手の勢いが増して───。
がんばれ、ホシノちゃん
「っ……ぇ……ッ!ぉ、おお雄ォォォォッ!」
その瞬間、光の奔流は斜めへと
肩を押し当てるようにして盾を支えるホシノによって斜角を付けられた盾とぶつかった熱線は、まるで押し流されるように天高く昇っていく。
「いッ─── けェェェッッッッ!」
ひたすらに熱線を上へ上へと導きながら、ホシノ達は熱線が途切れるその刹那までを盾を支え続けて。
「……嗚呼、こういう終わりなら悪くない……ナ」
そして、光は遂に途絶え。
結晶の砲台は脆く崩れ落ちていった。
1じゃんね☆
駆け足だけどアビドス編の戦闘はこれにておしまい!次回ちょろっと話をしてから次の戦場へ!じゃんね☆
まぁじで長丁場だったアビドス防衛戦だったけど次回からサクサクいくじゃんね☆
登場人物少ないから多分2話か3話でさくっと書くじゃんね☆
最後に出演してた子?
1にはなんのことだかさーっぱりじゃんね☆ミーカミカミカミカミカミカミカ
最後にお知らせじゃんね☆
なんやかんやあって削除って形になってたPart6スレが過去ログに移動したじゃんね☆
というわけで大手を振って新スレことPart7スレを来週というかもう今週だけど建てるじゃんね☆
スレとかの今後についてはまた活動報告で詳しくお知らせするじゃんね☆